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2008年8月21日 (木)

一期一会の思いで過ぎ行く夏をかみしめる。08年8月21日

今日は入浴介助の日。ヘルパーのOさんから、「誕生日には少し早いけど。」と、母は花をプレゼントしてもらった。4月の母の弱り具合では、8月24日の誕生日は迎えられないと思っていたが、どうやら95歳を迎えられそうだ。
「花も嬉しいけど、それ以上に貴女のお気持ちが嬉しい。」と、母はとても喜んでいた。

入浴が終わった後、いつもは生協まで車椅子で連れ出していた。しかし、先週から疲労が強く無理になった。それで、買い物は一人で出た。
買い物帰り、いつもは通らない新河岸川沿いの裏道へ出てみた。日射しは強いが、風に秋の気配を感じる。ふいに倍賞千恵子が唄う「島原地方の子守唄」が脳裏を過り、昔の事が蘇った。

絵描きに転向して間もなく、その曲をウオークマンで聞きながら、毎日のようにその裏道を下り、岩渕水門へ出て、荒川を眺めた。あの頃、私は絵描きで食べて行けるか不安だったが、母は70代でとても元気だった。
その頃の私の生活は夜昼逆転していて、週に1,2回は朝帰りしていた。朝5時頃、住まいへ歩いて行くと、台所から母の立ち働く物音が聞こえた。私が庭のガラス戸を開けて入ると、気づいた母は「お帰り。楽しかった。」と、いつも声をかけた。母は私が遊びに行くのが本当に嬉しい様子だった。若い頃から、祖母、父と介護の手伝いをさせられていた私に、人生を楽しんでもらいたいとの思いがあったようだ。

そんな昔の事を想い出しながら、裏道を曲がりくねって、住まい近くの遊歩道に出た。
夏は間もなく終わるのだろう、雲間の青空はどことなく透明度を増していた。夏の散歩は無理だと思っていたが、母は何とか耐えてくれた。母と暮らしていると、一期一会の言葉が強く心に響く。今年の春の桜は、今日一日の思いで、母に眺めさせた。夏の猛暑も、母にとっては二度と出会えない日になるかもしれないと、しっかり味合わせた。そうやつて、日々が過ぎて行くうちに、母の人生は静かに終わるのだろう。

桜並木のアオノリュウゼツランはしっかりと頂上の花が咲き始めた。咲き終えた下の方は枯れ始めたが、やり尽くした清々しさがある。今日も数人の年寄りが、寂しくなった花を見上げていた。60年の生涯の終わりに渾身の力で花を咲かせ、枯死する。その生き方が心を打つようだ。

昨日、インターネットで発注した個展用の額が届いた。思ったより良い額で満足している。マットと合わせると、世界堂より2割は安い。案内状は殆ど出し終え、後は残り100枚ほどを少しずつ書くことにしている。後は作品作りに全力を尽くしたい。

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