針裏がフラットに止まる中型のホチキスを買った。08年10月17日
文房具が大好きで、万年筆、色鉛筆、硝子ペンと、次々集めた。と言っても蒐集ではなく、徹底的に使ってみるのが好きだ。最近、針裏がフラットに止まる3号針の中型ホチキスを買った。しかし、使う機会が少ないので、色々な紙を厚く重ねて綴じて試している。3号サイズは他にクロームメッキのレトロな卓上型がある。マックス社が戦後直ぐに作ったホチキスの改良型で、今も殆どデザインが変わらないロングセラーだ。バネ付き押し金具を外し、弾を込めるように針を装填する機構が楽しい。
よく知られているが、"ホチキス"の名は機関銃の発明者アメリカ人ホチキスが作ったことに由来している。ホチキスは機関銃の原理を使って"ホチキス"を考えた。日本メーカーのマックス社の前身は零戦の尾翼を作っていた山田航空工業だ。共に軍事産業から平和産業への転身で興味深い。
持っている変わり種ホチキスでは、針送りをスプリングではなく、ゼンマイ状の燐青銅の帯バネを利用した30年前のマックス社製がある。針は中型の3号サイズだが、小型の10号針と同じ細さなのが面白い。しかし、残念ながらそのサイズの針は今は手に入らない。写真に写っている装着済みの針が残り総てだ。
相変わらず金融危機関連のニュースが多い。その中、ニューヨークのメインストリートに点々と空き店舗のある映像は衝撃だった。これは東京銀座に空き店舗が出たようなもので、去年までの高額商品が飛ぶように売れた好景気が、ウソのようだ。残った店は8割引の大廉売をしているが、まったく売れない。インタビューに消費者は「必要なものしか買わない。」と、答えていた。金融会社が主な賓客だった絵市場も相当に落ち込んでいる。新しい需給均衡が生まれるまで、苦難が続きそうだ。
それにしても、ウオール街の20代の若者たちが、軽く数億の年収を得ていたのは異常だった。これからアメリカ国民は、そのつけを払わされるのだろう。
先程まで、「ホームアロン3」を見ていた。その中で普通の主婦が、「今朝の株価はどうだった。」と会話しているシーンがあった。今まで気にしていなかったが、市民の、その経済感覚はすでに狂い始めている。
アジア人は稼いだお金は貯蓄するが、アメリカ人は株等の投機に使って増やそうとする。実際、殆どの市民は多額の不労所得を得、気前よく消費していた。そうやって、アメリカ経済の4割が金融関係になったのは、あまりにもいびつだ。これからは徐々に、額に汗する質実剛健の伝統的アメリカ精神が見直されるだろう。
金融危機より、アメリカの医療崩壊は目を覆うばかりだ。医療現場の特集で、無保険者用の病院待合室で、長時間待たされて倒れた病人が職員にも放置され、そのまま亡くなる様子が映されていた。入院費用を払えない入院患者が外へ放り出されてしまうシーンもあった。中流家庭でも無保健で病人をかかえると、高額負担で全財産を失う。批判に晒されている日本の医療制度だが、アメリカの現状を見ると天国に思える。病院へ一割負担で毎日遊びに行く日本の老人のことを彼らが知ったら、驚くだろう。
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