景気予測は専門家より、自分の直感を信じる。08年10月27日
夕暮れに空一杯に黒雲が覆い、雷鳴とともに驟雨が来た。
ニュースの方も、株暴落、世界素経済沈下、円高、と大嵐の様相。外の雨は一気に気温を下げて通り過ぎたが、大不況はこれから本降りが始まる。
先日、宝石の仕事をしていた頃の知人と話した。最近の宝飾品の売り上げは大変な落ち込みらしい。私が関わっていた頃は、どんなに景気が悪くても、高級品は売れるとの神話があった。今はその神話は崩壊し、知人は忍び寄る100年に一度の大不況に怯えていた。しかし、大恐慌と言っても、戦争のように大量に人が殺される訳ではない。少しの間、耐え忍べば間違いなく平穏な日々がやってくる。
実態以上に経済危機は増大している。その原因は漠然とした不安だ。不安と言っても病的な深刻さはない。景気に光明が見えただけで一瞬で解決する軽いものだ。
絵描きは作品制作中、一つの感情を維持する。しかし、同じ感情を維持するのはとても難しい。その視点で見ると、世間は3ヶ月もすると不安にも耐乏生活にも飽き、ゆとりのある人から消費を始めるはずだ。多分、売れ始めは宝飾品等の高級品だ。私見だが、経済危機の大底は来春に終わると見る。その後は、緩やかな上昇を始め、来夏あたりに世の中は自信を取り戻す。その頃は平均株価は1万を越え、質素だが落ち着いた世の中になっているだろう。
絵描きの直感は意外に当たる。対して、経済専門家の考え程あてにならないものはない。今回の危機を予測したのも、危機を引き起こしたのも、世間に不安を垂れ流したのも彼ら専門家だ。考えが右から左、何でもありと言うのは、天気予報で晴れ時々曇りか雨か雪か台風か、と予測するのと同じ。それは何も考えが無いのと同じだ。
経済専門家は、特定のグループの利益代表と思えば理解しやすい。
アエラで、金融工学の権威テリー・デュホンにインタビューしていた。彼女はマサチューセッツ工科大卒の才媛で、今回の経済危機を招いた戦犯の一人である。彼女は自分たちが開発した金融証券がこんな結果を招くとは想像もしていなかった、と言い訳していたが真っ赤なウソだ。早くから警鐘を鳴らしていた専門家たちを彼女達は論破して潰していた。科学は新技術の弊害を予測するのも重要な役割だ。たとえば、副作用を予測しない医薬品開発はあり得ない。
しかし、彼女達は無分別に金儲けツールを垂れ流し、ツールを駆使した一部の投資家たちは、売り逃げし巨万の富を手にした。経済専門家が信用出来るか否かは、彼らが誰の利益代表かを見ると分かり易い。もう遅いが、米国民は自分たちの代弁者を見誤っていた。
書いていると、突然に母のブザーがけたたましく鳴った。慌てて駆けつけると、腰に激痛が走ると訴える。困ったと思いながら、調べると腰の下にポータブルトイレの蓋がある。引き抜くとすぐに痛みは消え、「良かった良かった。」と母は喜んでいた。小人ながら、当方も内憂外患こもごも至る。
写真は今日午前中の緑道公園の母。
来春から少しずつ景気は上向くと予想しているが、我が家の経済沈滞は長く続きそうだ。
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