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2008年10月10日 (金)

注射器の使い回しでC型肝炎に感染させられた世代。08年10月10日

日射しは強いが、日影は冷涼。いつの間にかツクツクホーシに代わって秋の虫が鳴き始めた。
散歩の行きがけ、緑道公園でKさんと愛犬の小次郎くんと一緒になった。深い緑陰が続く歩道は心地良い。先へ行く小次郎くんは「大丈夫。」と言いたげに、私たちを何度も振り返った。残った片目は失明寸前なのに、相変わらず心優しい。

途中、旧知のTさんに出会った。まだ、抗がん剤の局所注入の管が腹に入っていて元気がない。病は母と同じ肝ガン。治療が終わるまで、辛い日々が続きそうだ。
昨日、同窓生のS君が肝ガンで急死したと遺族から葉書が届いた。彼の肝ガンは母より長いが経過は良好と聞いていたので、突然の訃報に驚いた。そう言えば緒形拳も肝ガンで死んだ。肝ガンの原因の大部分はC型肝炎である。ちなみに、母のC型肝炎は胆石手術に伴い感染させられた。その肝炎ウイルスは、肝ガンを置き土産にして自然消滅した。

我々の世代は予防注射を使い回しされ、多くの者がC型肝炎に感染させられた。彼らは、肝炎、肝硬変、肝ガンの経緯を辿り、今、その訃報を多く聞く。当時は、ワクチンを満たした注射器一本を4,5人の子供に回し打ちした。一人打ち終わる毎に、針内の薬液を排出して捨てるが、希に微量の血液がシリンダー内に逆流することがあり、完全な措置ではなかった。義務教育中の予防注射は20回以上で、感染の機会は多かった。

小次郎くんたちとは墓地の辺りで別れた。
自然公園の田圃の半分は稲刈りが終わっていた。松下さんたちボランティアが、稲架(はざ)に稲かけの最中で、一段と秋の風情が濃くなった。田舎育ちの私たちには懐かしい風景だ。稲架かけ作業を、脇の遊歩道から多くの老人たちが見物していた。

自然公園ののどかな風景に反し、世相は暗く危機的だ。今日、大和証券破綻に引き続き、株価は8000円台に急落した。私は8200円が大底で、それから反転が始まると見ていたが、欧米が有効な手を打たなければ、今の発狂状態では8000円割れもありうる。それにしても、4人のノーベル賞受賞は闇をほのかに照らす救いの灯火だった。

M0810
夕暮れの新河岸川。手前橋上は埼京線北赤羽駅。遠く荒川を経て川口方面を遠望。

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