シークレット・ガーデンの「ノクターン」に安らぐ。08年12月8日
午前中の母の散歩は休み、10時予約の上野歯科医院へ行った。親知らずの古いクラウンが痛み、下が虫歯になっての治療だ。丁寧な治療のおかげで、新しいクラウンは何の違和感もなくピタリと入った。費用は健康保険で4500円。
帰宅してからの昼食も快適。他の光硬化樹脂補填の小さな治療と、歯石クリーニングに数回通院すれば治療は総て終わる。歯科医院の帰り、気分がいいので赤羽駅前でスクラッチ宝クジを買った。5枚中200円の当たりで、運は末吉くらいか。
今回、超音波歯ブラシとジェット水流口腔洗浄器だけでは不十分だと知った。
失敗は完璧な歯磨きができるとのメーカーの説明を鵜呑みしたからだ。歯垢が面白いように取れる歯磨きのCMがあるが、あれも誇大広告だ。歯垢は、手磨き、歯間ブラシ、デンタルクロス、を主体に、電動歯ブラシとジェット水流は補助的に使ってはじめて綺麗に落ちる。
殊に、親知らず清浄は手磨きの方が確実だ。手磨きを主体にしてから、2,3週間で歯茎がみるみる健康になった。
昼食後、生協での買い物を兼ねて母を散歩へ連れ出した。母は1日に1度は連れ出さないと体調が落ちる。散歩コースの木々は一段と晩秋の趣になった。風は冷たいが、母は湯たんぽを抱き完全装備なので温かい。--上写真は桐ヶ丘体育館から見上げた赤羽台の自然林。下写真は桜並木。老いると痛みや疲労に悩まされるが、自然に触れることで和らぐ。
「私、お昼は食べたかしら。」
生協から帰り道、母が突然言った。
「作るのが面倒だから、お昼は抜いたよ。」と言うと、
「そんなこと言うとこみると、食べたんだね。」と母は笑った。そんなへそ曲がりのところは私に似ている。
老人介護では、食事と出る方に誰もが悩む。
昨日、母は便通がなく大騒ぎしていた。そんな時は、大黄主成分の毒掃丸を少量服用させると確実に通じる。しかし、通じが良くなり過ぎて粗相をするのが欠点だ。しかし母の場合、2日以上止めることは厳禁なので、粗相覚悟で三分の一量飲ませた。おかげですぐに通じたが、危惧した通り粗相もして、昨夜は処理に謀殺された。
食欲不振と吐き気は相変わらずで極めて小食。しかし、栄養剤のエンシュアリキッドとの組み合わせで、栄養状態は良い。
土曜夜のテレ朝で、「ドラマスペシャル 男装の麗人~川島 芳子の生涯~」を見た。黒木メイサが艶麗でなかなか良く、バックに流れていたシークレット・ガーデンの「ノクターン」が印象に残った。
母が倒れてから、シークレット・ガーデンのCDを3種、あちこちからプレゼントしていただいた。癒し系だけにとても安らぐ。欧米では「You Raise Me Up」が人気があるが、東洋人の私には、アジア的な「ノクターン」が断然魂を揺さぶる。この曲を聴いていると、デジャビュのように一つの情景が思い浮かぶ。荒野を馬でさすらう若者。頬を過る風。戦いに破れ、故郷に残した愛する人に会いたいと願いながら、逃避行を続けなければならない切なさ。何故か、同じイメージがいつも脳裏を過る。切ない情景なのに不思議に安らぐ。以前そのようなドラマがあって、BGMに使われていたのかもしれない。
昨日は素晴らしい青空で、最高の富士と奥秩父の山塊が見えた。
赤羽自然観察公園のスズメ達は枯れ枝に止まって、私たちを待っていた。下から見上げるとマシュマロみたいにプクプクしたお腹が可愛い。小鳥の餌を撒くとコロコロと舞い降りて、美味しそうについばんでいた。
就職を控えた若者にアンケートしていたが、今年は95%が不安を感じているようだ。希望就職先のランクでは安定した地方銀行などが上位。私の頃は造船や製鉄が人気で、同窓生の秀才たちでその方面へ進んだ者は多い。しかし、それらの産業はすぐに斜陽になって、後年、彼らはぱっとしなかった。
「おごれる人も久しからず」
若者は何時の世も先読みがヘタだ。
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