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2009年2月15日 (日)

NHK・沸騰都市シンガポールは魅力がない国だ。09年2月15日

傍らのテレビでNHKスペシャル・沸騰都市「シンガポール 世界の頭脳を呼び寄せろ」をやっていた。この豊かな都市国家は絵描きとしては、まったく魅力のない国だ。投資効率が良く、投資家と投資価値のある人材には快適でも、それ以外は切り捨てられる。まるでバブル時代に逆行しているような、時代錯誤な画面が映し出されていた。

国民一人当たりGDPが日本を抜いている言うが、それは数字のマジックにすぎない。シンガポールでは極めて劣悪な労働条件の派遣労働者と単純労働者は周辺の貧しい国から集め、不要になれば追い返す。多数の貧乏人を統計に入れる必要がないのだから、1位になって当然のことだ。これなら、貧困層への生活保護や医療保険は不要で財政負担も小さくて済む。
そんな馬鹿げた統計はないだろうが、仮に日本から貧困層の派遣労働者と単純労働者を海外に追いやり、残った人口で生産額を割れば、間違いなくシンガポールを圧倒するはずだ。

世界の頭脳を集め実績を上げている点については、金になりそうな世界の頭脳を集めているだけで、誇れることではない。良いとこ取りのつまみ食いでは、未来に繋がる科学発展は望めない。たとえば、日本のノーベル賞研究の多くは金になりそうにない地味なものばかりで、これがシンガポールならすぐに切り捨てられる。
小さな都市国家に、総てが無理なことは首相リー・シェンロンも分かっている。
「ノーベル賞など必要ない。直ぐに産業に結びつく研究が欲しい。」
彼は冒頭で割り切っていた。

行政の研究評価基準が西欧一辺倒なのは厭な傾向だ。この国の研究は、米科学誌サイエンスや英科学誌ネイチャーなどに掲載されなければ評価がゼロになり、研究は打ち切りになる。英語を第一公用語にし、独自文化を否定する後進国感覚では、概ねこんな品のないことになる。かって日本人は黄色い白人と馬鹿にされていたが、それはこの国にぴったりの言葉だ。

様々な人種と階層が対等に混ざり合って独自文化が生まれるのに、シンガポールにはそれがない。どんなに豊かでも、あの上辺だけ衛生的な箱もの都市は肌寒く、絵の素材にしたくない国だ。これは華僑の自己中心的なプラグマティズムが行き着いた奇形国家だ。それに対して、リー・シェンロンは「全世界が我が国を支持している。」と反論するだろう。しかし、彼の考える支持層とは1億以上の投資が可能な富裕層と、利益をもたらす頭脳だけのことだ。これが偉大な思想家孔子孟子を生んだ民族の国とは信じ難い。

番組を見終えて、シンガポールは人間の本当の幸せを忘れてしまった国に思えた。もっとも、無能政治家と欲ぼけ官僚たちに悩まされている日本国民としては、あの決断が早く有能な政治家官僚たちは大変魅力があるが。

トップ、リー・シェンロンはやり手の経営者に近く、拝金主義の中国首脳たちとは気が合いそうだ。しかし、彼は一流政治家ではない。彼らが目指すのは、国家間に極度の貧富の格差を生む収奪システムのひな形で、絶対にモデルにしてはならない国家だ。

シンガポールの幸福度は、2012年度米調査会社ギャラップ調査で148ケ国中最下位。この国には大器晩成の思想はなく、小学生時の選抜試験で一生が決定される。そのような激しい競争社会と政治的な息苦しさが幸福度最下位を招いた。


シンガポール関連ページへリンク。
新富裕層 vs 国家・富をめぐる攻防・NHKスペシャル、それは利己的に世界を崩壊させる。13年8月18日

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朝から曇り始めて、車椅子を押すには程よい冷たさだった。そのせいか、曇り空にかかわらず赤羽自然観察公園は賑わっていた。
最近、家族連れが多い。家計引き締めのせいで、出費のかさむ遠出を避けているのだろう。父親に連れられた5,6歳の姉弟は、目を輝かせて古民家へ走って行った。輪投げ、おはじき、ビー玉、お手玉、と昔の素朴な玩具ばかりだが、広い畳の上でのびのびと遊べるのは、今の住宅事情では得難い体験だろう。

土間で休んでいると、おばあさんが母に話しかけた。年は70歳で去年死んだ姉と同じ歳だ。母の帽子の花が素敵だと褒めてくれたが、母が照れて口ごもっているので、
「先が長くないので、好きにさせています。」と、代わって答えた。
「先が長くないのは、皆同じです。オギャーと生まれた赤ちゃんでも明日に死ぬかもしれません。」
おばあさんは、生真面目に言った。冗談と受け流してくれると思ったのに、これでは話しの繋ぎようがない。おばあさんは、明日も会いたいと母に話していた。一人散歩が余程寂しかったようだ。

公園には、毎日散歩に来る老夫婦が数組いる。最近、彼らは結婚生活のエリートだと思うようになった。そのように、老いても心を通じ合える夫婦は貴重だ。
公園のベンチで休んでいた熟年夫婦は、話題を作って話しかける妻に、夫はうるさそうにそっぽを向いていた。帰り道、二人は私たちの先を歩いていた。妻はわざとゆっくり歩き、次第に夫から離れていった。夫はそんな妻を振り返りもせず、先へ先へ歩いて行った。

睦まじい二人を眺めるのは心地良いが、後者は滅入る。そのような夫婦を眺めると「黒の舟唄」の・・男と女の間には深くて暗い川がある ・・の歌詞が頭を過る。
互いに悪口を言い合い、近づいたり離れたりしても、深い所で気持ちが繋がっている、それが男女の平均像だと思いたい。

帰りは赤羽駅高架下のスーパー、フードガーデンで食材を買った。目玉商品に大きめの500グラムの大山豆腐が53円。賞味期限は2月20日なので3丁買った。大山豆腐はいつも買う品で味は信頼している。他に巨大な国産ブロッコリーが138円、通常価格の半額の生ハム、などを買った。フードガーデンは鮮魚も種類が豊富で安く、赤羽地区では一人勝ちの様相だ。

TinjyuJintyo上写真。帰り道の八幡様の鎮守の杜。左高架は新幹線。右は京浜東北線に東北線。ここから左折して緑道公園へ向かう。

下写真。桜並木傍らの小公園の沈丁花の開花。ふと、香りを感じたので、立ち止まると開花していた。

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