春一番が吹いた日。09年2月13日
4月の暖かさになる、との予報を信じて、薄着で散歩へ出たら肌寒かった。
上写真。赤羽自然観察公園では、ウグイスカグラの新芽が出て花が開き始めた。
下写真。手摺の傍に咲くウグイスカグラを眺める母。
自然公園に保育園の小ちゃな子供たちが大勢来ていた。
「こんにちわ。」
可愛い行列に挨拶すると、子供たちが話しかけた。どうやら、母がなぜ車椅子に乗っているか知りたいようだ。
「まだ赤ちゃんだから、歩けないんだ。」
そう答えると、女の子が母を指差して何か言った。どうやら、「どうして赤ちゃんなの。」と言っているようだ。
「アカだらけだから、赤ちゃんだよ。」
母の赤いダウンコートを摘んで言うと、子供たちは「赤ちゃんにしては大き過ぎる。」とか「シワもよっているし、可愛くない。」とか言い合いを始めた。そんな大騒ぎを後にすると、子供たちは一斉に「さようなら。」と、手を振ってくれた。
どの子も今は可愛いばかりだが、大きくなったら、派遣切りや介護で苦労するのだろう。
夜9時、ベットの母を見に行った。母は呼吸の動きが少なく、以前より死んでいるように見える。しばらく眺めていても動く気配がないので、試しに布団を直すと母は目覚めた。無事だと分かっても、最近は慣れて安堵もしない。
「私、寝る前に飲む薬、飲んだかしら。」
母は睡眠薬と緩下剤のことを聞いた。それらは1回分づつプラスチックケースに入れてある。
「飲んだよ。ほら、空でしょう。」
空のケースを見せると、
「うん、飲んだみたいね。ありがとう。」
母は礼を言って寝入った。
母が死んだら、そんな何でもない感謝の言葉を思い出すのだろう。立派な言葉より、日常のささやかな言葉が深く心に残るようだ。
相変わらず、動画作りに熱中している。殊に音作りが厄介で、視聴者のパソコンのスピーカーまで考慮しなければならない。以前、アップした動画は、デジカメで撮ったままのデータを編集なしで使ったので、音の問題はなかった。今回アップした動画は、画像と音を編集したので、一般の小型スピーカーに十分に対応していなかった。それで作業が長引いている。
動画作りは止めて、仕事に集中しなければならないのに、好きなことは生活を度外視して入れ込んでしまう。この性格だから絵描きをやっていられるのだろう。
生活の先行きは増々厳しくなった。以前ならどんなに厳しくても最後の手段があったが、今回の大不況では見つからない。それでも頑張っているが、まるで、金庫を爪楊枝でこじ開けている気分だ。しかし、ギブアップはできない。爪楊枝を大型バールに変えてでもこじ開けようと思っている。
こんな厳しい時代には、ひたすら安定に憧れる。しかし、いざ生活が安定すると、意外に幸せ感はないものだ。今、幸せを感じられなければ、目的を達成しても幸せにはなれない。希望を持つことは大切だが、希望は先へ先へ高くして、永久に達成してはならないもののようだ。
昨夜の夢で、東京北社会保険病院下公園で死んだ人達が楽しそうに花見をしていた
「何だ、死んだと思っていたのに、生きていたのか。」
話しかけると、皆の笑顔が振り向いた。ただそれだけの内容だが、目覚めた後、いつまでも心に残った。もし、「一緒に花見しないか。」と誘われていたら、あの世に来いと言うことだろう。目覚めた後、誰からも誘われなくて良かったと思った。
死んだ人達は、日頃忘れていたから夢に出て来た。夢の精神分析の医学書にそんなことが書かれていた。母は、子供の頃に死んだ大好きな甚平じいさんが夢に出てくれれば良いのに、と話すが、日頃思い出す事が多いので、夢には出てくれない。
再度、昨夜の夢に出て来た人を思い返そうとしたが、全く思い出せなくなった。
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