厳しい注意で、母のプライドと自立心が蘇った。09年4月18日
朝6時に、母のブザーに起こされた。最近、私は7時に起床しているので1時間早い。母は時計を1時間早く見誤り、私が寝過ごしていると勘違いしたようだ。1時過ぎに就寝して、睡眠5時間では身体が辛い。きつく注意すると、「ちょっと、間違えただけじゃない。」と母はムッとした。
このような母の間違いは増え気味で、このところ3日おきに起こされている。
寝床に戻ったが二度寝ができず、テレビを点け、朝刊を読んでいたら7時になった。
母を起こし着替えを手伝い、テレビ前の椅子に座らせた。母の洗面は、椅子に座ったまま水受けの大型洗面器と水差しを使ってさせる。洗面前に母は髪を整えるので、その間、洗面道具を置いて、流しの後片付けをした。
片付け終えて行くと、母は自分で洗面も終えていた。私に厳しく注意されたことで、プライドと自立心が蘇ったようだ。
「全部、済ませたよ。」母は得意げだった。
「一人でできて、偉いね。」ほめると、母は嬉しそうにした。これをきっかけに、明日から一人で洗面してくれると助かる
自立心が戻ったせいか、赤羽自然観察公園での歩行リハビリも、母はいつもより2メートル長く歩いた。しかし、厳しく注意するのは諸刃の刃だ。性格や体調によっては逆効果になる。幸い母は体調が良く、気性が強いのと相まって良い効果が得られたのだろう。
土曜日の赤羽自然観察公園は家族連れが多かった。
若い父親が3歳ほどの男の子を肩車して私たちの前を歩いていた。お父さんと話す男の子のたどたどしい声がとても可愛い。
「これは、ミズキでちゅ。」
彼は草木の名前に詳しく、お父さんに一つ一つ説明していた。
そのうち飽きたのか、「ちょんまげ。」とお父さんの長髪を束ねて遊び始めた。
「正喜も、あんなことしてみたかったでしょう。」
ちょんまげを作って喜んでいる男の子を見て、母は笑った。
父は40歳前に頭髪は薄くなっていた。だから、私にフサフサした髪の父の記憶はない。もっとも、私たちは父に遊んでもらうのを嫌がっていたので、肩車された記憶はない。
帰りは赤羽台団地を抜けた。
今、団地外周道路沿いの、八重桜並木が満開だ。
品種は分からないが、サトザクラ系だと思う。
この桜は1本だと美しいが、集団では重苦しくて品がない。
並木は八重よりソメイヨシノが軽やかで美しい。
赤羽駅高架下のスーパーで買い物をした。
その間、母はいつも通路脇池の金魚や鯉を眺めながら待っている。
写真の鯉は昭和三色(しょうわさんけ)の子供。
体長15センチと小さいが、とても元気で頭が良い。沢山の中でこの子だけ、濡れた壁タイルに生えたアオノリを半身を乗り出して上手に食べている。この子のように勇敢で創意に富んだ個体が、進化に大きな影響を与えるのだろう。これからの成長を楽しみにしている。
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