« ささやかなことの連続が、生活を良くも悪くもする。09年5月4日 | トップページ | 岩崎宏美婚約発表とアンパンマンを意地悪く見た。09年5月8日 »

2009年5月 6日 (水)

桐の花の香り。09年5月6日

このところ早朝に、母のブザーに起こされる。時計を見誤り、私が寝過ごしているとの思い込みからだ。一昨日は、まだ暗い4時に起こされた。
「外を見れば、早過ぎるって分かるだろう。」
強く言ったが効果はない。
「ごめんごめん。勘違いしてしまって。」
素直に母は謝るが、翌朝には忘れて同じことを繰り返す。おかげで、毎日ひどく眠い。
「寝過ごしてもかまわないから、絶対に起こさないでくれ。」
今日は、厳しく言っておいた。
「お昼まで寝ていても、起こしてはいけないの。」
母は言い返した。惚けているのに、へ理屈の反応は良い。
老親の世話は、完全主義では絶対に無理だ。それどころか、相当に大雑把にならないと疲れ果て挫折する。

今朝、ネットで申し込んでいた粗大ゴミを出した。昔、母用にゴミ置き場から拾って来た古い鏡台で、最近はまったく使わない。大きいので処理費は300円のB券3枚。
玄関を開けると冷たい風。鏡台の鏡と台をばらし、車椅子に乗せて粗大ゴミ置き場へ運んだ。場所塞ぎを片付けると部屋が広くなった。

朝食後の散歩の出がけ、「寒くないか。」と母に聞くと、「ちょうど良い涼しさだよ。」と言う。
同じやり取りを繰り返しながら、御諏訪神社辺りへさしかかった。
「寒い。」母は突然訴えた。
そこから家に引き返すのは面倒。迷った末、リュックに入れておいた雨具を風よけにし、赤羽自然観察公園行きは止めて、桐ヶ丘生協から引き返すことにした。老いると感覚が鈍くなり、気温の変化が分かりにくい。いつもは私の判断で、防寒対策をするが、希に失敗する。

桐ヶ丘生協に、いつもより早い時間に着いた。
店内に入ると、旧知のTさんが買い物をしていた。Tさんは私より若く、5,6年前から肝臓ガンで闘病中。しばらく会わないうちに、すっかり弱り車椅子になっていた。今日はヘルパーの買い物介助で、まとめ買いに来店したようだ。
「久しくお見かけしなくて心配していました。」
会えて良かったと言うと、
「お母様のように、私も頑張らなくては、と思っています。」
Tさんは明るく答えた。
彼女はキリスト教系の宗派の信者だ。彼女の明るさは宗教と信者仲間の支えによるものだろう。

帰り道、Tさんを話題にしたが、母は誰のことか分からなかった。去年まで、彼女に会うと母はとても喜んでいたのに、そこまで惚けたかとがっかりした。道々、昔のことから説明すると、母はやっと思い出した。
「様子がすっかり変わっていたので、分からなかった。」
母は言い訳した。

彼女は、去年夏から今も、抗がん剤持続注入ポンプを脇腹に付けている。去年の暮れに会った時、思うように効果が出ない、と漏らしていた。今日、再会できたのは彼女が呼び寄せたのかもしれない。

Kiri1Kiri2桐ヶ丘団地の桐の大木に花が咲いていた。
4年前、太い枝からばっさり刈られてからは、花が殆ど付かなかった。今年は昔のように華やかに咲いてくれて安堵した。地面に落ちた花を拾って嗅ぐと、甘い香りがした。
「本当に佳い香りですね。」
通りがかりの知らない人が声をかけた。
桐ヶ丘都営団地が建て替えになれば、
この桐は切り倒される。

Ma_3

|

« ささやかなことの連続が、生活を良くも悪くもする。09年5月4日 | トップページ | 岩崎宏美婚約発表とアンパンマンを意地悪く見た。09年5月8日 »