一難去ってまた一難、平穏は夢。09年6月13日

夕食後2時間の8時に、母に睡眠導入剤レンドルミンを飲ませる。
今夜も眠りにつくまで母は混乱が起き、ブザーで何度も呼びつけた。
「薬飲んだかしら。」「今日は何日。」「夕飯は食べたかな。」
薬の作用だけでなく老いによるものだ。少しずつ壊れて行く母を見ると、軽い喪失感を覚える。

先日、Mac本体と外付けDVDドライブをFireWireで繋いだ。USBも進化しているので、目を見張る転送速度はない。一昨日から、DVD-RWにデータを焼いたり消したりして遊んでいる。DVD-Rと比べ抜群の耐久性だが、対応DVDプレイヤーが少ないのが難点。

昨日は博多の兄へ送る母の動画を編集してDVD-Rに焼いた。素材は古いデジカメで撮った荒い35秒動画。タイトルと説明は画用紙に手書きして5秒づつ撮った。

今朝、8分の作品に編集したのを母に見せると、一瞬自分だと分からなかった。
出だしは2003年、肝臓ガンが見つかってから駒込病院に入院するまで。90歳になったばかりの母は快活で元気だ。

老いが進み始めたのは、大好きだったビーズ細工を止めた頃と一致する。気力が萎えた原因は2006年の急性胃潰瘍だ。東京北社会保険病院に緊急入院して1週間で快癒したが、手芸への意欲は戻らなかった。それをきっかけに、次々と自分でできることが減り、老いも進行した。

最近反省して、ワイシャツ、寝間着の脱着は傍らで見守るだけにしている。時間はかかるが、やらせてみると何とかできる。指先を使うのは老いの進行阻止に大変有効だ。その効果で、兄へ毎日書いている葉書の文面が丁寧になった。

一方、私は問題山積。
歯茎のしこりが何でもないと分かったら、今度は踵の痛みが増した。以前は経皮吸収型鎮痛消炎剤フェルビナクを塗ればすぐに治まっていたが、今は効果がない。歩き方を工夫しても、痛みは激しくなって行くだけだ。整形外科へ行く他ないと思ったが、その前に衝撃吸収素材使用のスポーツ用インソールを試してみた。すると、劇的に痛みは消失。靴一足と値段はかわらないが、それだけのことがある。

悩みがなくなり、ほっとしていたら、電通から受けた仕事がクライアント内部事情で止まっている。この様子では入金が遅れ、生活が危うくなる。最悪、今の厳しい社会情勢では、仕事自体が空中分解することもありえる。"一難去ってまた一難"と悩んでいたら、VHFビデオデッキが壊れた。カバーを外すと、カセット出し入れの動力を伝えるゴムベルトが切れている。内蔵チューナーも悪くなっているので、今日午後、買い替えに池袋のビックカメラへ出かけた。早寝の母にビデオは必須で、無いと惚けが進行する。

北赤羽のホームで携帯を忘れたことに気づいた。年寄りを残していると不安だ。池袋着と同時に公衆電話を探すと、連絡通路片隅にひっそりと2台あった。久しぶりに10円玉を入れ電話をかける。無事に出た母に、出がけにつけた仏壇のロウソクの火が燃え尽きていることを聞いて安堵。
公衆電話は使う者がいないようで受話器はサラサラしている。昔の受話器は皮脂でべたつき、耳に付けるのが厭だった。

相変わらずビックカメラは混み合っていた。
店頭の録画デッキは殆ど、地デジ、ハイビジョン対応に替わり、カセット式を探し出すのに苦労した。僅かな機種中、激安のDX社製7850円を買った。10％ポイントを加味するとこれはかなりの激安。母に飲ませているサプリメントよりはるかに安い。

製造の船井電機は派手さはないが、堅実でシンプルな設計思想に好感が持てる。形状は軽くて小さく、空の弁当箱の感じ。最初に買ったソニーのベター方式が15万ほどだったのを思うと隔世の感がする。ここまでコモディティ化が進んだら利益を出すのは難しい。アナログ廃止の2年後まで使えれば良いと思っている。

土曜、赤羽自然観察公園付属の運動場にて、北区子供野球の決勝戦。
観客は殆どいない。
目立つのは選手と関係者たちばかり。

下写真。
先に来た子供たち。
試合を前に興奮しているのが可愛い。
対戦者は遅刻していて、まだ来ない。
「巌流島の武蔵ですね。わざと遅れて勝ちを狙っているのかな。」
関係者のNさんに言うと笑っていた。