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2009年7月28日 (火)

いよいよボケが始まったか、とドキリとさせられた。09年7月28日

毎朝、母はテレビ前に腰かけ、丹念に頭皮をマッサージして髪をまとめる。
今朝、家事の合間に様子を見に行くと、母の頭がホルスタイン模様になっている。部分白髪染めを頭にかけてしまったようだ。 
4,5年前から使っていない部分白髪染めが化粧品箱に残っていた。付属ブラシで気になる箇所に軽く塗り付けるタイプだ。地肌マッサージ用のヘアトニックが空になり、母は代わりに振りかけてしまったようだ。

白髪染め容器は真っ黒で細長く、間違えそうには見えないが、最近、そんなことが増えた。黒いテレビリモコンと白い電話子機を間違え、操作出来ないと私を呼ぶなど日常茶飯事だ。
「どうして、こんな分かりやすいことを間違えるんだ。」
文句を言いながら、水不要のシャンプーをたっぷり振りかけ、丹念にタオルで拭き取った。タオルは真っ黒に汚れたが、白髪染めは綺麗に落ちた。

その後突然に母は無口になり、お化粧もせずにボーッと座っていた。
「風が強いからガラス戸を閉めろ。食事はまだか。テレビのリモコンはどこに行った。・・・」
と、いつもなら小うるさく次々と呼びつけるのに、一言も発しない。ショックで脳細胞が一気に壊れたのでは、と心配だ。しかし、軽々しい判断はできない。優し過ぎても老人はボケる。母は元々気が強いので、僅かに厳しく言う方がプライドが蘇りボケ防止に有効だ。

朝食準備があるので少し放っておいてから、「白粉、塗らないの。」と声をかけると、母は我に帰ってお化粧を始めた。何となく安堵。この様子なら、散歩へ連れ出せば回復しそうだ。

朝食後、いつもより早く散歩へ連れ出した。緑道公園で小型犬のクーちゃんに会った。出かけてからも母は無口だったが、はじけるように元気になって、クーちゃんの相手を始めた。ペットの効果は本当に素晴らしい。赤羽自然観察公園に着くころは、いつもの陽気な母に戻っていた。

帰りは駅前に出て買い物をした。仕事のギャラが入金されるまで、緊縮財政を続けている。型の良い真サバとマアジが安く出ていたので多めに買った。真サバは味噌煮に、マアジは甘辛く煮て、小分けして冷凍しておく。

レジに並んでいると、傍らに積み上げてあった日本ケロッグのオールブランを母が欲しいと言う。箱の写真のスプーン盛ったシリアルが美味しそうに見えたようだ。
「こんなもの食べる訳ないだろう。」と、いつもは一蹴するが、今日は素直に従った。絶対に母は食べないことは分かっているが、"40グラムで1日必要量の半分の食物繊維"のロゴに私が惹かれた。

オールブランは小麦外皮(小麦のぬか)を主原料にして作ったシリアルだ。牛乳に浸して食べると何とか食べられる。今日は牛乳を切らしているので脱脂乳をかけてみた。これが、とんでもなく不味い。人間の食い物ではなく豚の餌に近い。もっとも、終戦直後の米国では小麦外皮も脱脂乳も豚の飼料で、昭和20年代、それを学校給食用にと提供され、私たちは食べさせられた世代だ。

常々、米国人の食物に対する感覚は、食事ではなく飼料に近いと思っていた。彼らの多くは栄養があって満腹できれば満足する。だから、こんな不味い食品を平気で作ったのだろう。繊細な味覚の日本人には絶対にできない感覚だ。

私はどんなに不味くても完食できる。オールブラウンはお粥のようにユルユルにして強引に飲み込んだ。肝心の母は、欲しがったことをすっかり忘れ、小皿に少し取り分けても、まったく手をつけなかった。

Niji
昨日、雨の後に素晴らしい夕日が見えた。
何気なく、ベランダに出ると、素晴らしい二重の虹が環八を跨ぐように出ていた。
今まで、これほどにくっきりと鮮やかな虹を見たことがない。写真に撮れば色はぼやけるものだが、この虹ははっきり写っていた。

子供の頃、虹の根元に宝が埋まっていると信じていた。この虹の根元は新荒川大橋のたもと辺り。そこには都内唯一の造り酒屋小山酒造がある。

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