人は突拍子もない抜け道を考えて、人生を楽にしようとする。09年8月18日
絵描き仲間の話題は経済問題が多い。景気は一般の方も敏感だが、我々の関心はその比ではない。我々は最初に景気悪化の影響を受け、回復の恩恵は最後になる。
株が暴落し景気悪化が始まった去年10月、私はブログで今年3月が景気大底、夏に株価1万台回復を予測した。そして、予測は殆ど当たった。経済アナリストの多くが、6千円下落と景気の二番底を言って不安を煽っていた時期に、この予測は自慢できる。
しかし、直感力に自信のある私にも、今年秋以降の景気は霧がかかったように見えない。今までの予測が当たったのは、各国政府の財政出動が確実だったからだ。だが、今年秋以降に有効な財政出動はない。景気回復は産業界と国民の自助努力に任されている。
昔は景気回復は米国に頼れたが、米国民の消費意欲は低迷したままだ。それどころか、浪費への反省気分が社会に横溢していて、2,3年は回復しそうにない。米国の代わりに中国、インドなどのブリックスが期待されているが、ブリックスはそこまで成熟していない。売れるのは低価格品だけで、日本が得意なハイテク商品は殆ど売れない。結局は日本国内でお金がスムースに回り続けるのを期待するしかない。
残された期待として円安がある。130円くらいになれば、ハイテク電子部品や自動車部品は競争力を取り戻し、世界を席巻する。農産物の競争力も増すので、FTA自由貿易協定も批准しやすくなる。輸出が増えれば円高に戻るが、その頃は世界経済は回復しているので問題にならない。
今の円高は低金利で世界に貸し出された円を返す為に買われている結果で、容易に下落しそうにない。現状のまま、2,3年後の世界景気回復まで耐えて行く他ないようだ。
近作「グーが来た3」
描いたのは"人生は重い荷を背負って歩くごときもの"。徳川家康がそのようなことを言っていた。
酒井法子覚せい剤事件で、自称プロサーファーの亭主は陸(おか)サーファーだとワイドショーで言っていた。陸サーファーとは始めて聞く言葉だ。それはサーフボードを持って海岸をウロウロしているだけの偽サーファーらしい。別荘のある例の千葉の海岸で、彼が波乗りをしている姿を見た者はいないと常連が話していた。どうしてそんなバカなことをするのか、と思いの方がいるだろう。訳は格好だけの偽物でも女の子が寄って来るからだ。酒井法子も、その一人だったかもしれない。
その手の偽物は昔からいた。
私が子供の頃、度なしの伊達メガネで秀才のふりをして、もてようとする者がいた。
上京した昭和38年はスキーブームの始まりで、銀座みゆき通りをスキーウエアでスキー板を担ぎ、歩きにくいスキー靴を履いてペタペタ行ったり来たりしているバカ者がいた。そんな、あざとい方法でも女の子が寄って来るから可笑しい。
かく言う私も覚えがある。絵描きに転身した頃、知り合いのミュージシャンから空のギターケースを借りて、デートに出かけたことがある。表参道を派手な連れと歩いていると、女子高生たちの熱い視線を感じ大満足だった。内心、このスタイルでナンパしてみたい、と思ったほどだ。
"人生は重い荷を背負って歩くごときもの"は真理だ。
しかし、人は突拍子もない抜け道を考え、人生を楽に生きようとする。酒井法子亭主は陸サーファーで満足していれば良かったのに、覚せい剤に手を出しては、身体も人生も苦しくなる一方だ。
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