« 老後は心がけ次第で、楽しくも不満だらけにもなる。09年8月20日 | トップページ | 昭和20年代の夏休み、子供たちは毎日、目一杯、遊んで過ごした。09年8月24日 »

2009年8月22日 (土)

厳しい生活にも、ゆとりは十分にある。それが日本の底力だ。09年8月22日

8月15日深夜NHKの「東京カワイイ・パリデビュー」は大変面白かった。
原宿ファションをパリで発表する企画だが、招待客がまったく集まらない。NHKの担当が、パリの有名デザイナー、モデル、マスコミ・ファッション担当、著名人と次々と声をかけるが、「お子様向けのカワイイなんぞファッションじゃない。」「忙しい。」と、小馬鹿にした態度で拒絶する。しかし私は、権威たちの拒絶姿勢とは逆に「東京カワイイ」は凄い先端を行っているのでは、と思ってしまった。

美術史でも、印象派や野獣派がパリに出現した時、パリのサロンは侮蔑し、こき下ろした。権威は常に保身に流れ、新しい芽生えを潰そうとする。もし、「東京カワイイ」がパリの権威たちにすんなり受け入れていたなら、「東京カワイイ」は大したファッションではなかった、と思っている。

若者たちのファッションショーは、招待客のキャンセルが続出する中、1時間遅れで開かれた。モデルは半素人で、デザイナー達も若い。しかし、既成概念に閉じこもったパリファッションと比べ、荒々しく未成熟ながら新鮮で元気が良い。これから、日本に溢れている才能がこの原石を磨き上げれば、「東京カワイイ」から間違いなく次世代の世界ファッションが生まれるはずだ。

現地出席者は60人ほどと閑散としていたが、熱い興奮を残してショーは終わった。本音はともかく、パリ・ファッション誌の論評も気持ち悪いほど良かった。NHKの政治力で、著名人を集めるのはいとも容易だ。それを敢えてせず、拒絶シーンを流したのは番組として成功だった。

M_umi

「グーが来た4」
太古の地球で、水は低きに流れ海ができた。
その反対に、空中に海があったら、と想像してこれを描いた。心の深みに浮遊感への憧れがあるからかもしれない。

気温はさほど高くはないが、蒸し風呂のように湿気が多い。御諏訪神社の急坂を車椅子を押し上げると汗が吹き出て目がしみた。
「平穏無事は難しいね。」
車椅子の母に言った。周りを見回しても、子供全員が順調に行っている家族は一つもない。子供が3人いれば少なくとも1人は大きな問題を抱えている。我が家もその例に漏れず、不安だらけだ。

赤羽自然観察公園の日影で母を少し歩かせ、いつものように古民家で休んだ。座敷に上がり横になると、涼風が抜け気分が和んだ。平穏無事が得難くとも、穏やかな時間が残っていることに、深く安堵した。

帰りの緑道公園で、ホームレスらしい若者がベンチに寝ていた。涼しい木陰で、実に気持ち良さそうに熟睡している。どんなに辛い人生でも、厭な時間ばかりではない。案外、ゆったりと満ち足りた時間の割合は大きい。そんなゆとりが、衰退したとは言え日本の底力なのかもしれない。

Kuruma昼食が遅れたので、それに合わせ夕食を遅らした。
夕暮れ、母に呼ばれて行くと、「今日は夕飯はないの。」と厭なことを言う。
「いつも、食事を食べさせるのに苦労しているのに、抜く訳がないだろう。」
強く言うと、「すぐに、何も言わなくなるから。」と言う。指摘されるまでもなく、母の余命は短い。今年ほど、母96歳の誕生日を遠く感じたことはなかった。しかし、すぐに死ぬ訳ではない。
「人の弱みにつけ込むのはよしな。」と言うと、母は話題をそらした。最近の母は、注意すると疲れたふりや、咳き込んだりする。それに新しく、「もうすぐ死ぬから。」のバージョンが加わった。他は惚けても、悪知恵は一向に衰えない。

Ma_3

|

« 老後は心がけ次第で、楽しくも不満だらけにもなる。09年8月20日 | トップページ | 昭和20年代の夏休み、子供たちは毎日、目一杯、遊んで過ごした。09年8月24日 »