良いことでも、人と違うと排除される。09年8月3日
米国人と結婚してカナダへ移住した知人が、今、子供を連れて埼玉の実家に里帰りしている。長く会っていないので再会したいが、私は母に手がかかる。夜遅くなら時間を作れるが、小さな子供のいる知人には無理だ。結局、電話をかけて再会を済ました。
久しぶりの日本は以前よりギスギスしている、と彼女は話していた。敢えて訳を聞かなかったが、中年男性に子供のことで厭な思いをしたようだ。大らかな気風で、世界一住みやすいとされているバンクーバーからの帰省だったので、殊更強く感じたのだろう。
彼女が日本を離れた頃から、私は母の介護を始めた。それで感じたことは日本人の繊細な優しさだった。だから、どうしても彼女の言葉が解せなかった。
推測だが、ハーフの子供を連れていたのが原因かもしれない。日本人は同民族には優しくても、異質な者へは不寛容なことが多い。それを島国根性と言うが、太古から日本人がそうだった訳ではない。先住民の縄文人は大陸や南方から移住して来た弥生人を大らかに受け入れ、時には逆に支配されたりした。島国根性の元になった差別意識は、その頃に中国と朝鮮からやって来たものだと思っている。
異質な者を排除する意識は世界中にある。その典型が白人の有色人種への差別だ。今は理性や教養で押さえられ、表面化することは少ないが、非日常の状況では本性が牙をむく。不況や戦争時がそうで、国粋主義が頭をもたげ、往々にして異人種が排除される。
昔、インデアンの首長シアトルの言葉を絵本「父は空母は大地」に描いた時、シアトルの知人にその本を送った。しばらくして、知人が白人達の反応を教えてくれた。
「インディアンを格好よく描き過ぎている。彼らは怠惰で狡くて汚い。」
それが白人たちの考えだ。自然の波長に合わせ、のんびり生きて来た先住民と、効率向上一方の侵入者たちの考えが合う訳がなかった。
サイエンス〇で面白い実験をしていた。10人ほどの幼稚園児を一室に集め、人数分のお菓子を置いて、先生は部屋を出て行った。
「お菓子は自由に食べて良いです。でも、先生が戻って来るまで食べるのを我慢できた人には、ご褒美に、もう一個お菓子をあげます。」
子供たちには事前にそう説明してある。しかし、先生がいなくなると、子供たちは二人を除いて一斉にお菓子を食べ始めた。実験では、今回の金融危機を例にして、人は先の利益より目先の利益を求めると解説していた。
私は、食べてしまった男の子が我慢している二人に「美味しいから食べなよ。」と誘い込んでいるシーンが可笑しかった。子供の頃の私も、誘い込むタイプだった。
しかし、子供なら可愛いが、大人だと異質排除になる。
「世間では、人に迷惑かけなければ何をしても良い訳じゃないのよ。」
絵描きに転向した頃、それを知人に非難されたことがある。私は馬耳東風で聞き流したが、異質な者への反発を強く感じた。
親孝行や親の介護にも反発がある。
母の介護を始めた頃、同窓会で、「何故、親を施設に入れないんだ。マザコンじゃないのか。人生を無駄にするだけじゃないか。」と複数の男女に言われた。私は聞き流したが、言ったのは親の介護経験のない者たちで、親を人任せにした罪の意識がそのような言葉を生んだのだろう。
良いことをしていても反発を受けることがある。毎日、母を車椅子に乗せて散歩させていると、「自分だけ良い子ぶって。」と冷たい視線を希に感じる。世間は多様で、そんな人がいても驚いたりしない。大多数の人は好意的に接してくれるからだ。
あかんべー。
歯垢チェックの食紅。
歯磨きは丹念にしているので、磨き残しはなかった。
この真っ赤な舌が面白いので時たまチェックしている。
東京北社会保険病院下公園にて。
赤羽のあちこちに咲いていて、甘い香りを漂わせている。
昨日、この花の名前を知らないと書いたら、早速、樹下美術館館長のSさんから、「くさぎ」と教えていただいた。
花の香りは素晴らしいが、葉や茎に特有の臭気があるので、その名がついたようだ。それにしても可哀想な名前だ。
樹下美術館は上越市にある、自然に囲まれた瀟洒な美術館だ。その方面に機会があったら、是非、寄り道して欲しい。
早くも新サンマが出た。
今年はまるまる太っていて、型も良い。
写真は、丸ごと傘のしずく取りのビニール袋に大量の塩と漬け込んだもの。
皮に切れ目がないので塩辛くはならない。
2,3日、冷蔵庫で寝かせ、ざっと水洗いして焼いて食べる。
旨味が濃縮しパサパサ感もなく、とても美味い。
| 固定リンク
「心と体」カテゴリの記事
- コロナ陽性となって起きる不都合と差別。Go Toトラベルの見直しは非科学的。令和2年11月22日(2020.11.22)
- 新型コロナは蔓延しないと終わらない。終息を急ぐあまり、自殺者とシャッター通りを残す愚策は止めてほしい。令和2年11月14日(2020.11.14)
- 上手な嘘と嘘の見抜き方で、営業・企画・宣伝力強化。冷和2年10月29日(2020.10.29)
- 報道の変化に新型コロナ終息が見えた。人口激増に備えての昆虫食。令和2年10月19日(2020.10.19)
- 今日は10回目の母の命日。令和2年7月1日(2020.07.01)