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2009年8月30日 (日)

私の選挙雑記。落選議員の共通点は顔がでかいことだ。09年8月30日

散歩前、投票する候補者を書いてくれ、と母に頼まれメモして渡した。
「このメモを投票箱へ入れればいいのね。」
母は惚けたことを言う。
「絶対にダメ。人に見せてもダメ。」
念を押したが母は不満げ。戦後、女性が投票権を得てから数限りなく投票して来たのに、身に付いた知恵がダメになってしまった。

散歩途中の袋小学校が投票所。まるで初詣のように人並みが続いていた。
母の車椅子は私に代わって係員が押して行った。私はさっさと投票を済ませ、出口で母を待った。母は案の定、メモを係員に見せて困らせている。
「係の人に、メモを見せて聞いただろう。」
投票を終えた母に聞くと、「これを書けばいいんですね、と聞いたのに、教えてくれなかった。」と文句を言う。車椅子を押して来た係員は苦笑していた。

校門を出る時、共同通信の若い女性が出口調査をしていた。
「出口調査をしています。」
人並みにオズオズと声をかけるが、声が小さくて誰も立ち止まらない。これでは鼻の下の長いオヤジか耳の良い暇な年寄りばかりの偏った調査になってしまう。

Haha--緑道公園桜広場は早くも秋の気配。--

午後8時、NHK速報に見入った。
出口調査の威力は凄く、報道開始と同時に次々と当確が出た。
選挙区ごとに顔写真が並ぶ。気のせいか落選議員は暗く俯いて見える。事務所の万歳風景と当選者インタビューが次々と映し出されるが、これはつまらない。むしろ、落選大物議員の敗戦の弁の方が本音が見えて面白い。

私の北区は東京12区。自民は不出馬のため、公明党首と民主元女性議員との一騎打ちだ。危機感を持った党員たちは猛烈な選挙運動を繰り広げた。散歩中、道を聞いた女性は礼を言いながらオズオズと党首をよろしくと頼み込んだ。九州からは、見た事も聞いた事も無い同郷の者たちが毎日のように電話攻勢してきた。周りに聞いても、多くの人が私と同じ目に会っていた。
昨日は、同窓生と称する一団が訪ねて来て、満面の笑みで頼み込んだ。
「今回の貴方たちはやり過ぎです。どんなに笑顔で頼んでも無理に押し付けられているようで、ひいきの引き倒しです。」
代表に言うと、申し訳なそうに帰って行った。
23時過ぎ、公明党首は民主の若い女性に負けてしまった。党員のやり過ぎに反発が起き、期待していた自民票が民主へ逃げた結果だろう。

Senkyo--政権が代わっても日本は変わらないと棄権したポチ。--

深夜を待たず与野党逆転が決まった。今後、日本はどう変化するのか、期待は大きい。何も変わらない、との意見は多いが、同じ与党が続いて良い訳がない。民意の大きなうねりは官僚も無視できないだろう。与党の敗因は、国民が窮乏する一方で、名家の特権議員たちが官僚と結託し国家を蚕食している、との思いが国民にあったからだ。落選議員の共通点は顔がでかいことだった。

自民から民主に流れが変わった、と言われているがそれは違う。既に小泉劇場の時点で流れは変わっていた。国民が望むのは党派に無関係に変革の実行だ。始めに小泉首相に任せてみたが、肝心の自民議員は官僚癒着が強く、悪くなる一方だった。それで今回は民主に任せた。それが流れの変化だと思っている。

象徴的だったのは片山さつきだ。誇り高い彼女は絶叫して土下座していた。東大から高級官僚のエリートコースを歩いていた彼女のこの姿はとても意外だ。議員の権力はそれほどに魅力的なのだろう。議員から落ちればタダの人。古巣の官庁に顔を出しても体よく追い払われる。その屈辱を身を以て知っている元官僚は、なりふり構わずお願いして回ったのだろう。しかし、彼女は落選した。権力にしがみつく姿は虚しい。

大阪で前代未聞の出来事があった。
西淀川区の投票所で、係員が身長150cmの小学生女児(11)に誤って比例と最高裁裁判官の国民審査の投票用紙を交付してしまった。女児は父親に連れられて来ていた。そのような間違いは起きないシステムだが、大柄だったので若妻と思い込んだようだ。
女児は自分も選挙ができると思い、そのまま記入して投票した。投票は有効票としてカウントされる。女児がどの党に投票したのか興味がある。案外、大人よりしっかり考えて投票したかもしれない。

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