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2009年9月19日 (土)

新しい車椅子と、東京北社会保険病院屋上庭園のネコ。09年9月19日

Kohalu_2先日、車椅子を取り替えた。
新車ではなく、新品同様にタイヤ等の消耗品を取り替え、磨き上げた品だ。早速、母を乗せて外へ出ると、路面の凹凸を拾い大きな物音と振動がする。調べてみると、前右車輪の縦軸回転部に僅かなブレがある。担当者に報告すると、直ぐに取り替えてくれた。次に来たのは本当の新車で、まったく静かで乗り心地が良い。

昔の日本製は、使い込んでも上記のような欠陥が殆ど起きないことで世界の信頼を得た。しかし今は、製品全般に信頼性の低下を見る。欠陥のリスクがあっても安い方を買う、との消費行動の変化が影響しているのだろう。

20数年前のバブル期まで、彫金で食っていた。
その頃、出来上がった装身具を納品に行くと、工賃値下げを求める問屋があった。私は仕事に自信を持っていたので、値下げは即断った。景気が良い時代で問屋の社長も鷹揚だった。それ以上の無理強いはなかったが、時折、社長は香港出来の装身具を見せ、10分の1の工賃だと話していた。
当時も今も香港製は仕事は粗いが、安く見た目がきらびやかなので素人受けがした。しかし、使っているとダイヤがポロポロ落ち信頼性に欠けた。それでも即修理に応じれば客は納得してくれる、と、社長は話していた。

バブル以前の客は代々の金持ちが多く、高級品への目が肥えていた。しかし、バブル辺りからにわか成金が急増し、客は仕事の出来より安く派手な品を買うようになった。私はそのような彫金職の未来に漠然とした不安を持ち、結局、絵描きに転職してしまった。

高級店は今も信頼性にこだわる。しかし、今は安かろう悪かろうの店が日本の主流で、日本の彫金職人は殆ど壊滅してしまった。

今、日本の産業全体で、信頼性より安物へ価値観がシフトし始めている。その善し悪しの判断は難しいが、高価格でも高品質製品への要求は決してなくならないと思っている。中国からの買い物ツアーの富裕層が、目の色を変えてメイドインジャパンを買い求める姿を見ると、日本人が営々と築き上げた信頼性を捨ててしまうのは、あまりに惜しい。

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--写真、東京北社会保険病院6階病棟ラウンジから。手前、病院下公園。向こう、都営桐ヶ丘団地と給水塔。

今日の散歩途中、胆石手術で入院中の床屋さんを見舞いに東京北社会保険病院に寄った。
6階の病室に行く前にナースステーションで聞くと、昨日、退院したと言う。腹腔鏡手術は火曜。回復の早さに驚いた。

帰り、病院3階の屋上庭園に出た。少し行くと、茂みからネコが出て来て「ニャー」と鳴いた。飼い猫らしく首輪をした若い可愛い子だ。だっこするとフニャフニャにくつろいでいる。車椅子の母に撫でさせると、母はとても喜んでいた。一瞬、病院で飼っているネコと思ったが、それはないはずだ。誰かがこっそり連れて来たのかもしれない。庭園を一周した帰り、のどが渇いていたら可哀想なので、捕まえて水を飲ませようと思ったがネコは消えていた。帰り、病院の警備に、「ネコを外に出してあげないと可哀想なので、よろしく。」と、頼んでおいた。

駅前に行く途中、床屋さんに寄ると、すでに、お客さんの頭をあたっていた。
「貧乏人はすぐに働かないと食えないから。」
床屋さんは笑っていた。顔色も良く元気そうだ。胆石を取ると炎症が治まり、更に体調が良くなる。腹腔鏡手術の威力に改めて感心した。

Neto_3帰宅してから、屋上庭園のネコが気になった。グーグルの航空写真で病院を拡大し丹念に調べると、庭園の一角に非常階段が写っている。あのニャンコは地上から階段を上り、庭園の柵をくぐって侵入したようだ。冒険心のある子だが、誰もいない広い庭園はさすがに寂しくて、私たちへ嬉しそうに駆け寄って来たのだろう。すでにネコは地上へ下りてしまって、警備員が探しても見つからないかもしれない。

先日、鯛の干物を貰った。通常は焼いて食べるが、最近母は水分が少ない食べ物が苦手になった。それで、今日のお昼は酒蒸しにしてみた。大皿に干物を置いて、ネギ、ショウガを乗せ、酒と少量の醤油をふりかけ、ラップで包んで電子レンジ。それだけで、大変美味しい鯛の酒蒸しが簡単に出来た。生臭さを心配したがまったく感じない。身は程よく柔らかく、母は喜んで食べていた。今度は、イボダイ、アジ、などの干物で試してみようと思っている。

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