大相撲モンゴル力士取り組みは日本の国益に繋がる。09年9月27日
大相撲千秋楽優勝争いはモンゴル対決。全勝朝青龍は白鵬に土を付けられたが、優勝決定戦で24回目の優勝をした。モンゴル本国では、大相撲中継は往年の紅白並みの人気番組だ。今日は草原奥地のパオでも、太陽電池や発電機を電源にしたテレビ中継に家族総出で熱狂していただろう。
一方、国内に国技がモンゴル人に支配されることへの反発がある。しかし、モンゴル人が大相撲を通じて日本に親近感を持つことは我が国には大変有益だ。モンゴルは資源大国で先端産業に必須のレアメタルの宝庫でもある。以前、テレビ特番で手つかずのマンガン鉱石が草原にゴロゴロ露出している風景を見た。くまなく探査をすれば未知の鉱床が更に見つかるだろう。今、世界のレアメタルはほぼ中国に支配されている。国策で簡単に約束を反古にしてしまう中国に、レアメタルを頼るのはとても危険だ。大相撲にモンゴル出身力士が増えることで、この状況を打破できそうな気がする。
モンゴル対決と聞くと戦前のノモンハン事件を思い出す。この事件はモンゴル人民共和国軍と満州国の内蒙古軍との内外モンゴルの国境紛争が発端だった。それはいつの間にか、背後にいたソ連と日本軍との衝突に入れ替わった。
この衝突は日本が最初に遭遇した近代戦で、近代武器に劣る日本はこっぴどく敗退した。事件後、陸軍は「ノモンハン事件研究委員会」を組織して敗因を装備と補給能力の低さとした。しかし、軍改革に研究結果は結びつかず、敗因は精神力の不足と精神論にすり替わった。そして、生き残った現場指揮官たちは敗戦の責任を取らされ自決に追い込まれた。しかし、敗因を作った作戦立案者たちは後に栄転した。もし軍が、「ノモンハン事件研究委員会」の研究を生かし、責任を取れる組織に変わっていたら、太平洋戦争はまったく違った戦いになっていたはずだ。
失敗が生かされず、責任を取らない体質は、戦後、官僚に受け継がれている。今話題のダム建設がその典型で、費用対効果が低いにも関わらず、時代の変化を無視して増大し続け、巨額の無駄と軋轢を残した。建設官僚には「小さく生んで大きく育てる。」という言葉がある。これは2千億で立案し、成立したら泥縄にズルズルと工費を投下して総工費が6千億を越えてしまう、と言った大規模工事を言う。追加工費は多いほど族議員や天下り官僚の利益に繋がるので大歓迎された。
この収奪システムの末端を、父が土建業者だったので子供の頃から見て来た。その父は仕事に行き詰まって上京し、中央官庁や議員事務所に出入りして建設官僚や族議員にコネを作り、土木コンサルタントをして稼いでいた。土木コンサルタントと言っても技術指導ではない。中小業者の政治献金の中継をして小さな仕事を引っ張って来ては僅かな利ざやを稼ぐことだ。もっとも、それで得た収入の総ては借金返済に消えたが。
写真は東京北社会保険病院下の公園。木曜は午後に散歩出た。光の方向が違うと違った風景に見えた。この静かな光は心に響く。
母の体力は低下の一方だ。しかし、どのくらい弱ったのか正確に把握しにくい。玄関の車椅子まで連れて行っただけで息絶え絶えに疲労困憊していても、公園へ連れて行くといつもの距離を歩いたりする。それとは逆に、数メートル歩いただけで車椅子に戻ることも多い。精神面での影響も大きいので、できるかぎり励ましている。しかし、頑張らせるのは止めた。今は、体力低下をできるかぎり緩やかにしようと努力している。
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