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2009年10月21日 (水)

弱った母には、言葉が一番の薬だった。09年10月21日

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朝、母は起き上がるのは無理だと言う。いつものことなので気にせず、背を押して起こすと、足が震えて立っていられない。筋力が弱った老人によく見られる症状だ。
「しっかりしな。今、立たないとこのまま寝たっきりになって死んじゃうよ。」
厳しく言うと、もうこのまま死んでもいいと、母は弱気だ。
「希望通り、すぐに死ねれば良いけど、現実は半年くらい辛い思いして死ぬことになる。それだけでなく、俺の方は医療費や介護に追いまくれ、仕事ができず悲惨な目に会うことになるよ。それで良ければ、頑張るのを止めな。」
そう言うと、「それは困る。」と母の震えは一瞬で収まり、しっかり椅子の方へ歩き始めた。

高齢の老人の体調の判断はとても難しい。私だから母はそのように反応してくれたが、老人施設なら厳しい対応は無理だ。日誌に、筋力低下が著しい、と書かれて寝たっきりに一直線だ。

客観的に見て、現状維持はとても難しい。母は一進一退をしながら、ズルズルと弱って行き、遠くない日に逝くのだろう。しかし、具体的な対策は何も考えていない。避けているのではなく、いつの間にか神経が図太くなって気にならなくなった。むしろ、今より手がかからない今年前半の方が、母の終末期への不安は大きかった。

散歩へはいつものように出た。あれほど弱っていた母が3時間の車椅子散歩に耐え、赤羽自然観察公園では僅かだが伝い歩きした。この様子を見ると、本当の体力は家の母か散歩中の母か迷ってしまう。

夜11時、母がブザーで呼び、眠れないと訴えた。
「眠れないのは体力が回復したからだ。とてもよく効く安定剤を飲ませるから、それで気分良く眠れるよ。」
と、エビオスの偽薬2錠を薄めたカリン酒で飲ませた。
母は足元のカーテンを開けて、流れ星が見たいと言った。今夜23時からオリオン座大流星群が最大になる。
「流星が見えたら、仕事が上手く行くように、って頼んでおくよ。」
仕事に戻ろうとする私に母が言った。レンドルミンを減らしてから、母の頭がしっかりしてきたことは救いだ。

0時前、様子を見に行くとエビオスの偽薬が効いて、心地良さそうに眠っていた。ベランダに出てオリオン座流星群を見ようとねばったが、東京の夜空は明る過ぎて見えなかった。

Ike_2公園の池のピラカンサ。
緑に赤の配色を見ると年末が近いと感じる。公園に多い山ブドウも色づき始めた。今年のブドウはとても甘い。

今日の午後、女優南田洋子76歳の訃報を聞いた。認知症がなかったら、もっと長く、良い脇役で活躍出来ただろう。彼女の代表作は1956年「太陽の季節」。私は1954年「近松物語」の下女お玉役の方が印象に深い。その21歳の彼女は瑞々しく健気で、とても可愛かった。ニュースに1歳下の夫長門 裕之の落胆ぶりが繰り返し映されたが、75歳からのやもめ暮らしは辛いかもしれない。

もう一の気になるニュースは郵政新社長に斎藤次郎元大蔵次官が就任。西川善文前社長が民間出身で有能だっただけにやりにくいだろう。民主政権の脱官僚政策は小気味良かっただけに反発は大きく、クビをすげ替えた亀井静香郵政改革担当相は政権のアキレス腱になりそうだ。

西川氏は有能だったが、地方郵便局を疲弊させ切り捨てた負の部分もある。高齢化した僻地では郵便局は重要なライフラインだ。それらを回復させながら黒字経営を維持するのはとても難しい。官民どちらでも有能ならそれで良い。多分、財務省の協力なしでの郵政の建て直しは難しいので、このような人選になったのだろう。

先日、石原知事を始め関東の知事達が雁首揃えて八ッ場ダム建設中止反対に立ち上がった。私はこれは誰かに見せるためのポーズで、本心からの撤回要求ではないと見た。今まで支えてくれた業界とのしがらみで、揃って反対しないと拙い立場だったのだろう。多分、これから彼らの反対の声は次第に細くなって行くはずだ。

しかし、八ッ場現地の町役場は違う。彼らには八ッ場ダムから莫大な固定資産税や水使用料が安定して入ることになっていた。その見返りが補償されるまで、騒ぎ続けそうだ。いずれにせよ、この中止反対運動の裏は金で、国益や国民の安全ではない。

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