幸せは気づかずに過ぎて行き、あの時がそうだったと後で気づく。09年12月3日
原稿料の明細書が届いた。名目は「男おひとりさま道」上野千鶴子著、となっている。しかし、取材には応じていない。出版社のサイトであらすじを読んだが、私が書いたものが引用されている気配はない。編集長が本を送ると言っていたが、読む暇がないので丁重に断った。
一昨年、その出版社から男の独り者のための本を書いてみないかと話があった。
「男はそんな本は読まない。まして、知名度が低い私の本など売れるはずがない。」
私は尻込んだ。しかし、優秀なライターを付けるから大丈夫、と編集に説得された。
男は自分一人で解決策を求めるのに対し、女性は気楽に人に相談する。だから、男の一人暮らしのハウツウ本を出してもほとんどの男は買わない。
「そこが男のダメなところ。もっと可愛げのあるおじいさんに考えを変えなくては。」
上野氏は言う。しかし、それは数百万年かけて完成した男脳女脳の生理的な違いで簡単には変わらない。彼女が期待する"可愛げ"を、男が身につけるには百年はかかる。
男は他人に「こうすれば、ああすれば、」と言われても聞き入れない。しかし、マンガを入れて遊び感覚を加えれば受け入れてくれる。その考えを編集に提案すると受け入れてくれた。
不安な出だしだが、結果は考えずにマンガ入り原稿を書き始めた。--今、ブログに入れているマンガはその名残だ。--
しかし、マンガ入り原稿は真面目で堅い気風の版元とのずれは多く、クレームの嵐だった。それでは手足を縛られて激流を遡るようなもので、売れそうな本は書けず、不安も軋轢も増した。
書き始めて間もなく、同様の本が他社から出た。
良い本だがまったく売れない。そのあおりで営業から逆風が吹き始め、こちらの企画も自然消滅してしまった。その時も今も、企画が潰れたのは当然で自然な流れと思っている。
しかし、書くのが女性に絶大に支持されている上野千鶴子氏なら別だ。
「お一人さまの老後」で大ヒットを飛ばした彼女なら男性編も必ず売れる。男はあまり買わないだろうが、娘や妻が父親のために買うだろう。大ヒットは無理としても、黒字は確保できるはずだ。
かくて「男おひとりさま道」は出版され、私は原稿料のおこぼれを貰った。
写真1。東京北社会保険病院下公園。
今年の紅葉は黄色が美しい。
写真2。桜並木とドウダンツツジの紅葉。
写真3。緑道公園の歩道橋。大きな木はスズカケ。大きな枯葉が音をたてて舞っていた。
写真4。緑道公園の桜の落ち葉。桜は花だけでなく紅葉も美しい。
緑道公園でカリンを2個拾った。天気の良い日は散歩の人にすぐに拾われてしまう。
落ちた時の傷があり日持ちしないので、帰宅してすぐにジャムにした。
カリンジャムのレシピ。
カリンは種に咳止めの薬効成分が多い。種と回りの堅い部分を果肉から厚く切り離す。それらの果実全部をヒタヒタの水から1時間ほどとろ火で煎じる。
果肉が柔らかくなったら、種と一緒に鍋から取り出し、果肉のみを細かく刻んで鍋に戻す。ミキサーで砕くと簡単。
再度煮込んで水気が少なくなったら砂糖を入れ、練り上げるようにとろ火で煮詰める。
種と果肉の間の堅い部分を丹念に取り除いてあるので、滑らかな美味しいジャムができた。
母が寝る前、スプーン一杯なめさせた。深夜の今も、咳はまったく治まっている。個人差があるが、母の場合は処方薬よりカリンが効いている。
寒い雨で母の散歩は休んだ。
今、溜まったマンガ「小春じい」を整理している。整理と言っても気に入らない箇所を次々と修正するのでえらく時間を取り、寝不足だ。おかげで今日の雨は休養が取れて助かった。
午後、イトーヨーカ堂に比内地鶏の胸肉を買いに行った。先日書いたように、ブロイラーの胸肉だと加齢臭のような厭な臭いがしてすぐに食欲が失せる。しかし、比内地鶏はやや堅めの肉に塩をふって焼くだけで、厭な臭みもなく実に美味い。目的のイミダゾールジペプチドの含有量も多いような気がする。この胸肉のおかげで、少々無理しても疲労は少ない。
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今が幸せと気づくことは少ない。
ふいに、昔の何気ない出来事を思い出すことがある。その時、その平凡な時間がたとえようもなく幸せだったと気づく。
先日、母の部屋の押し入れを整理していると赤外線炬燵が見つかった。
昔の一人用炬燵で、敷き布団の上に置き、乾燥を兼ねて暖まると心地良い。寒い夜、首まで潜り込んでいると幸せな気分になる。もっと寒くなったら使ってみようと思っている。
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