車椅子を押す楽しさ。10年1月15日
2日毎に赤羽駅高架下のショッピングモールへ買い物へ出る。おかげで、買い置きをしないので冷蔵庫はガラガラだ。赤羽自然観察公園へ行っていた頃は、赤羽駅に回ると時間がかかるので、4日に1度くらいだった。
今日はショッピングモールのフーズガーデンで若鶏胸肉を1キロ450円で買った。これを1日150グラムずつ食べる。目的の疲労回復物質イミダゾール・ペプチドは100グラム食べれば十分摂取できる。同量含有のサプリメントは200円だから、4分の1以下と激安だ。
胸肉は味付けを工夫しないとすぐに飽きる。それで、今日は200円の焼き鳥のタレを買った。主役の胸肉と比べるとかなり割高だ。
フーズガーデンで買い物をしている間、母はいつも通路脇の池の金魚を見ている。
最近、遠くから一人で居る母を見ると、「やがて死ぬんだな。」と思ってしまう。母は体力が弱ったが、笑顔や冗談が増えて優しくなった。そんな母にも死の影を感じてしまう。
帰宅してから、胸肉に切れ目を入れて焼き鳥のタレに漬け込み、グリルで焼いた。夕食で食べると意外に美味かった。
上、東京北社会保険病院下公園にて、お茶を飲んでいる母。今冬一番の寒さだったが、毛布の下に湯たんぽを入れているので暖かい。
下、桐ヶ丘団地のネコ。少し暖かい桜の根が気に入っているようだ。
散歩から帰る頃には日が落ちた。薄暗い東京北社会保険病院下公園の芝生で、若い母親と7歳ほどの男の子がサッカーをしていた。男の子は毎回タイミングが合わず、ボールにかすりもしない。
「大きいボールに、かすりもしないのはすごい技だ。」
男の子をちゃかすと、
「本当ですね。どうして当たらないのか不思議になっちゃう。」
母親は明るく笑った。とても可愛い人で、言葉を交わすのが楽しかった。
母の車椅子を押していると、知らない人でも警戒心を持たない。私は良い人で安全な人に見えるのだろう。だから、話しかけても気楽に応じてくれる。それが、車椅子を押す楽しさだ。
「バス停留所」の描きかけの絵3枚に手を入れ、母に見せると、とても良いと喜んでいた。母は老いても直感が良く、今でも的確に反応する。比べて姉は「ふーん」と言うだけで殆ど反応がない。
子供の頃から、母の直感は優れていると思っていた。対して、美術教師や級友たちは絵への反応がずれていると感じていた。その感覚は今も続いている。個展で絵を褒めてもらっても、何となくピントがずれていて、さほど嬉しくない。
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