港町のデジャブ感。10年1月20日
1月では記録的な暖かさで、20度近くに上昇した。薄着で車椅子を押したが、汗をかいて気怠くなった。気候は季節通り寒い方が良い。
御諏訪神社下の通り。
階段を下りて来るのは、埼京線北赤羽駅へ向かう人たち。
左手は古荒川の河岸段丘。
この崖下の道は元農道で中山道まで続いている。
昔、右手に田圃が広がっていたが、昭和に入って工場が次々と進出してきた。今、工場の殆どはマンションに建て変わった。
桜並木から、この道へ入ると突然に静かな雰囲気に包まれる。
「この道へ入ると、懐かしい気持ちになる。」
母はいつも、どこかで見たデジャブ感がすると言う。
それは私も同じで、右手に港町が広がっているような気がする。港町は裏手に山が迫っている所が多く、このような風景が多い。神戸、尾道、横浜、浦賀、郷里の油津と、いずれも背後に山が迫っている。そして、砂埃が少なく空気が清澄なところが多い。
この道を車椅子を押しながら、カラスウリを長く見ていないと思っていたら、崖斜面にしなびた実が1個が残っているのを見つけた。秋の頃のカラスウリは実に美しい。この艶やかな黒い種が打ち出の小槌に似ているので、財布に入れる習慣がある。写真を撮った後、私も入れておいた。打ち出の小槌より、奴さんに似ていると思うが、いずれにしても不思議な形だ。
この根から取った澱粉はサラサラして抗炎症作用があり、あせも防止に使った。本来、「天花粉」とはその澱粉を指していた。
アメリカの失業率が10%を越え始めた。ヨーロッパは12%と更に上回っている。2009年先進国は軒並み、巨額の失業対策費をつぎ込んだが効果はなかったようだ。不景気は政策で変えられるほど簡単ではない。戦前の世界恐慌を劇的に解決したのは第二次大戦だった。時代が変わった今は、犠牲の大きい戦争の選択はできない。
この状況は、右肩上がりで上昇しないと経済を維持できない資本主義の限界を示している。工業では大量生産ができるトップグループが他を排除し、利益を独占している。しかも、自動化された大量生産では労働者を多く必要とせず、貧富の差は開く一方だ。
解決策は、ものを作らない経済活動に残されているだけだ。その一つとして政府は介護を失業者の受け皿にしようとした。しかし、適性の問題があり、失業者の受け入れ先としては難しい。介護に慣れている私でも、母が逝ったら二度と介護などに関わりたくない、と思っている。
そうなると残るのは遊びの世界だ。ゲーム、遊園地、観光。それらなら国民が楽しみながら経済も活性化する。
安くて良質の工業製品が、ものを作らない経済活動の中で活発に流通する。それが、今の不況から軟着陸した世界だろう。しかし、中国、インドの異常な活況を見ると、深刻な資源食料不足が近未来に重なって見える。
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