平気で生きるのは難しい。2010年1月5日
午後2時、NHK教育で落語を聞きながら遅い昼食をとった。聞いたのは人情話の最後だけだったが、年末年始に人情話はピッタリする。
その後、NHK映像ファイル「あの人に会いたい-宮崎奕保」を見た。
宮崎氏は曹洞宗永平寺78代貫首。大変長命で2008年に106歳で亡くなった。映像はその2年前の104歳の時のものだ。老いても雲水と同じように修行を積んでいた、と言ったことを語っていたが、私は次の言葉に心引かれた。
「平気で死ねるのが悟りではない。
平気で生きられるのが悟りで、本当はこれが一番難しい。」
確かに、平気で生きるのは難しい。
元気で希望に溢れていた若い頃でも、仕事、勉強、恋愛と思い通りにいかないことばかりで辛かった。歳を重ねてからは、健康、運動能力、生活水準、肉親、知人、風景と、得るより失うものが多く、平然と生きるのは本当に難しい。
昨夜は、朝まで何度も母に起こされた。
「時計がない」「カレンダーがない」と、どれも日時に関する事ばかりだ。
「休ませてくれ。」と言うと、母はすぐに正気に戻り、「ごめんね。」と謝った。
母が時計や暦が気にするのは、残された日時が少ないからだろう。おかげで、今日は一日中眠い。眠い、疲れる、自分の時間がない、お金がない、と様々な問題を抱えながら、「それくらいは何でもない。」と、平然と生きるのは本当に難しい。
午後3時、散髪へ出かけた。
木枯らしが冷たい。遠い雲取山は雲がかかり雪のようだ。
正月過ぎに散髪する人は少なく、待ち時間なしで散髪してもらった。
伸び過ぎた髪がうっとおしく耳にあたっていたのですっきりした。
5時前に散髪を終えた。日が落ちるのは早く、外は暗い。
「すぐ帰る。」
母に電話をすると、聞き取れないほど声が小さい。どうやら、逆さまに受話器を持っているようだ。ひっくり返すように大きな声で言ったが通じないので、電話を切った。
帰りに駅前で買い物する予定だったが、母が気になるので真っすぐ帰宅した。
お屠蘇を飲み切ったので、屠蘇セットを洗って陰干しした。
明日は七草を買う予定だ。停滞している私を置き去りに、日時だけが猛スピードで過ぎて行く。
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