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2010年3月 1日 (月)

福祉だけでは、派遣も失業者も救えない。10年2月28日

一日中、テレビ画面右下から津波警戒警報の日本地図が消えない。"NHKスペシャル・権力の懐に飛び込んだ男・100日の記録"も、警報表示を見るのが煩わしく、聞くだけにした。

番組は年越し派遣村村長の湯浅誠氏の記録だ。彼は2009年秋から内閣府参与となり、派遣や失業者救済に奔走した。しかし、大量の赤字国債を発行し続ける財政状態では、思い通りには行かない。彼が頑張るほど問題の深刻さが浮き上がり、途中で聞くのが辛くなり、チャンネルを変えてしまった。

この問題は、熾烈なコスト競争の結果、国内産業に不要な労働者が多く出たことによるものだ。
その一方、人口を、増やし、海外から移民を受け入れないと労働者が足りなくなる、との矛盾した意見がある。
これほど失業者が多いのに、どうして海外からの移民が必要なのだろうか。どうやら労使間の要求に大きなミスマッチがあり、日本人の価値にもデフレが起きているようだ。それにしても、人材を活用せず、生活保護で遊ばせておくのは国民を荒廃させるだけだ。実際、生活保護者の麻薬・賭博汚染は増加の傾向にある。

産業界が、コストイコール人件費と先入観に捕われ過ぎているのは知恵がない。それより新技術開発の方が遥かに大きくコスト削減に貢献し、他国の追い上げを阻止する。コスト削減に関し、最近、ソニー開発の技術で興味深いものがあった。それは,テレビなど電子機器の基板上のチップ間を,配線ではなくミリ波の無線伝送によって接続するものだ。家電や携帯の"機器間"のミリ波接続はすでにあるが、機器内部に適用するのは斬新だ。さまざまな困難な技術をクリアして実現したもので、他国が易々とはキャッチアップできそうにない。まもなく実用化されるだろうが、実現すれば機器内の信号配線がなくなり、著しい低コスト化が実現する。この技術により、海外に移転していた製品組み立てを、国内に戻すのは難しくない。

そのようなコスト削減の新技術が各業界に生まれれば日本は活力を取り戻し、派遣や失業者問題は自然に解決する。日本復活には、福祉は緊急避難程度にとどめ、予算は人材の活用と新技術開発に傾注すべきだ。番組を見ていて、福祉だけでは、派遣も失業者も救えないと痛感した。

HahaSakura上写真、東京北社会保険病院下の公園。
石垣脇のステンレスの手摺を、母は10メートルほど伝い歩きする。
手摺はいつも小鳥のフンで汚れているが、お昼までの雨で洗い流されていた。

下写真、緑道公園の満開の緋寒桜。

午前中の東京マラソンの頃は冷たい雨だった。
お昼から青空が広がったので、昼食を食べずに母を散歩に連れ出した。
まず、川向こうのライフに寄って、のり巻きを買った。
のり巻きは、母と東京北社会保険病院下の公園で食べた。
いつもは食欲のない母だが、澄み切った空の下で喜んで食べていた。

心機能が弱り、足の浮腫みは相変わらずだが、気分が良くなった母はほんの少し頑張って歩いてくれた。
その後駅前に出ると、東京マラソンが終わり晴れたせいで、人出が多かった。
明日は一日。高架下のビバホームで仏壇の花と神棚のサカキを買った。

帰りの東京北社会保険病院下公園の芝生で、車椅子を押しながら、ふと足元を見ると1センチほどの小さな四葉のクローバーが目に入った。今年始めての四葉で、何となくいい気分だ。

母は元気な頃の記憶が欠落していて、弱った現状をストレートに受け入れている。その点、犬ネコのいさぎよさと共通するものがある。もし私だったら、絶えず元気な頃の記憶が蘇り、現実を受け入れるのがとても辛いだろう。だから、母の物忘れは単純にボケとは言えず、老いに与えられた知恵なのかもしれない。
しかし、冗談はよく言う。先程、寝付けないでいる母に
「これからトイレに入るから呼ばないで。」
と、言うと、
「すぐに呼ぶからね」
と、すかさず意地悪を言って笑った。この入り交じった正常さと物忘れが、母の気持ちを安定させているようだ。

先日の新聞に、横浜市鶴見区ユニバーサル造船にて、木造船の掃海艇"たかしま"が完成と小さな記事があった。掃海艇とは、機雷除去専用の艦艇だ。と言っても、戦後処理に活躍する平和的な船だ。
敗戦後、海に囲まれた日本は米軍投下の大量の機雷に悩まされ、その掃海作業で日本は世界一高度な掃海技術を身につけた。掃海艇は磁気機雷への感応防止のため木造で建造される。木造船建造でも日本には腕の良い職人が揃っていて、今回の"たかしま"を建造できた。しかし、今後はFRP船に移行するので、木造船の職人は絶えてしまいそうだ。

記事を読みながら、浦賀の木造ヨット作り職人のNさんを思い出した。
今、木造ヨットの注文はまったくなく、FRPヨットばかりだ。FRP船建造には、大量の刺激の強いエポキシ樹脂とガラス繊維を使う。しかし、ガラス繊維の粉末に触れると痒くなる。それで、真夏でも全身を覆う防護服を着用するが、それでも隙間から侵入したガラス繊維粉末のため、Nさんは湿疹に悩まされていた。肺に吸入したガラス繊維微粉末の生体への影響も未知数で、今後、何らかの後遺症が生じるかもしれない。
そんな訳で、NさんはFRPヨットをひどく嫌い、木造ヨットの注文がなくなった今、家具作りに挑戦している。

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