体育館で石綿(アスベスト)に晒された教師が中皮腫を発症。10年4月23日
今日の夕刊記事。滋賀県旧甲西町立岩根小学校で、体育教師が石綿(アスベスト)にさらされ悪性胸膜中皮腫を発症して死亡した。教師は岩根小学校に1973年から3年間勤務した。体育館の一部には防音、断熱のために石綿が吹き付けてあったが、1989年に全面撤去された。
教師は石綿にさらされてから28年後の01年に悪性胸膜中皮腫を発症し、02年に死亡した。中皮腫を発症すると日に日に呼吸が難しくなる。亡くなるまでの1年間の苦しみを思うと、とても気の毒だ。
当時の学童や利用者たちの証言では、バレーボールなどが吹き付け面に当たって石綿が飛散することがあったようだ。このケースで労災が認定されたのは大変珍しい。当時、多くの地元民や学童が体育館を利用していた。石綿(アスベスト)は中皮腫だけでなく肺ガンの原因の一つだ。これから、地元住民の不安は続きそうだ。
昔の建物の壁や鉄骨には、防音断熱に優れた石綿が普通に吹き付けてあった。80年あたりから石綿の危険性が問題になり、安全なロックウール吹き付けに変わった。しかし、岩石を溶融して繊維化したロックウールはもろくて耐久性がない。それで、比較的危険性が少ない白石綿を少量加えて強度や粘着力を調整してあった。だから、石綿が全面禁止される近年まで、若干の危険性が残った。
池袋に84年に開店した東急ハンズ天井の、剥き出しの鉄骨と天井板にもロックウールが吹き付けてあった。私は東急ハンズ好きで、池袋店は週に1,2回は通っていた。
店内の浮遊アスベストは極微量で、健康には問題なかったはずだ。しかし、一日中働いている店員たちは別だ。微量でもアスベスト粉塵を吸い続ければ発症の危険がある。彼らが上記の新聞記事を目にしたとすれば、当時のロックウールの組成が気になるだろう。ちなみに、剥き出しだった天井と鉄骨は10年くらい前から化粧板で覆われ、今は問題ない。
昔は理科の教師も実験道具に使われた石綿を吸う機会が多く、肺ガンや中皮腫の罹患率が高かった。ボイラー技士、鋳物屋、鉄工所と、火を使う職業の殆どは石綿を扱っていた。昔、彫金職人だった私も石綿を扱っていた。彫金の同業者で肺ガンで亡くなった方は多い。
昔は道具屋や雑貨屋で、石綿と石灰を混ぜ5ミリ厚ほどに加工した板を売っていた。そのまま使うこともあるが、大抵はちぎって水で練って使った。熟年以上の北国育ちなら、石炭ストーブの煙突と壁の隙間を練った石綿で塞いだ記憶があるはずだ。石綿は乾くとフエルト状に固まり、断熱性と弾力があって丈夫だった。
彫金で火を使う時、石綿は大変重宝した。指輪は納品前に、お客さんに合わせてサイズ直しをする。指輪は宝石が入っていることが多く、中石に火が当たると割れたり変色する。それで、水で練った石綿で中石を包んで保護し、ロー付け作業をした。だから、サイズ直し専門の職人は朝から晩まで、大量の石綿を吸っていた。
私の仕事は主として石留めや彫刻で、石綿を使うことは少なかった。しかし、仕事机にはいつも石綿の板が置いてあり、タガネの焼き入れ時に使った。だから、一般人の100倍は吸っているはずだ。そんな私の発症予防方法は、タバコを吸わないことぐらいだ。
肺ガンで亡くなった同業者のほとんどはタバコを吸っていた。昔はタバコを吸っていると、ベテランに見えて客に信用されると、師匠に薦められて吸い始めた人が多い。肺ガンで亡くなった私の師匠も、生前、薦められてタバコを吸い始めたことを後悔していた。
写真。前回の赤羽台団地の道の先。
この道を上って行くと赤羽台団地に至る。
氷雨の中、白いハナミズキが美しい。今の時期の淡い緑は好きだ。育った九州の春は緑が濃く、このような柔らかさはなかった。
下写真。東京北社会保険病院下。
散歩帰りには雨が止んだ。
散歩は早く出てお昼前に帰った。
午後は浴槽の取り替えがある。浴槽は入居してから一度も使っていない。足が悪い母は浴槽が使えず、それで、私も母もシャワーで済ませていた。
浴槽は使わないままホーローが剥げて錆が浮き始めた。滞納していた家賃を一括払いすると直ぐに、公団に取り替えを頼んだ。
浴室までの廊下を物置代わりに使っていたので、片付けに時間がかかった。
業者は約束の2時かっきりに来た。取り替えは2人で20分程で終わった。新しい浴槽は気持ちが良い。散らかった部屋を片付け終えると、浴槽に湯を張って追い炊きを試した。室外のガス湯沸かし器の暖房スイッチを入れ、浴槽のダイヤルを回すと、浴槽の熱交換器の中を80度のお湯が循環して温める仕組みだ。
早速、浴槽に入ってみると、意外に狭い。今の住まいに引っ越してから13年。その間に湯船につかったのは外の風呂ばかりだ。狭い内湯はくつろげなかった。シャワーの方が私の性格に合っている。お風呂に入りたい時は銭湯に行くことにした。張ったお湯はカビの原因になるのですぐに抜いた。
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