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2010年4月 4日 (日)

満開の桜の下にて、過ぎ行く歳月を想う。10年4月3日

モニターの調子が悪く画像データを正しく調整出来ない。
最近、雑誌に掲載した画像の色味が、私のイメージと違っていたのでそれに気づいた。ポジ入稿だった昔と違い、画像データをメール添付で送るのでそのような失敗がよくある。データ送付はコストもスピードも格段に安価で便利だ。しかし、データに問題があると最後まで響く。失敗を避けるため、プリントした色見本を郵送したいが、いつも締め切り前でゆとりがない。

そんな訳で、意を決して新しいモニターに買い替えることにした。まず、池袋三越跡に入ったヤマダ電機日本総本店へ行ったがモニターは充実していない。それで、近くのビックパソコン館へ行った。こちらはナナオのモニターが充実している上に、ナナオの営業部員がいて詳細に説明してくれた。それで、EIZOシリーズのW22型を買った。 ナナオのモニターはプロの評価が高いが値段も高い。しかし、仕事用は節約出来ないので無理して買った。その後、溜まったポイントでプリンターインクと用紙を買った。おかげで13キロ程の大きな箱を手に提げて帰るはめになった。

帰宅して、早速パソコンに繋ぐとビックリした。今までのモニターとまったく色味が違う。今まで、いい加減な色味でデータを作っていたようだ。去年終わった雑誌の連載で、画像が上がって来る都度に失望していたが、私のモニターに原因があったようだ。

新しい機器を入れると、凝り性の性癖が頭をもたげ、徹底的に機能を試してしまう。おかげで画面調整とデータ確認のプリントアウトに明け暮れ、昨日はブログを休んでしまった。

今日は姉に母の世話を頼んで、午後4時、銀座へ出かけた。
版画家の菊池俊治氏が秀友画廊でガラス絵展をやっている。

秀友画廊 「菊池俊治ガラス絵展」
中央区銀座7-8-1丸吉ビル6F 電話03-3573-5335 
4月1日〜14日 11:00〜18:00 最終日17:00まで 日曜休み

今回、始めて取り組んだガラス絵で、彼は新境地を開いたようだ。本業の版画にない明るい躍動感があって楽しい。近くへお出での際は是非覗いて欲しい。

作品を見たらすぐに辞するつもりでいたが、次々と来る客たちと付き合っているうちに、終いの6時になってしまった。帰りはソニービル半地下のカーディナルで、菊池氏とビールを飲んだ。帰りがけに飲みながら話すことにも個展の意義がある。それがあって、作品鑑賞は完結する。

母を任せた姉のことが気になるので、今度こそ30分で切り上げようと思ったが、突然に雨が降り始めた。半地下の店内から、化粧ガラス窓越しに並木通りを傘をさして急ぐ人並みが見えた。この雰囲気は悪くない。絵描き仲間との会話は共通項が多いので弾む。結局、雨が止む8時まで飲み続けた。

銀座で久しぶりにビールを飲みながら、20数年前のバブルの頃を思い出した。その頃は、この店で女の子と待ち合わせをした。いつもお札を十分に持っていて、夜明けまで遊び、タクシーで帰った。家の近くの通りで下車して、路地を抜け家が近づくと、母が台所で片付けものをする音が聞こえた。私はてらいも罪の意識もなくガラリと玄関を開けた。すると母は「お帰り。楽しかった。」と明るく声をかけてくれた。これが妻と母親の違いだ。もし、妻ならかなり険悪な空気が流れる場面だ。しかし、母は私が楽しんでいるのが嬉しかったようだ。

菊池氏とマリオン前で別れ、9時前に帰宅した。
「何かへんなことを言わなかった?」
母の言動を姉に聞くと、「正喜がいないけど、何処へ行った。」と一度だけ聞いたようだ。一度だけなら、しっかりしている方だ。引き継ぎを終えると、姉はそそくさと帰って行った。

私がストイックな生活に耐えられるのは絵を描いているからだ。絵さえ描ければ、どんな厳しい生活にも耐えられる。今日会った菊池氏もバツイチの独り身だ。絵描きに独り身が多いのは、絵を描く魅力のせいかもしれない。

Haha_4東京北社会保険病院下の桜並木。

母はベットに寝ていた。
「桜は明日あたりから散りそうだ。明日も、また見に行こう。」
枕元で言うと「毎日、花見ができて楽しいね。」と母はうなづいた。

母は今年の花見をすることができた。来年は98歳になる。花見ができるかどうか可能性は低い。毎年、桜の季節になると同じ事を思うが、年々、そうなる確率は高くなって行く。

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