金柑を食べていると、ふいに子供の頃の記憶が蘇った。10年4月9日
8日木曜日。久しぶりに好天。
午前中はシャワーサービスだったので、母の散歩は午後遅くになった。日射しは暖かいが、大気は冬のように冷たい。今朝は各地で遅霜が見られたようだ。おかげで桜は殆ど散っていない。
緑道公園の大ちゃん。
夜遊びのし過ぎだろう。
腕白な彼が寝ているので、公園の鳩はのんびり餌探ししていた。
駅前で買い物を済ませての帰りがけ、大ちゃんはまだ寝ていた。
夕暮れの光に、花びらがキラキラ光りながら母に舞い落ちた。
「今年の桜は、いつもより美しいね。」
帰り道、母はしきりに言った。
母は口に出さないが、来年は弱るか死ぬかで、花見はできないと思っているようだ。
公園で親子連れが花見をしていた。
その5,6歳の男の子は玩具のサングラスをしていた。
ブルーのプラスチックレンズに黄色のツル。
ブルーの世界が気に入っているようで、クルクル回りながら桜を見上げていた。
「よっ、かっこいいね。」
声をかけると、男の子はひっくり返りそうなくらい照れた。
「バカばっかりやって。」
若い母親はそう言いながら、声を出して笑った。
男の子は、声をかけられたのがほど嬉しかったようで、いつまでも私たちに手を振っていた。
「あのくらいの玩具で、楽しいんだ。」
母に言うと、
「無心に遊べる頃は可愛いね。でもすぐに終わる。」
母はボソボソと答えていた。
住まいに帰り着く頃、日は更に傾いていた。新河岸川の遊歩道の桜が夕日に浮き立って見えた。10年前、この住まいに引っ越したころは幼木だったのに、今は花見ができるほどに成長した。2,3日すると、上流で散った桜が水面を覆って流れて行く。
夕食は簡単に済ませるが、明日の朝食の準備をするので夕方はいそがしい。1日のうちで、朝食は一番ボリュームがある。そうしないと、散歩途中で燃料切れを起こす。
冷蔵庫の野菜入れをあさって食材を探していると、底の隅に金柑が見つかった。
去年暮れ、日南市大堂津の知人が送ってくれたものだ。
その頃、彼女は若いお嫁さんだったが、今は80代のおばあさんになった。
彼女の家の庭の金柑を私が好きだった事を今も覚えていて、毎年送ってくれる。
金柑はその残りだった。
点検したが、やや水分が抜けているだけで傷んでいない。
加工すれば問題なく食べられる。蜂蜜と一緒に電子レンジの弱で8分程加熱して食べると、香りが強くとても美味い。突然、背を伸ばして金柑を摘んで頬張った子供の頃の記憶が蘇った。
9時前のNHK番組で杉本彩が、自分が踊っている写真を見せながら、アルゼンチン・タンゴにはまっていると話していた。その色っぽい写真を見ていたら、ふいにタンゴが見たくなった。
探してみると、YouTubeでいいのがあった。アルゼンチンのタンゴ映画の1シーンのようだが、よく分からない。初老の男性と若くはない女性は、何処となく気品がある。互いに見つめる視線に秘めた情熱を感じさせ、とても良い。残念なのはワイド画面を横に圧縮してあるので人物が縦長になっていることだ。海外の古めのYouTubeによくあることで、一般の画面に収まりやすいようにとの配慮だろう。その辺りを気にしなければ、雰囲気と音は申し分ない。
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