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2010年4月 8日 (木)

通販で取り寄せた母のLサイズパッチに日本の未来を思った。10年4月7日

通販で買った母の春用8分長パッチが届いた。縫製も素材も悪いのに2枚で3700円と割高なのは3Lサイズだからだ。ズボンや下着は、かろうじて落ちない程度にユルユルでないと、心臓が弱った母は苦しい。しかし、3Lサイズの8分長パッチは滅多に市販されていない。それで、ネットで見つけて注文した。

母の介護をするようになって、女性用衣類の実用性のなさに驚く。値段が高いのに、縫製がきゃしゃですぐに傷む。パッチも短いものばかりで防寒が不十分だ。
最近は男用衣類の女性も兼用できる色合いの品を買っている。男性用は実用性に優れ、ゆったりとしていて着心地が良い。女性用のように肩パットが入っていたり、胴の辺りが絞ってあったりしない。素材も丈夫で頻繁に洗濯しても傷まない。

届いた小包は、薄いパッチ2枚なのにズシリと重い。開くと中身の殆どは通販カタログが占めていた。家具の項をパラパラめくると、どれも1万前後と20年前の半分ほどの値段だ。デフレだからではなく、総てが海外生産に代わったからだ。この現状を見ると、日本の生産現場はこれからどうなるのだろう、と気になる。昔、彫金職人をやっていたので、仕事を海外に奪われて、青息吐息の現場の姿が目に浮かび胸が痛む。私が職人をしていた20数年前は、一般サラリーマンの2倍は稼いでいた。どの職種も職人はゆとりがあり、未来は洋々としていた。

しかし今は、世界最強だった電機関連の先端企業まで、苦境に立たされている。先進的な製品を開発しても、すぐに韓国台湾中国にキャッチアップされ、安い値段で追いつかれてしまう。経済誌を読んでも、未来予測はどれも悲観的で不安をあおる。

液晶テレビ、ビデオ、iPod、iPhoneと、今先端の製品のどれもが日本で開発されたものだった。しかし今は、どれも海外勢に追い越されている。理由は、日本の技術者がコストを考えずに良いものを作りたがるからだ。
この職人気質には共感できるが、今は国際的に通用しない。しかし、程々に良いものを安く作る新興勢力を真似しても日本は競争に負ける。むしろ、たぐい希な日本の職人気質を大切にし、革新的な発想を加えれば勝機が生まれる。

世界的な日本のメーカーは、どれも日本人の職人気質を活用している。以前番組で、原子炉の巨大な圧力容器を鍛造する日本製鋼の現場を見たが、感動する程の職人芸だった。炭素繊維も日本メーカーが圧倒的に強く、世界の7割を生産している。日本は従来技術のコスト削減ではなく、革新的な技術開発でコスト削減を図るべきだ。最近、日立がリチウム電池のマンガン系正極を開発したが、これは成功例だ。マンガンは世界的に豊富で、日本周辺の海底にはマンガン団塊として多量に存在する。これで、高価なコバルトが不要になり、電池寿命を従来より2倍に伸ばせ、コストも下げられる。失敗例はトヨタのリコール原因のブレーキの不具合だろう。コスト削減を重視するあまり職人気質を軽視したら、堤が蟻の穴から決壊するように、日本も崩壊する。

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東京北社会保険病院裏庭の薄紫のスミレ。
他に、これ程の群落を知らない。母の眼科診察の帰り、冷たい雨の中で撮った。

最近、貧困ビジネスとか無縁ビジネスとか、嫌な言葉を耳にする。前者の、生活保護者を食い物にするNPO組織などを見るとおぞましくなる。

無縁ビジネスは、数年前から爆発的に増えたようだ。4,5年前、「1時間5000円で話し相手をします。」のビラが郵便受けに入っていた。こんなことに金を使う者がいるのか、と疑問に思ったが、今は月に20万以上、電話での会話に金を使う孤独な者が普通にいるようだ。孤独を癒すのに金がかかるとは釈然としない。しかし、他に方法がなければそれも仕方がない。孤独はそれほど辛いことだ。

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