夏の終わりに。10年9月3日
先日の舌先の赤味は取れて、健康なピンク色に戻って来た。舌ガンの前駆症状紅板症を心配したが、何でもなくて安堵した。しかしまだ、先日の3連続引いたおみくじの凶が頭にある。次はどんな不安に囚われるだろうか。
去年、ベランダの多肉植物エケベリアが枯れた。外装工事で長期間ネットに覆われ日射しが足りなかった所為だ。植木鉢をそのまま放っておいたら5月あたりにヒメムカシヨモギが生えた。北アメリカ原産のアレチノギクに似た帰化植物で、熱い舗道脇などに旺盛に生えている。大変に強い草だが、今年の厳しい日照りに幾度か萎れた。哀れになって、水をやるとすぐに生き返った。水はこれからもあげ続けるが、種を撒き散らさないように花は取り除いた。しかし、三日もすると無数の莟を膨らませる。それをまた取り除く。それを続けているが、どうしても子孫を残さずにはいられないようだ。この姿を見ていると、生きるとは子孫を残すことのようだ。今日もヒメムカシヨモギの微小な花芽まで完全に取り除いたが、来週早々には莟を付けていることだろう。
猛暑で仏壇の菊と神棚のサカキは1週間保たない。比べて、貰った百合とセンニチコウは極めて強靭だ。百合は猛暑の中、次々と開き、毎朝、雄しべを取るのが日課になっている。センニチコウはお隣が四国の実家に帰省した時、庭から採って来たものだ。四国の炎天下で元気に咲いていただけに、暑さをものともせず二十日は枯れずにいてくれる。
弔文は今も届く。先日は私と同じように一人で母親を看取った方から届いた。
"亡くなってから2ヶ月、一番寂しさが募る頃だと思います・・" とあった。
外で人に会えば明るく振る舞っている。しかし、弔問客が一巡し、誰とも話さない一人の時間が長くなった。知人が言うように、本当の寂しさはこれからのようだ。
狭い住まいなのに使わない部屋がある。生前母はその部屋の椅子に腰かけテレビを見ながら手芸を楽しんでいた。テレビの横には50号の私の絵が掛かっている。疲れると、ぼんやり眺めながら絵の中へ入って行くのが楽しい、と母は話していた。
題名は「夏の終わりに」。絵描きに転身した43歳、リキテックス・ビエンナーレに応募して奨励賞を取った作品だ。買い取りの打診も多く、絵描きへの自信を深めた記念碑的作品だ。
以来22年、母は毎日この絵を見て過ごしていた。それだけに思い入れが深い。
今朝、久しぶりに母の椅子に腰かけた。絵の左手壁には散歩道で出会ったイヌやネコとの写真が貼ってある。右手に6月からめくられていないカレンダーが目に留まった。母のカレンダーは総て処分したつもりだったが、見落としたようだ。カレンダーを8月へめくりながら、もう2ヶ月も過ぎたのかと、言いようのない寂しさがこみ上げた。
今日も強烈な暑さだ。帰宅すると、冷やしたノンアルコールのビールをグイっと飲む。ほろ苦さが何とも言えず爽快。ノンアルコールだと仕事に影響しない。ジュース類と比べ、後口が良いのもいい。
冷たいものの飲み過ぎのせいで食がすすまない。白身魚の刺身なら食が進むが、母を思い出すので買えない。母の好物を気分よく食べられるようになれば、死別の哀しみが癒されたと言えるのだろう。
昨日は、母の動画のDVD焼き直しを受け取りに池袋の業者へ行った。
仕上がったDVDを確認すると音声と画像がずれている。やり直しに1時間半かかるとと言うので、駅前のヤマダ電機へ行って時間をつぶした。暑さのせいか、店内は以前のように混雑していない。店内至る所にベンチが置いてある。冷房の良く効いた中、ipodを聴いているとすぐに時間は過ぎた。
焼き直したDVD10枚を受け取り、午後7時に帰宅した。
レンタルしたDVD「ディスパレードな妻たち」4話分が届いていたので、夕食後一気に見た。見ている間は没入しているが、終わって現実に戻ると辛くなった。その後は何もせずに寝た。
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