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2010年11月10日 (水)

老いるとは、検査数値が悪化して行くことだ。10年11月10日

九州の母違いの姉がウニとお小遣いを送って来た。電話をすると、「元気に暮らしている。」と私を心配していた。姉は脳梗塞を起こし半身が不自由だ。我が身を省みない優しい言葉に、ほろりとさせられた。

母との死別以来、毎日、誰かと話すようにしている。
昨夜は2年前に長い介護の末に母親を亡くした知人に電話した。

「まだ、毎日哀しいでしょう。」
彼女は聞いた。
「1日1回は泣くことにしている。一定量泣かないと次の段階に進めないから。」
そう答えると、彼女は楽しそうに笑った。
「私も半年は毎日泣いていた。男だからって強がらない方が良いわ。」
そう付け加えて、彼女はまた笑った。

一日中哀しんでいる訳ではない。突風のように哀しみが通り過ぎ、すぐに平静に戻る。新しい思い出が重なるにつれ、母の死は少しだけ遠い思い出に変わった。

死別前、母がベットに就くと出かけて、新河岸川の遊歩道を散歩した。冷たい夜風が心地良く開放感があった。この開放感が母を亡くした喪失感を埋めるだろうと、楽観していた。
しかし、昨夜久しぶりに夜の遊歩道を散歩した時、それが間違っていたと痛感した。冷たい夜風は心地良かったが、開放感はなく空虚さだけが残った。

昨日は東京北社会保険病院外科へ行った。
先週の血液検査の結果が出ていた。腎機能、血糖値、コレステロール、どれも悪化していた。
「手術には差し支えありませんね。」
女医さんは笑顔で説明しながら、内科上のことには触れなかった。

写真、東京北社会保険病院の裏道。

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医師の対応はそれで良いと思った。老いれば、誰でも数値は悪化する。もし悪化しないなら人は永遠に生きることになる。帰り道の澄み切った秋空を見上げながら、サバサバした気持ちになった。

東京北社会保険病院庭。

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今日も朝から素晴らしい快晴だった。
エレベーターを待つ間、流れて行く白い雲を眺めていた。
「雲までエレベーターで上れたら楽しいでしょうね。」
母が元気なころよく言っていた。その言葉を思い出しながら、空へ伸びる透き通ったエレベーターを想像した。
少しして、エレベーターが下りて来てドアが開いた。中は明るく光に満ちていて、青空から母の魂がエレベーターに乗って下りて来たような気がした。

C_1_2C_2_2写真上、赤羽台団地の公園。

秋色が日に日に濃くなっていく。
赤羽駅前の画廊から彫刻の作品展の案内が届いた。
作家は北九州出身だ。
始めに書いた姉も北九州に住んでいるので親しみを感じ、会場に寄って作家と話した。

彫刻家は素朴な人が多い。彼も実直な人だった。

荒木実彫刻展
11月21日日曜までやっているので、興味がある人は覗いてほしい。
AM11:00〜PM6:00
最終日のみPM5:00まで。
東京都北区赤羽西1-35-8
レッドウイングビル1F
GALLERY YOU
03-6808-7575

作品では恐竜の頭と入り口の招き猫が良かった。

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