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2010年11月18日 (木)

左右鼠径ヘルニアの手術は楽だったが、その後の寝違いの方が辛かった。10年11月18日

15日月曜、近所の東京北社会保険病院で鼠径ヘルニアの手術をした。前にも書いたが、8年間の母の介護で右を悪化させ、更に左も発症させてしまった。それで、左右の穴を同時手術でポリプロピレンメッシュで塞いでもらった。

術式はジョンソン&ジョンソン社が開発した最新のUHS法(ウルトラプロヘルニアシステム法)。去年秋に認可されたばかりで、まだ国内での術例は少ない。その前の術式のPHS法(プロリンヘルニアシステム法)の改良型で、メッシュ素材の70%を体内に吸収される繊維で置き換え、腹痛などの異物トラブルを大幅に軽減したものだ。形状はPHS法と同じで、鼠径部の穴を筋層の内側と外側でサンドイッチにはさみ、腹膜と腸の飛び出しを強力に防ぐ。ヘルニアの再発率は0.12%と一般的なクーゲルパッチ法の7.61%よりはるかに小さい。

東京北社会保険病院外科の第一選択肢は筋層の内側をメッシュで覆うクーゲルパッチ法。
「PHS法かUHS法はやらないのですか。」
初診の時、医師に聞くと、「ご希望でしたらUHS法でも問題なくやります。」との返事。この病院は前向きだ。もしかすると、やや問題のあるクーゲルパッチ法から最新術式に替えたい意識があったのかもしれない。
クーゲルパッチ法は形状記憶樹脂の輪にメッシュを張った形で、素早く的確に装着できる利点があるが、形状記憶のリングが腹痛の原因になることがある。再発率も上記のようにPHS法UHS法より高い。

もう一つ、筋肉層の外側を覆うメッシュプラグ法があるが最近はあまり聞かなくなった。
術式では腹腔鏡を使った方法が一時流行ったが問題が多くて今は少ない。
更に昔は、穴を縫って塞いでいたが再発率が高く治りも遅いので今は殆どやっていない。ただし、幼児のヘルニアでは異物を入れない利点があるので今もこの術式をとる。

UHS法の国内術例は少なく、PHS法とくらべ結論は難しい。補強するポリプロピレンメッシュの量が少ないことを理由に、適さない患者がいると考える医師もいる。その一方、PHS法の長所と副作用の少なさを兼ね備えた、究極のメッシュだと賛辞する医師もいる。いずれにせよ、母が死んで後顧の憂いがない今、積極的にUHS法をお願いした。

病院での第一選択肢クーゲルパッチ法より手技が難しいのが気になったが、もし問題あれば再手術で対応するつもりだ。メッシュが問題を起こした時の不快感を思えば、UHS法は試みる価値があると判断した。
ちなみに2009年の欧州ヘルニア学会でのUHS法の評価は、治療効果、生体材料、慢性疼痛、総てにおいてグレードAである。

当日、脊椎麻酔を受けた。事前に麻酔医から丁寧な説明があったので緊張感はない。右側の麻酔を受けた時、右足に鈍痛を感じたので、そのように言うと、左側は若干、麻酔薬の量が調整がされた。

執刀医は若い女医さん。女優の大場久美子の若い頃似のとても可愛い美人だ。この人ならどんな結果も許せる。
外科医はもう一人ベテランが付くので不安はない。女性は手先の動きが繊細で、デリケートなメッシュを扱う手技に向いている。ベテラン医師の的確な指示のもと、まず右側から手術は順調に進んだ。

そして、左側に入った時、メスの痛みを感じた。執刀医がベテランならすぐに訴えて局部麻酔を加えてもらうが、若い医師に余分な作業を加えて集中力を削いでは拙い。脂汗が出るほどの痛みを我慢していると、左は学習効果で順調に早く済んで助かった。

終わってからすぐにレントゲンが撮られ成功が確認された。その後、左側の麻酔の効きが悪かったと伝えると、「言っていただければ、すぐに対応できましたのに。」とベテラン医師は言った。しかし、結果良ければ総て良しで不満はない。
私が我慢したのは個人的な理由で、決して我慢する必要はない。痛みを訴えれば執刀医は直ちに局部麻酔を加え、痛みはすぐに消える。

病院によっては鼠径ヘルニア手術でも全身麻酔がされる。しかし、麻酔医がいない場合は注意が必要だ。意識がまったくないために、異物が気管を塞いでも患者が訴えず命取りになることがある。他にも、心臓病、高血圧などがあると危険性が増す。母は麻酔医がいない医院で全身麻酔を受け、危うく死にかけて手術が中止になったことがあった。東京北社会保険病院の外科は充実していて、麻酔医だけで6人いる。それでも安全性の高い脊椎麻酔が選択された。

写真、退院の17日、病院からの寒い雨の風景。

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手術の前夜も当日夜も、同室患者の猛烈ないびきで眠れなかった。
16日、採尿管がとれ歩くことが出来るようになったので、売店で耳栓を買った。おかげで16日夜から15時間も寝てしまった。しかし、それが拙く、手術瘡をかばうように不自然な姿勢で長時間寝ていたために寝違いを起こしてしまった。

17日の退院時、首の痛みで俯いたまま前が見れない。絶食でやつれた上に実に情けない。この辛さは生まれて初めてで、帰りがけ病院前の整骨院にかけこみマッサージをしてもらった。

整骨師は重い寝違いで治るのに10日はかかると言った。その夜、痛みは少し軽減したが、18日も重い鈍痛に締め付けられ食欲もない。今、パソコンを打つのも首が辛く、休み休みだ。

明日明後日と整骨院に通うので、日曜辺りは、元気になるだろう。
肝心の鼠径ヘルニア手術は極めて順調に治っており、殊に左は何も感じないほどで、普通に歩ける。手術は成功だった。手術瘡は絆創膏が貼ってあるだけだが、すぐにシャワーが浴びられた。

鼠径ヘルニアがひどかった右側は出血が多く少し腫れているがすぐに治まる。いつもヘルニアを気にしていたので、これからはすっきり生活ができそうだ。若い女医さんの手技は巧みで、手術創の縫い目はは正確で綺麗だった。後遺症はまったくなく、手術は大成功だった。

18日も寒い。夕暮れ晴れ渡り、影富士が見えた。明日から暖かくなるとの予報。


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