子孫を残せないベランダのヒメムカシヨモギは、冬間近な今も生き生きしている。10年11月25日
ベランダの植木鉢にヒメムカシヨモギが生えている。綿毛の付いた種が風に乗って13階までやって来て根付いたのだろう。
気づいたのは母が死んだ後の7月猛暑の日だ。強い日射しで土が乾燥し、萎れて枯れかけていたので哀れに思い水をやった。ヒメムカシヨモギはアレチノギクに似たどこでも見かける外来植物だ。極めて強靭で、石ころだらけの荒れ地でも灼熱の道路脇でも逞しく生えている。それでも枯れかけていたのだから、今年の真夏のベランダは相当に過酷な環境だったようだ。
水をあげながら、生かしておく代わりに近所迷惑だから種を散らさないことをヒメムカシヨモギに約束させた。と言っても草相手のこと、私が勝手に約束させただけだ。
それから、種を散らさないために莟ができると片っ端から摘んだ。しかし、繁殖力は旺盛で3日もたつと無数に莟を付けた。先週、鼠径ヘルニア手術で入院して3日間留守にした時など、帰宅すると開花寸前の莟を無数に付けていた。いつもより開花のペースが早かったのは、鬼が居ぬ間にと草なりに頑張ったのかもしれない。
最近、ヒメムカシヨモギを観察していて気づいたことがある。莟を摘んで子孫を残させないことで、寒くなった今も生き生きと元気なことだ。比べて散歩道の彼らは色褪せて枯れているように見える。
生物は命が危うくなると生殖能力が増す。たとえば椎茸などのキノコ類は原木に雷が落ちると大豊作になる。菌糸が電流によってズタズタに切られ命の危機を感じて母体のキノコが繁殖力を増すからだ。
我が家のヒメムカシヨモギはそれに似た生理現象で、子孫を残すまで枯れずにおくものか、と草の意地で頑張っているのだろう。
もしかすると、1年草のヒメムカシヨモギが2年も3年も生き続けるのでは、と密かに期待している。もしその通りだったら、若返りと長生きの秘訣として人間に応用できるかもしれない。
上写真、東京北社会保険病院下の公園。
朝から寒い。川向こうの生協浮間診療所へインフルエンザ予防接種へ行った。
「お気持ちは落ち着きましたか。」
若い女医さんが母と死別してからのことを尋ねた。
「新しい思い出を次々と作って、遠い思い出にしようとしています。」
答えると医師は笑顔でうなずいていた。
新しい思い出を重ねることで、母の死は遠くなって行く。しかし、忘れるのは無理で、夕暮れに誰もいない住まいに帰って来た時など、今もとても辛い。
診療所から帰宅して昼食をとり再度買い物へ出た。
緑道公園の枯れ葉の山に黒猫がいた。寝床を作っている最中で、カメラを向けると、「見ニャイデ。」と困った顔をした。枯れ葉の山の凹みは温かそうで、今夜は気持ちよく眠れそうだ。
桐ヶ丘生協で野菜ジュースと豆乳を買った。豆乳は大豆と水だけで作った豆腐が作れるタイプだ。味は今一だが、安心して飲める。
帰りは北中裏から都営住宅を抜けた。樹木が鮮やかに紅葉していた。
写真は北中のポプラ。
夕刊に、ミシュランで横浜中華街に星なしとあった。
中華街の経営者たちは、ミシュラン好みの中小の店が少なく大型店ばかりだから、と分析していた。
しかし、私は単純に美味い店が少ないからだと思っている。
最近、中華料理は都心の方が美味く値段も安くなった。横浜中華街は中国同様の拝金主義が横行して、のんびり楽しめない町になってしまった。
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昨日は西荻での知人の作品展へ行った。先月開店したばかりの小さな店で小鳥の写真展をしている。中央線は月初め武蔵美の芸術祭へ出かけて以来だ。
「ことりが集まるカフェのおはなし展--MICANO*高間ヒロミ」
11,24〜12,6日 12:00〜19:00 火曜日定休日
東京都杉並区西荻南3-16-3 atrier・books・crafts "NANO"
西荻駅から5分の近い場所です。
"NANO"のオーナはタイル画をつくっている若く元気な可愛い人です。ぜひ、会ってみてください。
上写真が高間ヒロミさんの作品です。
彼女はイラストレーターとして活躍されていますが、今回は撮り溜めた作品を展示しました。
可愛いシジュウカラの写真が沢山あります。高間さんから楽しい話しを聞けます。
"NANO"はチェコの新旧の絵本が充実しています。
好きな人は自由に読ませてもらえます。
興味がある人は、絵本も必見です。
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