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2010年11月30日 (火)

辛さには鈍感に、楽しいことは鋭敏に受け入れようと思っている。10年11月30日

秋が深まるにつれ、薄れていた喪失感がふたたび戻って来た。食品売り場で、母が好きだったノド飴を目にした時。母がいつも腰かけていた椅子の下で手芸に使っていたビーズを見つけた時。それは不意打ちをくらうように蘇る。

母が死んで直ぐのころは、暴風にさらされている辛さだった。今は、しんしんと深まる厳冬の冷気のような哀しみだ。すぐに終わる苦しみはどんなに激しくても耐えられるが、いつ終わるとも分からない辛さは耐えがたい。

先日の両側の鼠径ヘルニア手術時、左側の麻酔が弱かった。若い執刀医の集中を邪魔しないように、黙って脂汗を流しながら激痛に耐えられたのは、すぐに終わると分かっていたからだ。しかし、その後の首の寝違いにはまいった。1日中、止むことなく続く痛みは、吐き気を覚えるほど辛かった。
それにあてはめると、死寸前の苦しみは前者で、末期ガンの苦しみは後者なのだろう。だとすると、死の苦しみは耐えがたいものではない。

KarinAki1_2カリンが赤羽駅前商店街の八百八店頭に並んだ。
撮っていると「可愛く撮ってね。」と女主人が笑顔で言った。

母の咳止めにカリン酒を飲ませていた。去年の今頃、無駄になるのではと迷いながらカリンを20個買って1年分のカリン酒を漬け込んだ。

結局、新しく漬け上がったカリン酒を母は一口も飲むことなく逝ってしまった。
カリン酒は古い3年ものと一緒に姉が全部持って帰った。

買い物帰り、東京北社会保険病院庭のベンチで休んでいると飛行船が上空を過ぎて行った。
母の介護をしているころ、一人で出かけると容態が気になり、いつも急いで帰っていた。
今はそのように、ぼんやりと空を見上げている時間が増えた。

東京北社会保険病院の庭は静かで美しい。
最近、散歩の行き帰り庭を抜けるようになった。

下写真。病院庭から下の公園へ下るスロープ出口。
去年まで、この木が紅葉すると、その下で母の写真を撮っていた。
公園への木製スロープは柔らかい感触が車椅子に伝わり、気持ちが良いと母は喜んでいた。

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住まい近くの環八。
素晴らしい夕日で、明日も好天になりそうだ。

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好奇心の強い者は運が強いと言う。運に恵まれない人は好奇心が薄く、良くも悪くも回りの出来事に注意を払わない。

今日の帰り道、道の脇に車にはねられて子猫が死んでいた。私はすぐに気づいたが、多くの歩行者は誰も気づかずに通り過ぎていた。

私は飛び降り自殺や、交通事故や、鉄道の礫死体を何度も目撃している。一度はラッシュ時の上野駅ホームで、線路脇にシートがかけられた礫死体に気づいた。しかし、大勢が気づかずに通り過ぎていた。

事故を目撃するのは、死者が私を招き寄せるからと思っていたが、心理学者によると単に好奇心が強いからのようだ。

私はチャンスにもすぐに気づく。だから心理学者が言うように運に恵まれているのかもしれない。
だから更に、辛いことには鈍感に、楽しいことは鋭敏に受け入れようと思っている。

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