全身麻酔と 脊椎麻酔(下半身麻酔)の安全性の違い。北国の人は寒がりになった。10年12月17日
今年は二度手術をした。
一度目の胆嚢切除は全身麻酔で、二度目の鼠径ヘルニアは 脊椎麻酔(下半身麻酔)だった。
鼠径ヘルニア手術前、安全性が高いので脊椎麻酔を選ぶと麻酔医から説明があった。全身麻酔は麻酔医がいる病院なら問題ないが、執刀医が一人で総てこなす病院では問題が起きやすいようだ。
12年前、母は胆嚢切除のあと腹膜縫合がほころびる腹壁瘢痕ヘルニアに悩まされていた。母が腰痛で通っていた住まい近くの病院で相談すると、「簡単簡単。」と安請け合いされ、母はすぐに手術を申し込んでしまった。
手術当日、執刀医が全身麻酔をした途端に心臓が止まり、母は救命措置で危うく命を取り留めた。中規模のその病院には麻酔医はいなかった。母の手術は中止してもらい、即刻、大病院に転院させ、同じ手術は無事に終わった。
母のように循環器系に問題があるケースでは、麻酔医なしではとても危険だ。血圧が高い人も難しい。
手術中の患者の管理をするのも麻酔医の重要な仕事で、私の周辺にも麻酔医なしの全身麻酔で亡くなった方が二人いる。
血圧や心臓に問題がない若者でも、麻酔医がいなかったために死に至るケースはある。
先日、韓国で女性タレントが顎を細くする美容整形手術を受けた時、全身麻酔で死んだ。口中からの出血が気管を塞いでの窒息死だった。執刀医は手術を終えた時、始めて女性が死んでいるのに気づいた。
全身麻酔は患者の意識がなくなっているので、呼吸が苦しくても訴えない。その点、脊椎麻酔なら意識がハッキリしているので、苦しければ態度や言葉で訴えることができる。
東京北社会保険病院での鼠径ヘルニアの手術の時は外科医が3人、麻酔医が2人、看護師が4人つき、簡単な手術なのに大手術並みの体制だった。ここまでする病院は滅多にないだろう。
母は全身麻酔で死にかけた時、臨死体験をしている。色とりどりの光りが舞い、えも言われぬ良い気持ちになったようだ。それ以来、死ぬのが怖くなくなったと話していた。
写真は昨日、東京北社会保険病院下から撮った。
まだ冬枯れには間がある。樹間に見えるのは桐ヶ丘団地の給水塔。この一帯ではどこからでも見える格好な目印だ。
この冬一番の寒波がやって来た。
暖房なしなのにプチプチの断熱効果で今朝の室温は17度。日が差す南側の室温は25度へ上昇していた。更に、睡眠不足が解消されたので体は暖かい。
先日の旅先、上越の人は意外に寒がりだった。
家も施設も暖房が行き届いているからだろう。駅でも吹きさらしのホームで待っているのは私だけで、地元の人は待合室に籠っていた。
昔、当地に旅した頃は、老いも若きも薄着で雪かきに励んでいた。暖房も簡素で、室温10度以下で老人たちが平気で暮らしているのに驚いた。
最近、東京と違ったのは耐寒だけではない。今の地方の人は車に頼るので足腰も弱い。直江津から黒井駅、犀潟から樹下美術館と歩いたと言うと、「東京の人は階段や通勤でよく足腰を使うから。」と地元の人が驚いていた。
使い回し4年目のプチプチの一部が剥がれ始めた。接着力が弱くなったのは汚れのせいだ。シャワーでプチプチの接着面を洗い、ガラスも磨いて貼り直した。もう一度剥げたら、薄く洗濯のりを溶いた水で貼り直すつもりだ。
御諏訪神社下で、神社近くに住んでいるおじいさんに久しぶりに会った。
母の車椅子がないと、おじいさんは気づかないので、黙って通り過ぎようとした。しかし、一緒のシーズーに見つかってしまい、仕方なく挨拶した。
「最近、お母さんを見かけないけど、どうしたの。」
おじいさんが聞くので、いつも持ち歩いている母の死亡報告のプリントを渡した。
目を通すと、おじいさんの表情が曇った。
「それは大変でした。寂しいですね。」
お悔やみを聞きながら、私はシーズーの相手をした。
「この子を見ると、母を思い出します。」
嬉しそうに寝転んでいるシーズーのお腹を撫でながら言うと、おじいさんは更に辛そうな顔をした。
12月に入って、母のことをあまり思い出さなくなったのに、最近、再び喪失感が強くなった。この気分は上下の波があるようだ。辛い期間を我慢するとスーッと穏やかな日が訪れる。そうやって、少しずつ穏やかな日が長くなって行くのだろう。
上越から帰ってから、絵を描く意欲が湧いて来た。今月は沢山人と会って、やや人嫌いになり内向きになったからかもしれない。
ポストに返却レンタルDVDを投函しようとしたら、年賀状専用が設けてあった。年賀欠礼を出してあるので今年は出さない。面倒から逃れられた反面、少し寂しい。
漢方薬屋で屠蘇散を買った。昔はどこでも売っていたが、今は酒屋の店員でも知らない者が多い。好みがあるが、私は酒と味醂を等量に混ぜて漬け込む。
下写真。昨日、師団坂で寒々とした幻日に惹かれ撮った。
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