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2010年12月 2日 (木)

河岸段丘の秋に、低失業率と最長寿国を誇れない日本を思う。10年12月2日

Aki_1Aki_2_2Aki_3住まい近くの御諏訪神社は古荒川の河岸段丘上にある。
この河岸段丘は上野公園から朝霞まで続き、その斜面の多くは自然林に覆われ太古の姿を残している。

自然林の色とりどりの枯れ葉が厚く積もった山道を歩くのは楽しい。ときおり、木陰に南天や紫式部の可愛い実を見つけると、童話の世界に入り込んだようなほのぼのとした気持ちになる。

斜面の至る所に湧水が見られる。その一つの遊水池傍らに御手洗不動明王の小さな祠がある。散歩途中、母と死別してから初めてお詣りした。不動明王は私の守り本尊で、近くを通れば必ずお詣りして来た。

赤羽は自然に恵まれた散歩コースが多い。母が健在なころは赤羽自然観察公園へ毎日行っていたが、今は無謀な手入れで自然が損なわれてしまった。
むしろ、この傾斜地の歩道や東京北社会保険病院下の方がはるかに自然観察に向いている。
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最近読んだ記事で「失業率が低いが低成長」と「失業率が高くて高成長」と、どちらを選ぶかが興味深かった。

失業率と成長率が二律背反することは、意外に忘れられている。
日本の失業率は欧米と比べると低い。それはセーフティネットが欧米先進国ほど充実していないことによる。我が国は雇用保険が貧弱で、失業給付金は少なく受給資格も厳しい。さらに、一度職を失うと転職は極めてむつかしい。しかも、最低賃金は劣悪で失業するとすぐに家族は厳しい状況に追い込まれてしまう。その実態を国民はよく知っていて必死になって退職に抵抗する。それで結果的に失業率は低く抑えられてしまったようだ。

しかし、失業率の低さは企業の活力を奪っている。企業は整理解雇できずに無駄な人員を抱え込み、合理化が停滞する。政府も失業率を上げないように支援するので労働者の流動性は抑えられ、生産性の低下を助長させている。

米国のセーフティネットは充実していないが、解雇規制が日本より緩く流動性が高い。
欧州はセーフティネットが進んでいて、労働者が解雇、失業を日本ほど恐れない。
対して日本は流動性が低いために適切な人材が必要な場に取り入れられず、経済の低成長を招いている。

最後に「失業率が低いが低成長」と「失業率が高くて高成長」、どちらを選ぶかのアンケートがあった。結果は後者が60%と一番多く、国民は政府より健全な考えを持っているようだ。

下、河岸段丘の上と下を結ぶ道。
右の道は中山道へ直行する。左手は旧雪印工場跡で今は巨大なマンション群に建て変わった。

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下、河岸段丘の下の道。

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母との死別から5ヶ月、嵐のような喪失感を耐え、様々に現れる老いに未来をも失おうとしていた。それではまずいと沈みがちな気持ちを総括し、前向きに改めようと努力している。

「正喜は逆境に強くて、本当に良かった。」
生前母は常々言っていた。しかし本当は弱く、喪失感の闇をなすすべもなく恐れていた。
今も哀しみは突発的に襲って来るが以前とは少し違う。哀しむ前にちょっとだけ笑うことにしているからだ。たとえウソ笑いでも、喪失感の闇へ転落して行くのを止める効果がある。ただし、完全に押さえ込むのは精神衛生上良くないので、少しはなるがままに任せている。
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昨日の朝日夕刊1面で「ぽっくり逝きたい」を取り上げていた。
社会学者の中には、それを弱者を排除するファシズムだと歪んだ見方をする者がいる。それは実体をしらない学者の言い草だ。

難病や体質や事故で、どうしょうもなく寝たっきりに追い込まれた人は万全を尽くして擁護すべきだ。しかし、予防できる老いや病は全力で防ぐべきだ。介護をやった経験から、老人は死ぬまで寝たっきりにならない方が断然幸せだ。介護施設での恵まれた介護よりも、自分の足で歩き、自分の手で日常生活を送れる方が老人の満足度は断然高い。

もし、世の中の老人達がポックリ死ねるように健康維持に努めれば医療費が抑えられ、本当に医療が必要な人達が十分な恩恵を受けられることになる。だから、ポックリ死にたい老人たちを断固支持している。

体力維持の努力をすれば、寝たっきり期間は短くなる。母の介護ではそれを実行し、母は10日ほどの寝たっきりのあと静かに旅立って逝った。
欧米に寝たっきりが少ないのは、老いても体力が維持されているからだ。欧米人にできて日本人にできないのは、社会システムと個人の生活姿勢に大きな問題があるからだろう。

日本は世界一の長寿国だが実態は悲惨だ。それは失業率の低さを誇れないのと似ている。毎日、豪華な介護施設の傍らを散歩しているが、個室のベット脇にうつろな目で腰かけている老人たちを見るつど、その考えが深くなる。

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