高コレステロールを心配しながら、おせっかいを二つした。11年1月21日
19日のNHKためしてガッテン「本当に血管が若返る!コレステロール調節術」は、コレステロール値が高い私としては見逃せなかった。
番組で分かったのは、食物中のコレステロールの吸収率は大きな個人差があることだ。
その例で紹介していたあるアメリカ人は、長年、高コレステロール食品の卵を40個程を毎日食べていた。しかし、コレステロール値はまったく正常で、調べてみるとコレステロールをまったく吸収しない体質だった。
卵はコレステロール値を上げる説と上げない説が混在していて判断に迷う人は多い。私もどちらを信じて良いのか迷っていたが、これですっきり納得できた。私の場合は吸収しやすい体質のようだ。とすれば、食物中のコレステロールを吸着して排泄する働きがある酒粕はきわめて有効だった。
それはともかく、高コレステロールが引き起こす動脈硬化が心配だ。
母違いの姉二人は脳梗塞で倒れている。父も、脳梗塞と狭心症で一過性に倒れた。
血糖値が高めの私は血管が損傷を受けている可能性が高い。その上、家族性に動脈硬化のリスクが大きいので、動脈硬化検査のために東京北社会保険病院の内科を受診した。
内科診療では、すぐに目的の科を受診できない。まず、総合診療科で相談して適切な科へ回される。
総合診療科は予約なしで受診できた。
受診手続きをすますと、体温と血圧測定をするように指示された。受付前に自動血圧計が並んでいて、計り終えると数値がプントされて出て来る。
計っていると、隣に車椅子のおばあさんが来たので血圧計前の椅子をどかしてあげた。
おばあさんは小柄で、血圧計の位置が高過ぎ腕がくの字に曲がっている。
「それでは正確に測れませんね。尻の下に何か敷いたらいかがですか。」
押していた娘らしき人に言った。
「立てませんから・・・」
と、娘は不快そうに顔をしかめた。見れば分かるだろうと言いたいのだろうが、おばあさんの身のこなしは軽やかで、少しなら元気に歩けるおばあさんに見えた。
そのように親切は10回に1度くらいは、余計なおせっかいと受け取られる。でも、気にはしていない。小さな親切の積み重ねが無縁社会を解決すると信じているからだ。
30分ほどの待ち時間で診察を受けられた。担当医は若く気さくな人だった。
「ご心配される程ではないと思いますが。」
そのような診断だったが、家族の病歴を話すと、頸動脈の超音波診断の予約を取ってくれた。
そのあと採血と採尿をして受診は終わった。鼠径ヘルニア術後の再診日から3ヶ月以内だったので、特定療養費2,100円の付加金は生ぜず2500円だけですんだ。
姉たちとは子どもの頃から離れて暮らして来たので生活習慣は分からない。
父はヘビースモーカーで運動嫌いだったので、動脈硬化は当然だった。
動脈硬化の検査は来週。軽い硬化はあるかもしれないが、タバコは吸わず運動好きなので、さほど心配していない。
病院から赤羽駅前の商店街へ買い物へ行った。
果物と野菜の八百八の前を杖をついたおばあさんがノロノロ歩いていた。追い抜いて、その先の酒屋で赤ワインを買って引き返すと、先程のおばあさんはまだ八百八の前にいた。足が進まずなかなか前へ進めない。
「大丈夫ですか。」
おばあさんに声をかけると笑顔で見上げた。50メートルほど先にある病院に行く所だとハキハキ答えた。思っていたより顔色も良く元気そうだ。
「手伝いましょうか。」と言うと、一人で行けると嬉しそうに言った。
心配しながら別れ、振り返ると、歩くスピードが少し上がっていた。声をかけられて元気になったのかもしれない。
母は私がいたのでそのような思いはしなかったが、もし一人暮らしをしていたら、そのように歩いていたのだろう。そんなことを思うと切なくなった。
毎日、富士がよく見える。この30年間での見える日は最高記録らしい。
帰り、東京北社会保険病院下の公園の日溜まりで休んだ。
目の前でセキレイが餌探ししていた。
セキレイは街が好きで、人とうまく共生している。
最近、元気な頃の母を思い出すようになった。
死別後半年は終末期の母の姿ばかり思い出し、自分の無力さが辛かった。
朝から「中国はGDPで日本を抜き去って世界2位になった。」のニュースばかり。
20年前のバブルを経験して、日本は豊かさの意味をよく知っている。経済力は必要だが、それだけでは幸せになれない。
30年昔、日本がGDPで西ドイツを抜き世界2位になった時、殆どの日本人はドイツ人より自分たちが豊かだとは思わなかった。その時のドイツと日本の格差より、中国と日本の差は遥かに大きい。それは中国人自身が自覚していることだ。
意味のない世界一競争は新興国に任せ、日本は少子高齢化のモデル国家を粛々と進めるべきだ。
ちなみに、今の富裕層の数と総資産額は、中国、インド、韓国、台湾、東南アジア全部を合わせたより日本は大きい。その圧倒的な事実を知っている日本人は少ない。
そして更に、世界で圧倒的に富裕層が多いのはアメリカだ。
今、アメリカ人は自信をなくしつつあるが、未来では更に強大になると予想されている。
中国の躍進はあと10年で停滞し少子高齢化に突入して、日本より深刻な事態を招く。
中国首脳はその事実を知っているから、世界の資源の権益と外貨獲得になりふり構わず突き進んでいる。
真の意味で、世界が注目すべき国は中国ではなく日本だ。
日本が少子高齢化の国家モデルを構築できたら、世界の未来は明るくなる。
個人的には無趣味仕事人間が少子高齢化日本を救うと思っている。彼らは死ぬまで働くことを望む優れた労働力だ。政府はダメ出しばかりでなく、彼ら仕事人間の健康維持をはかるべきだ。もし、二人の若者と二人の仕事老人が、弱った老人たちを支えるシステムを構築できたら問題は一瞬で解決するはずだ。
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