2025年-未来予測への考察、世界を救うのは日本か。11年1月22日
様々な未来予測レポートで共通するのは、これから15年、世界の産業構造に大革命が起きることだ。
従来は程々に良いものを安く作れば生き残ることができた。しかし、これからは通用しない。ほどほどでは後発国に大胆な価格破壊を仕掛けられ、負けてしまうからだ。
日本企業は消耗戦に陥りやすい汎用品は捨てる覚悟が必要かもしれない。それでもこだわるなら、他を圧倒するデザインでソフトと連携したワクワクする魅力ある製品を作るしかない。その成功モデルがアップルのiシリーズだ。ソフトと連携すればキャッチアップは難しい。
幸い、日本には独自文化と職人技術の世界トップクラスの厚い蓄積がある。そのあだ花がガラパゴス化した携帯などだ。この異常なまでに機能を追求する日本人の性癖をうまくコントロールできる感性豊かな経営者が出現すれば、汎用品でも世界ヒットの製品が生まれるはずだ。
トップクラスの、技術力とデザインと伝統的な感性と教養を兼ね備えた国はそう多くはない。それらの分野なら新興国は容易に追いつくことはできない。日本は、それができる数少ない国の一つだ。
今、中国がGDPで日本を追い抜いて注目されているが栄枯盛衰は必然。貧富の格差はやがて暴発し、中国の30年後は深刻な事態を招いているだろう。
未来社会を破壊するのは中国、アメリカ、などの大国だ。胡錦涛国家主席とオバマ大統領の会談が悪巧みの相談に見えたのは、そのような闇の部分を感じたからだろう。
これから世界を救うのは米中ではなく、省エネルギーと少子高齢化の生き残りモデルを作り上げた日本だ。世界は日本の少子高齢化を揶揄してばかりだが、それを独自な個性として取り組めば評価は逆転する。今、真の意味で注目すべきは米中ではなく、人類史上始めて未知の領域に突入した日本だ。
日本には高齢化社会へ向けて積み上げた技術と文化がある。それらのシステム、技術、製品はいずれも世界初のものばかりだ。
例えば、介護ロボットの世界は、他国の追従を許さない。アンチエイジングにおいても、将来医療費増大の原因を作る糖尿病に対して、自分のランゲルハンス島を膜状に増殖させて体内に戻す究極の治療法が動物実験で成功している。他にも高齢化社会を救う技術は日本で次々と生まれている。
更に日本は、いずれ他国が辿ることになる孤独社会も実現しつつある。そのようなマイナス要素は、新しい文化と広範囲のビジネスチャンスを生みだすはずだ。
前回も書いたが、無趣味仕事人間が少子高齢化日本を救うと思っている。老いた彼らほど安く優れた労働力はない。年功序列がある日本では、定年は今までと同じに据え置き、新たに安い賃金で70歳くらいまで働いてもらえば良い。そうなれば、2人の若者と2人の仕事老人が力を合わせ1人の弱者を支えることができる。老人力と、オタク力と、ガラパゴス化が日本と世界を救うと信じている。
最後に日本を救うのは個々の人間力だ。語学力のない日本人が経済戦争で勝ち抜くのは、凡庸で教条的な政府のもとでは厳しい。しかし、繊細な感性と独自の個性なら世界トッブクラスの能力を持っている。だからこそ、優秀な中小企業が輩出し、これからの日本を支えてくれる。
未来から現実に戻る。
日本製品はガラパゴス化によって世界標準に乗り遅れ、国際競争で負けている。しかし、世界水準なら勝てると言うのだろうか。答えは否だ。世界標準の製品は新興国が参入しやすい分野で、すぐに激しい消耗戦に晒される。
日本企業が世界標準で打って出ても、すぐに新興国がキャッチアップして安い類似製品を投入し、消耗戦に負ける。今は、世界中どの国でも、技術と資本を容易に手に入れられる。国民に勤勉さと向上心さえあれば、どんな後進国でも世界標準の製品を作ることができる。
世界標準の製品は中国、韓国、その他の新興国に任せる他ないかもしれない。
シャープは中国国営企業と合弁で中国本土に第10世代液晶工場建設を決めた。それは中国が喉から手が出る程欲しがっていたハイテク工場だ。その合弁の結果、中国側への技術流出を危惧する専門家は多い。しかし、打って出なくてもシャープはじり貧に陥り、最終的に技術は只同然で流出する。
この移転でシャープは5,6年は確実に利益を上げ、中国での知名度が上がるだろう。その後、中国側に飲み込まれるとしても、この戦略は正解だったと思う。
同じことが、NECコンピューター部門と中国レノボの間で起きている。これからの推移はシャープの液晶工場とさして変わらないだろう。
今、日本はハイテク部品素材輸出で、周辺諸国から巨額の外貨を吸い上げている。周辺諸国が貿易黒字を増やす程に日本は利益を上げる構造だ。
しかし、近い将来、日本は営々として積み上げて来た技術の遺産に頼っては生き残れなくなるかもしれない。日本に留まれば経営悪化を重ね、虎の子の技術をただ同然で中国など他国に叩き売ることになる。二者択一を迫られて選んだのが確実に利益が上げられる海外移転なのだろう。
下写真、都営桐ヶ丘団地。
下写真、奥日光。
もやで霞んでいたいたので、画像処理をした。
朝日の土曜版で都市鉱山について面白い記事を見つけた。
日本の家庭の使わない電子機器などが含有する金は6800トン。それは今の相場で2.5兆円。
世界の埋蔵量に対する比率は、金16%、銀22%、銅8.1%、アンチモン19%、インジュウム16%、タンタル10%、と驚くべき数値だ。まさしく大都市鉱山と言える。
しかし、やっかいなのは分解と選り分けで。そのため中国へ安く輸出され人海戦術で分解され処理されている。
せっかくの希少金属をそのような形で失うのは実にもったいない。法制を整え、全家庭に回収容器を配り、携帯電話、電池など、希少金属を含む電子機器などを半強制的に回収する。
集めた資源ゴミは、とりあえず都市鉱床として集積しておいて解体技術を開発し、将来資源化すれば良い。
下写真、今日の夕日。
この空を見ながら、2.5キロ走った。気持ち良い。
緑道公園のロウバイ。
この花を見ると、春を感じる。
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