原発事故炉心冷却の新プランは高レベル汚染水を浄化して循環注水。11年4月12日
朝日夕刊の1面は「福島第一原発事故はチェルノブイリ並みのレベル7」。私はそれより2面の「炉心冷却プランを検討」の記事の方が何十倍も価値があると思っている。今更レベル7を自認したところで、国際的にはとっくの昔にレベル7が一人歩きしていてニュース価値はない。
今回の炉心冷却プランは前向きだ。これは現在注入し続けている冷却水を再循環させて外へ流さない究極の解決方法だ。事故以来、冷却水を注入させ続けているが、冷却水の行方について、いつも友人たちとの話題に上っていた。
実際の冷却水の流れは、注入した水は圧力容器の隙間から漏れ、最終的に高レベル汚染水は建屋内に溜まって海へ溢れ出ていた。本来は圧力容器も格納容器も気密性は高いが、度重なる爆発で、容器を貫通する無数の配管の接続部が緩み、各所から漏れ出ている状態だ。戦争映画の潜水艦のシーンで、攻撃を受けた艦内のパイプから海水が噴出するシーンがある。あれと似た状態と思えば分かりやすい。隙間があるから燃料棒と水が反応してできた水素ガスが建屋に漏れ出て水素爆発を起こした。
今回のプランでは溢れた高レベル汚水を外部に取り出し、海水か空冷かで冷却し、汚染物を除去して再度圧力容器へ戻して循環させる。圧力容器から漏れた冷却水は格納容器を満たした後外へ取り出される。圧力容器が破損している2号機については建屋が受け止め、それから外へ取り出す。この一連の冷却水の流れは実効性が極めて高い。
今、圧力容器の水素爆発を防ぐために窒素ガスが注入されているが、上記と同じ理由で水素ガスも隙間から外部へ漏れ出ている。ただ、一緒に微量の放射性物質も出ているので、漏れているとも漏れていないとも曖昧な表現にしているのだろう。
新聞紙上では米国案を受け入れて、とあったが、この程度のアイデアは私でも思いつき、先日ブログに記入した。私でも思いつく程度のアイデアなら、関係者の多くが考えていたはずだ。しかし、なぜか東電、関係政府機関は実行しなかった。今回、米国案を検討としたのは、関係者が万一失敗した時の逃げ道にしているのだろう。とは言え、原発事故発生以来、始めて実効性のあるプランを目にした。これでやっと希望が持てる気がする。
それにしても、海外メデアは移ろいやすい。始めは被災者たちの忍耐強さや礼儀正しさを賞賛していたが、今は日本バッシングの方が目立つようになった。それが散々核実験を繰り返した米露英仏中発だと極めて不愉快になる。核実験は意識的に汚染させたのに対し、原発事故は津波が原因だった。
しかし、今回の原発事故で政府や社会は少しは良くなるかもしれない。事故原因の一つは安全神話の妄信にあった。事故を予見する意見は過去に幾度も繰り返されて来たが、安全神話がネックになって、関係機関は真剣に検証したり対策したりはしなかった。今、その大失敗を痛切に思い知らされているのは東電関係者だろう。
直ちに原発全廃の意見があるが、現実には無理だ。今は応急対策をして早めに再開するしかない。私は冷房を使ったことがない。しかし、原発反対の知人は夏はクーラー漬けの生活をしている。国民がこの矛盾を改めないかぎり原発はなくならない。
先程も揺れたが、震度3くらいではほとんど感じなくなった。ニュースでも3以下は報道しない。震度5でも扱いは小さい。いかに今回の地震が巨大だつたかだろう。今年の世界10大ニュースのトップは東日本大震災で決まりだ。更に大災害が起きて、1位2位を日本が独占しないことを切に願っている。
今も被災地で肉親を探し続ける人がいる。その寂し気な後ろ姿を見ると、今年の言葉は「喪失」「哀」以外の言葉は見つからない。ふと、「寂しい」の反対語を考えてみたが、にぎやか、楽しい、と様々想い浮かぶが微妙に違う。明に対しての暗。善に対しての悪。そのような明快な答えは見つからない。もしかすると、「寂しさ」は人の本質そのものかもしれない。
東京北社会保険病院下の夜桜。
昨日の風で桜は散り始めた。去年の花期は春寒のおかげで長かったが、今年は1週間は保たなかった。
御諏訪神社下のダイコンの花の群落。
東京北社会保険病院下のツツジ。
緑道公園のカリンの花。
坂道を上っていると、70代のおじいさんが自転車から降りて、「もう力がないや。下りて押して行こう。」と大きな声で独り言を言った。
この気分はとてもよく分かる。私も母が死んでから独り言が増えた。今は桜や新緑を見上げながら、
「桜がきれいだ。」とか「新緑が気持ち良い。」などと、大きな声でつぶやいている。独り言でも声を出すと気分がいい。
15日にディズニーランドが再開。これで少しは世の中が明るくなるかもしれない。
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