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2011年7月 7日 (木)

菅総理が嫌われる訳と、官民マスコミあげての総包囲網。11年7月7日

私は菅総理の支持者ではない。しかし、分析オタクとしてこれを書かずにはいられない。

海江田蔵相は辞意を決意し、総理周辺から次々と人が去って行く。それだけではなく。官民マスコミ総てが小姑化し、菅総理のなすことやること箸の上げ下ろしまで罵声を浴びせ続けている。しかし、彼は辞める気配はない。どうやら、彼は日本政界史上始めて出現した異色の政治家のようだ。それは地盤も派閥も金もなく総理になった始めての総理だからだ。従来型の総理ならとっくの昔に潔く辞任して、政界での権力維持に努めるはずだ。しかし、何も残っていない彼は、政界が呆れる程に頑張り続ける。

世間での彼の評価は圧倒的に無能扱いだ。それは彼が頭が悪いからではなく、組織の使い方を知らないからだ。例えば、彼の官僚嫌いは徹底している。今回の大震災でも官僚から事態が官邸に伝わらず、官邸の指示も官僚に伝わらず悲惨な結果を招いた。まさしく、そこに彼の施策が悉く巧く行かない原因になっている。しかし、地位が法律で保証されている総理大臣に対して、国民は現状を基点として対応する他ない。

ひらめきで政策を決める事も嫌われる。鳩山元総理がおとなしく観察しているだけの宇宙人なら、菅総理は激しく国会を侵略したエリアンだ。だから、政界の約束事をことごとく破って顰蹙を買っている。しかし、従来型の根回しや裏取引をやらない彼は、ある意味で分かりやすい。そして、極端な現実主義者の彼は事態の変化に応じてコロコロと主張を変える。それも嫌われる理由だが、間違っていないなら目くじら立てるほどのことではない。

最近、彼を繰り返し非難する言葉で「唐突で許し難い。」が印象に強い。浜岡原発停止しかり。今回の原発のストレステストしかり。いずれも唐突だと非難の嵐だ。だが、その非難は論理的ではない。役人や関係議員にとっては、根回しなしで決められたら今までの努力が無駄にされ怒り心頭だろう。しかし、国民の安全に必要なら唐突もへったくれもない。もう一回、仕切り直してくれるのはありがたい。

わが国の政官界は、伝統的に一旦決めたら変えない悪弊がある。ダムや高速道路がその最たるものだ。工業用水や交通の需要がなくなっても方向転換せず、予算を垂れ流し続けて国家財政の破綻を招いている。
必要な変更なら唐突でもやるべきだ。玄海原発地元町長が「今までの我々の苦労を何と思っている。バカにするな。」と怒っていたが、民間ではそれくらいの企画変更は日常茶飯事だ。私は10ヶ月、あるいは8ヶ月かけて取材し書き上げた企画を2度没にされた。共に版元発の企画だったが、結局泣き寝入りしている。民間人として、町長や議員たちに「甘っちょろいことは言うな。」と言いたい。

先日の松本元復興相の暴言は同じ九州人B型として許し難く、顔から火が吹き出るほどの恥ずかしさを覚えた。遅れて入った知事に「長幼の序を知らないのか。」と叱責したのも言語道断で恥ずかしい。

しかし、「現場がまとめなければ予算はつけないぞ。」の脅し文句は別の見方をしている。
これを敬語がない英語に訳すると本意がはっきりする。
「現場が計画を立てなければ、予算は出さない。」松本復興相
「分かった。」知事。
と、松本元復興相は、現地のことは現地に任せると言っている。これは何の問題もない会話だ。むしろ、現地を知らない中央の役人が立案し現地へ押し付けていた今までより革新的だ。それについて、三陸の市町の首長も同じ事を言っていた。むしろ現地は、マスコミの策動に動かされず、したたかに彼を利用すべきだった。

菅総理は二次補正予算案、特例公債法案、再生可能エネルギー法案、この三案が通ったら辞めると言っている。予算、公債の二案はほぼ可決されるだろう。難関は再生可能エネルギー法案だ。

これが通れば電力自由化の嵐が吹き荒れ電力会社は大打撃を受ける。政界アナリストたちの受け売りだが、今、電力業界の息がかかった与野党議員は総力を挙げて阻止にかかっている。まず、菅総理を辞めさせ、再生可能エネルギー法案を骨抜きにして可決する腹づもりだ。しかし、菅総理はエイリアンで、従来の権謀術数は通用しない。彼は再生可能エネルギー法案はどんなことをしても可決させ、歴史に名を残そうとするだろう。

再生可能エネルギー法案対しては、まったく逆の考察もある。その前提の自然エネルギーの計算方法が大きく違うからだ。古いデータを参照する者は電気代が大幅に値上がりすると言うし、技術革新を信じる者は値上げ幅は小さいと言う。私は日本の技術力を信じているので、考えは後者に近い。

再生可能エネルギー法案になぜ経団連までも猛反発するのか。それは電力料金が上がり経営が悪化するだけでなく、電力会社は良いお得意様だからだ。サラリーマン社長が多い日本では、将来の展望より在任中の経営低迷を嫌う。しかし、日本の技術力なら再生可能エネルギー法案など短期間で達成し、日本の技術力が世界をリードするはずだ。

かって米国でマスキー法が通った時、米国自動車業界は実現不可能として猛反対した。しかし、ホンダが実現させて、以後、世界企業に躍進した。ケネディは月へ人を送ると言って実現させ、その開発の過程で米国は多くの先進技術を手にし世界トップの座を維持した。

再生可能エネルギー法案の可決はそれに匹敵するくらい大きなことだ。既に原発事故以来、世界規模で再生可能エネルギーの開発競争にが起きている。もし、骨抜きにされたら、我が国は取り残され未来を失うことになるただろう。

かように、官民マスコミ、総てが同じ事を言っている時は裏がある。国民は戯れにでも一度は疑って見るべきだ。政界や国民にとって、彼は道の真ん中に顔を出している大きな石みたいなものだ。それが簡単に取り除けないのなら利用方法を考えたら良い。それが国民のしたたかな対応だと思う。

M_

予報は外れ、午後から日射しが戻った。写真は浮間方面。

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