円高メリットを生かして日本を豊かに。11年9月24日
円高は欧州の経済危機以来、更に進行しそうな気配だ。その結果、国内製造業の海外移転が加速している。それは国内の産業空洞化を招き失業者を増やす、と国民を不安に陥れている。しかし、国民が意識していない事実がある。それはドルベースで日本の資産が5年間に50%も増えたことだ。それは努力した訳ではなく、円買いによってドルが大量に日本へ流入した結果だ。その計算をあてはめると、年収400万が5年で600万になったことになる。
しかし、日本はその利益を的確に活用しているとは思えない。増えた資産でやるべきことは、海外企業の買収。鉱物、エネルギー資源の購入などだ。将来に備え、鉄鉱石などを大量に買って維持費の安い現地に山積みして置く。石油や天然ガスの備蓄基地を国内に大量建設にして備える。小麦、大豆、トウモロコシを先物買いしておく。そのように円買いでぬれ手に粟に流入したドルをせっせと使えば、結果的に円安は誘導される。
それでも、円高に伴う国内産業の空洞化は先進国の宿命で止めようがない。米国などは、今ではテレビもメモリーも国内では殆ど作っていない。日本も米国同様に、独自な高技能職種で生き残る他ないようだ。私は職人仕事で25年生活して来た。その経験で、日本人の職人気質は図抜けたものがあると思っている。もし巧く先端産業とコラボさせることができたら、他国の追従を許さない製品が生まれるはずだ。
たとえば、ダヴィンチと言う手術用のロボットアームがある。正確には内視鏡手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」米国インテュイティブ・サージカル社製で、三次元画像を覗きながら人の手よりはるかに高度な精度で血管縫合まで出来る世界のヒット製品だ。
もし、同じものを国内の中小企業の製品を寄せ集めて作ったらその10倍の精度が可能だと言う。哀しいかな、それを阻んでいるのは日本の法制度と、医療と機械工業共に精通した指揮者の欠如だ。これは、政府のやる気のなさに起因している。日本の技術と円高メリットを生かして再浮上できないのは国家戦略のなさだ。
日本はノーベル賞候補が国内に数十人はいるほど人材は豊富だ。先端技術の開発も活発だ。
それに関連して、大変興味深い科学記事があった。光吸収100倍の太陽電池を岡山大大学院自然科学研究科の池田直教授のチームが開発した。その太陽電池は生活排熱で発電も可能、とあった。それは酸化鉄化合物「グリーンフェライト」を金属板に吹き付けた試作品で、光の吸収率が従来のシリコン製の100倍だと言う。この太陽電池はこれまで利用できなかった赤外線でも発電可能だ。赤外線は熱を持つもの総てから出ていて、太陽光以外に、工場廃熱、台所のコンロの廃熱、エアコンの排熱と、多彩に発電できる。
その実用化は2年後あたりだ。製法は簡単で、粉末状の「グリーンフェライト」を土台の金属に薄く塗るだけでできる。1キロワットの太陽電池を作るコストは約千円。約100万円かかる従来のシリコン製に比べて1000分の1と大幅に安い。パネル状になっている従来型では難しい曲げ伸ばしができ、煙突や電柱に巻き付けるなどと、設置場所は幅広い。
23日の夕空。
紫色が美しい。
24日の朝。妙義方面。今日は涼しく山は霜が降りただろう。
先日の台風被害。
住まい入り口の柳。
この柳が見えると、車椅子散歩の帰り、母は家が近いと喜んでいた。
緑道公園のポプラの枝。
高い所から落ちたので、相当の破壊力だ。
人の被害がなくて良かった。
赤羽自然観察公園入り口の桜。
今日いくと、生き残った幹もろとも撤去してあった。
見ていた人によると、ドラック5台で作業に来たようだ。
大型トラック一台でも十分できる作業だが、公園課は何とかして業者を儲けさせたいようだ。
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