放射線被曝、除染、治療、関係ニュース四つ。11年9月29日
東京慈恵会医科大学臨床医学研究所の並木禎尚講師らが、海水、血液などの液体成分から放射性セシウムを瞬時に取り除く技術を発表した。
それは直径70〜80ナノメートルの磁性微粒子にセシウム吸着材 のプルシアンブルーやゼオライト をくっつけたものだ。この微粒子をセシウムの溶けた海水に混ぜて磁石を近づけると、セシウムを吸着した微粒子が集まり99.9%のセシウムを短時間で回収できる。牛乳、牛の血清にセシウムを入れた場合の回収率も同様だ。従来のゼオライト粉末などによる吸着は沈殿を待つために数時間かかる。海水や被曝した人の血液からの回収装置として有効利用できる。
もう一つは、福岡大学薬学部の高田二郎教授たちの研究。その薬は放射線被曝後に飲んだり注射したりすることで、被曝の被害を減らすことができる。
30日後にほとんどが死ぬレベルのX線をマウス全身に照射する実験では、ビタミンEの前駆物質であるこの薬を使えば、高レベル被曝1時間後投与で90%、10時間後投与で75%、24時間後投与で40%が生き続けた。
この薬は長期間保存が可能だ。米国もこうした薬を研究中で、FDA(食品医薬品局)は、人への安全性と動物への効果を確認すれば、臨床試験抜きで承認する方針を決めている。しかし、日本の厚生労働省の現行基準では人への効果確認が必要なため日本での製品化は不可能だ。高田教授は「緊急性がある日本では、ぜひ米国基準を採用してほしい」と訴えている。
すぐに応用できるものとして、生乳などに含まれるラクトフェリンに被曝被害を緩和する働きがあるようだ。放射線照射後、ラクトフェリンを含まないエサを与えたマウスの生存率は62%。対して、ラクトフェリンを含むエサを与えたマウスは生存率は85%と高い。放射線防護作用のメカニズムは解明されていないが、ラクトフェリンに含まれる鉄成分が関与しているようだ。
マウス実験で使った高被曝を受けた原発作業員などには一定の有用性がありそうだ。一方、土壌などから出る低線量での実験は長い期間が必要なので結果の確認はまだ先になる。
ラクトフェリンは乳製品全般に含まれている副作用の少ない一般的な健康食品成分だ。森永乳業やライオンからは錠剤タイプのサプリメントが販売されている。母乳にも多く含まれている成分で、大量摂取しない限り人体に大きな害は低い。
29日朝日朝刊に、国際放射線防護委員会 (ICRP) イワノフ副所長による福島県民の発ガンリスクのシミュレーションが発表されていた。
1〜10ミリシーベルトを年間に受けると推定される該当人口 292000人。
被曝によって発生するガンは150人 高まるガンリスク0.2%。
10〜16ミリシーベルト該当人口43000人 がん発症39人 リスクの増加0.3%
16〜50ミリシーベルト該当人口21100人 がん発症48人 リスクの増加0.7%
50〜100ミリシーベルト該当人口3100人 がん発症16人 リスクの増加1.5%
100〜500ミリシーベルト該当人口2200人 がん発症45人 リスクの増加5.6%
詳細に県民を調べた訳ではないので参考程度のものだ。50ミリシーベルト以上の被曝5400人は原発事故周辺の作業員や関係者だろう。シミュレーションしたイワノフ副所長は「一般県民の被曝のリスクは喫煙よりずっと低いので、心配しすぎないように。」と言っている。
新河岸川上流夕景。手前中央は赤羽中央病院。
川向こうのライフへ向かう道。左上は新幹線と埼京線の高架。昔はこの通りの左右に工場が並んでいた。
近所で見つけた。
午後3時に開花するので三時草(サンジソウ)と言う。
昨日のお昼前はつぼんでいた。
今日は3時かっきりに通ったら開花していた。
商店街を行く喪服の一団。
「すっかり様変わりだ・・飲み屋ばかりになったな・・」
などと会話が聞こえた。
赤羽はお寺の町だ。
このような光景によく出会う。
これから、法事後の精進落しに行くのだろう。
夕暮れの 流しに林檎一つ置く
以前は母と二人分の食事を作っていたが、今は一人分だ。
最近、ようやくそれに慣れた。
最新統計では一人暮らし世帯が30%強で、家族世帯を上回った。
老いた母と私は食べるものが違っていた。
だから、単純に二人分ではなく、二種類の食事を作っていた。
そのような配慮で、母は長生きできたと思っている。
終戦直後「赤いリンゴに唇寄せて♪ リンゴの唄 -並木路子」のヒット曲が子供心に強く残っている。
あの焼け野原から立ち上がろうとする高揚感のように、心の荒野から立ち上がりたい願望をリンゴに込めていたのかもしれない。
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