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2011年10月14日 (金)

TPP-環太平洋経済連携協定の功罪と危惧。11年10月14日

TPP参加協議が11月に迫って来た。 FTAについては、2カ国間あるいは複数カ国間での関税撤廃、数量制限などの貿易障壁を取り除く協定と分かりやすい。しかし、TPPはAPEC加盟国間での関税撤廃を目指す協定くらいの理解で内容が難しい。政治家もマスコミもその詳細な内容と功罪について本当に分かっていないくらいだ。

功罪から検証すると、経産省はTPP参加を見送った場合、既にFTAを含めて参加が明白な韓国との競争に負け、最悪、GDP減少10.5兆円。失われる雇用81.2万人と試算している。しかし、利益の方は不明確だ。企業利益は確実に増えるが、それが国民の利益に繋がるとはかぎらない。たとえば、日本の企業家たちの多くは、円高で日本人を雇用していては国際競争に勝てないと考えている。注視すべきは自由化に労働力も含まれていることだ。協定が発効すれば、東南アジアなどから研修生名目で大量の安価な労働力が流入して、日本人の雇用は失われることになる。

貿易自由化において米国の動向は重要だ。自由化によって米国と韓国財閥の得る利益は大きい。
韓国の実情は日本とは違う。韓国は財閥に支配された国家で、国民全体の幸せを目指していない。協定が発効すれば韓国農業は衰退し貧富の格差は広がるだろう。韓国政府は巨額な農業支援を確約しているが、農業は工業のように投資効果は期待できない。

李明博韓国大統領は自由化によって国外の企業進出が増え、雇用が確保されると言っている。しかし、国際収支が良くなれば韓国ウオンと人件費が高騰する。そうなれば海外から安い労働力が流入して韓国国民の正規労働者は減らされる。TPPには無関係だが、もしかすると韓国財閥は北朝鮮の安価な労働力を計算しているのかもしれない。より安い労働力を輸入できる気分が醸成されれば必然的にそのような流れになる。

この協定は圧倒的な農業生産力を持ち、工業生産物においてもかっての覇権を狙っている米国の思惑で動いていると考えるべきだ。今回、協定により米韓が親密になったことを危惧する報道が多いが、工業製品の競争では日本より韓国の方が組し易しと米国が考えているだけのことだ。米国は自国の利益を減らす政策はしない。それは韓国政府も同じで、財閥の利益を減らすことはしない。いずれにしても米韓関係は日本の参考にならず、独自路線を取る他ない。

米国はしたたかで他国の生存権など考えていない。かって小泉政権の頃、米国の対日要望によって派遣労働法を製造業にまで拡大した。その結果、正規社員が極端に減少して貧富の格差が広がり、社会問題を引き起こしている。

米倉経団連会長はTPP推進すれば国内産業の空洞化を止められると言っているが、本心は安い外国人労働者の確保だろう。アジアで日本が突出していたのは昔話で、今は汎用品の殆どは高コストで競争力を失い、電機メーカーの殆どは、すでに自由化と円高対策のために海外移転をしてTPPとは無関係になっている。

もっとも危険なのは安い米国産穀物の流入によって我が国が食料自給力を失うことだ。それでも、米国が未来永劫、農産物の大量生産が可能ならいいがそれはありえない。米国農業の多くは地下深くにある化石水に頼っている。化石水はいずれ枯渇する。更に天候不順で、かっての大豆と同じ禁輸措置は必ず起こる。その時、日本農業が崩壊していたら、深刻な食糧難に見舞われることになる。農業は人から人への技術の伝承で支えられて来た、一度途絶えると再生は極めて困難になる。

命を支える食物と工業製品を同列に考えるのは我が国にとっても世界にとっても極めて危険な考えだ。世界人口はこれから急増し食料は減産する。これからますます各国の食料自給は重要になる。
今でさえ、日本は長年の誤った政策によって農業は崩壊寸前だ。現在、農業従事者の平均年齢は70歳に近づいている。それなのに、農業を会社組織にして大規模農業をしようとしても規制の壁があってままならない。今のまま農業改革をしなかったら、自由貿易を受け入れなくても日本農業は何れ破滅する。

貿易自由化について財閥重視の韓国と日本を同列に考えてはならない。今、食料輸出余力のあるのは、米国、カナダ、オーストラリアに南米くらいだ。天変地異による不作は総て同じで、非常時になればどの国も自国民を優先する。日本は一時の豊かさより、安定した生活を目的にすべきだ。

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東京北社会保険病院下の公園近所の老人達がこの手摺でリハビリをする。母も最期の頃はここでさせていた。

 リハビリの 手摺冷たき秋の風

最近、いつも歩行リハビリをしていた中年男性に出会わない。体格の良い人だが、頸椎を痛めたと話していた。彼のことを気にしながら手摺に触れると、思った以上に冷やりとした。

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 母逝きて 小さき鍋で昆布煮る

母は奥の大鍋で煮ていたが、私は人に少量分けるだけなので、小さな鍋に変えた。昨夜、NHK「ためしてがってん」で昆布の旨味を増す方法をやっていた。それで思い出し、散歩帰りに昆布を買った。

私は塩分を控えているので、人にやるだけで殆ど食べない。写真を眺めていて、奥に汚れた釜があるのに気づいた。これは物資不足の終戦直後、母が買ったアルミ鋳物の五合釜だ。母は長年、少量ご飯を炊くのに重宝していた。 母の死後、持ち物の殆どは処分したが、母の思いがこもったこの釜は捨てられず、無意識にここに置いたようだ。

当たり前過ぎると、かえつて気づかない。昨夜も、あの釜は捨てたのかな、と考えていたところだった。

 空と草 楽しき昼寝ネコの家

東京北社会保険病院下
この子はこの辺りをテリトリーにしている。強い子なので近づいても逃げない。

東京北社会保険病院庭
後から入って来たセイタカアワダチソウが花の数で圧勝している。パンパスススキたちは、「困ったな」と相談しているように見えた。

この手の外来種はパイオニア植物と呼ばれ、荒れ地に最初に生えて土地を肥沃にする。肥沃になると日本の在来種に生存競争で負けて駆逐される。だから最近では、花粉症以外では騒がなくなった。

 路傍でも 和気あいあいと草家族

八幡神社石垣下の路傍。湧水がいつも流れている。小ちゃな草たちが集まって、小さな家族を作っていて、みんなと一緒だから貧しくても平気、って言っているようで、とても和む。


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