クリスマスバージョンの東京ディズニーシーはほろ苦く終わった。11年11月19日
一日激しい雨だった。スニーカーにたっぷり防水剤をかけて散歩に出たが、靴下まで雨水が染みてしまった。長靴は先日捨てたので、必要な場合は登山靴を履くことにしている。底が頑丈で長靴より瓦礫に強い。食品も、保存食を1週間分備えた。震災以来、非常時を常に念頭に置くようになった。
雨に霞む東京メガシティー。
駅前でインスタントクジをおみくじ代わりに、千円で5枚買った。内1枚が5等で5百円の当たり。10枚買えば必ず6等の2百円が当たることになっているが、5枚では当たりなしもある。その確率では中吉といったところか・・・
帰宅すると母を献体した日医大から遺骨の返還日の通知が来ていた。遺骨が帰って来るのは来年の11月だ。あと1年で生活を建て直し、母の埋葬ができる資金を作りたい。姉に母のことを知らせると「お寺のことを何とかしなさい。」と言った。「まず、自分の生活維持が第一だ。その上で余裕があったらきちんとする。」と答えたが、姉は不満気だった。
母と姉は親子でも性格はまるで違う。姉は凡庸で世間並みの考えしか出来ない。私と母は性格が似ていて、世間のことは気にしない。姉は子供がいるが、末っ子で独り身の私は、死ねば無縁仏になる公算は大きい。まず、世間に迷惑をかけないで生きて行くことが第一で、そのあとに余裕があれば、母を永代供養するつもりでいる。
いよいよ人生の終盤に入った。中途半端に止めているシリーズ絵が数多くあるので、今回できた資金でそれらを完成させるつもりだ。少なくとも2シリーズは完成できる。今回は、それらの集大成をする最期のチャンスだ。そんなことを人に話すと、あと50年は大丈夫だろうと言う。それは大きな誤解で、8年間の母の介護で、体はボロボロに壊れていて、数年後、仕事に必要な体力を失うことはあり得る。だから、1日1日を刻むように生きている。
17日はディズニーシーへ行った。これは仕事をする前の儀式で、バカバカしいことをするとやる気が増す。
17日朝、6時に目覚めると美しい富士が見えた。
午後、写真撮りへ出た。今年の紅葉は遅れていて、良い被写体がない。東京湾の夜景撮りに急遽予定を変えたが、途中、知人に会って、話し込んでいるうちに日が暮れてしまった。それで、急遽、クリスマスバージョンのディズニーシー行きに予定を変えた。
舞浜からのモノレールは空いていたが、正門前は6時からの夜間割引の客が長蛇の列を作っていた。
最初に入ったのはシンドバット・ストーリーブック・ヴォヤッジ。内容は知らなかったが待ち時間なしなので何となく入った。これはランドのイッツア・スモール・ザ・ワールドみたいなお子様向きで、失敗だった。
今回、一人客は優遇されると始めて知った。
次に人気アトラクションのレイジングスピリッツに並ぶと一人用の列に案内された。
1時間待ちの長い列を傍目にグングン進んで行くと、5,6人が並んでいるだけだ。1車両あたり1席が一人客のために用意されていて、一人客同士の相席になる。
5分待ちで乗ることができた。私との相席はとても可愛い子だった。しかし、360度回転が加わるジェットコースターに目が回り、下車すると話しかける気力は失せていた。以前は、ランドのビックサンダーマウンテンを10回連続で乗っても楽しかったのに、体の衰えを感じた。
メインの水上ショーのファンタズミックが始まるまで30分ほど間があったので、園内一周の蒸気船乗り場へ行った。
最終便が出る前で、急いで行列に並んだが何となく様子がおかしい。その内、行列の間に見えていた蒸気船は出航してしまった。どうやら、並んだのは乗り場ではなくキャラクターと並んで写真を撮るコーナーだった。そんな気はないのですぐに出た。
がっかりして、水上ショーへ行くと、5分程で始まった。
しかし、ショーのファンタズミックの大音量は私にはうるさ過ぎる。ランドのエレクトリカルパレードの音は実に心地良いが、こちらはまるで違う。のんびりしたアコースティックとハードロック程の差だ。早々に退散して豪華客船コロンビア号へ食事に向かった。
それまで、園内至る所に美味しそうな香りが漂っていて無性に腹が減っていた。
コロンビア号2階のバーに入り、飲み物より先に2950円のサーロインステーキを頼んだ。随分待たされて出たステーキは冷めていて宴会の残り物を食べている感じだ。それでも、空腹に任せて一気に食べ終えた。
しかし、釈然としない。どんな場末でもステーキは熱々が出て来る。食後に飲む気は失せて、レジで支払いながら冷めていた事を告げた。すると、すぐにマネージャーが飛んで来て平謝りに謝った。私は謝罪はどうでも良かった。ジェットコースターで目が回った辺りからつきが落ちている。遊びはつきが落ちたらさっさと撤退するのが良い。適当に受け答えしてさっさと帰路に着いた。
灯台はコロンビア号の行く手のイミテーション。良く出来ているので撮った。
ディズニーシーには殆ど期待していなかったので、ダメージはなかった。
帰りの京葉線で私はぼんやりドア前に立っていた。前の座席にミニスカートの女子高生が足を組んで腰かけている。反対側座席にはくたびれた大江健三郎みたいな中年サラリーマン。彼は無精髭をしごきながら、チラチラと女子高生のスカートの中を見ようとしていた。そのいじましさを眺めている内に東京駅に着いた。
やはり、私はランドの方が楽しい。開園以来、30回以上行っていて、沢山の思い出がある。もう一度、クリスマスシーズン中にランドへ行くつもりだ。あと、鎌倉へ行き横浜で食事して遊びは終わりにする。
| 固定リンク
「心と体」カテゴリの記事
- コロナ陽性となって起きる不都合と差別。Go Toトラベルの見直しは非科学的。令和2年11月22日(2020.11.22)
- 新型コロナは蔓延しないと終わらない。終息を急ぐあまり、自殺者とシャッター通りを残す愚策は止めてほしい。令和2年11月14日(2020.11.14)
- 上手な嘘と嘘の見抜き方で、営業・企画・宣伝力強化。冷和2年10月29日(2020.10.29)
- 報道の変化に新型コロナ終息が見えた。人口激増に備えての昆虫食。令和2年10月19日(2020.10.19)
- 今日は10回目の母の命日。令和2年7月1日(2020.07.01)