27日日曜日の黄昏時、クリスマス飾りの銀座へ出た。11年11月27日
仕事に熱中して、ブログ記入を忘れていた。
今日はカレンダーを買いに八重洲ブックセンターへ行った。赤羽の本屋でも売っているが、銀座のクリスマス飾りをついでに見たかったからだ。
東京駅で下車した。日曜の東京駅は大混雑だった。南北新幹線の起点になってから、東京駅は地方色が濃くなった。北国の旅行者は冬支度で、西日本の人は軽装ですぐに分かる。
八重洲の長距離バス発着場を経てブックセンターへ向かった。長距離バス乗り場は土日を東京で過ごした若い二人連れが目立つ。遊び疲れた顔に若さを感じた。
本屋へは、パソコンを始めてから行く機会が減った。本の役割も格段に減った。百科事典など、新しい分野では殆ど役立たない。例えばデジカメを10年前の百科事典で検索すると、500万画素が最上位の機種で、今の携帯より低機能だ。スマートホーンに至ってはSFの世界だ。
カレンダー売り場へ行く途中、野草図鑑のポケット判を買った。東京近辺の身近な草花を取り上げてあり、大変使いやすい。これは散歩用のリュックに入れておくつもりだ。
メモが入れられるシンプルなカレンダーを買って銀座へ歩いた。午後4時なのに薄暗い。黄昏にクリスマス飾りが映えて美しい。歩行者天国の銀座通りをのんびり歩いて有楽町駅へ向かった。さすがに銀座は美人率が高い。スタイルにセンスと三拍子揃った、振り返る程のいい女に10人は出会った。いい気分で有楽町駅から京浜東北線に乗って真っすぐ帰った。
王子を過ぎると家が近いと安堵感を感じる。十条には10年前まで知人がいて、東十条駅でよく下車して遊びに行っていた。知人の家へは陸橋上の改札口から山上の商店街へ向かう。そのころ、その坂道の喫茶店前にインコの鳥かごが置いてあった。緑色の大型インコでグクーとかガーガーとか喋らないが哲学的な風貌が好きだった。インコは大変長命で40年以上は元気で、出会うといつもほっとしていた。やがてそのインコを見かけなくなった。そして、知人は老人施設に入って数年後に亡くなった。それ以来、東十条で下車することはなくなった。
赤羽駅で下車して北赤羽の家まで歩いた。帰ってから、貰い物のカレンダーを作り替えて母の部屋へ飾った。母はカレンダーが好きだった。老いてからは殊に、残る月日が気になっていたいようだ。買って来たカレンダーに来年の病院へ行く日と、新しく契約したインターネットの無料期間が終わる日を記入した。このネットは役立ちそうにないので無料期間内に解約する予定だ。
今も、母との死別による喪失感が消えない。普通の生活をしている人たちは、老親の死をごく自然に受け入れているが、私はそうはいかない。その一番の原因は母がただ一人の家族だったからだ。兄と姉はいるが家族とは言い難い。むしろ親しい他人の方が家族に思えることがあるくらいだ。それでも最近、少しずつ母がいないことを受け入れている時間が長くなった。
私はこれからも一定期間生き続ける。生き続けるからには幸せでいたい。しかし、幸せは自分一人だけでは味わえない。人は誰かのために何かをすることで幸せを感じるようだ。
10時から、NHKスペシャル、原発危機「安全神話-当事者が語る事故の深層」を見た。すでに分かっている事ばかりで目新しいことはなかった。簡単にまとめると、関係者たちが始めに絶対安全の結論を出した。それから強引に安全神話を作り上げたために原発事故が起きた。その体質は今も変わらず、番組中で関係者たちは事故を他人事のように語っていた。彼らは深刻に後悔していない。それどころか、このような大事故はしばらくは起きない、と第二の安全神話が醸成され始めているようだ。
むしろ、裏番組のETV特集「海のホットスポットを追う」ほうが重い。番組で調査船が福島第一原発沖で網を入れていたが、いつも漁船が操業していた豊穣の海に船影がまったくないのが、近未来映画の一シーンのように不気味だった。
先日の朝日朝刊に低被曝症候群についての記事があった。それは、鼻血が出る、疲れやすい、と様々な症状が出る。低被曝の場合、症状が出るには数十年かかり、事故後半年で発症するとは考えにくい。原因は他に求めるのが合理的なのだが、彼らは放射線の所為にしないと気が済まない。病因を始めに放射線と決めつけ、それ以外を拒否するかたくなさを感じた。
取材されていた女性は沖縄に避難して始めてマスクを外してすっきりしたと語っていた。彼女一家が猛暑の夏も暑いマスクを装着して過ごしていたとはきわめて異常だ。幾度も記入しているが、ブラジル・ガラパリ・10ミリシーベルト/年、インド・ケララ・5〜10ミリシーベルト/年、中国・陽江・6ミリシーベルト/年、アメリカ・デンバー・4ミリシーベルト/年。その女性が暮らした地域の線量はそれらより低い。
先日、フジ大塚キャスター白血病の原因は放射能説が流れた。こちらも半年くらいの被曝で発ガンするはずがないので合理的ではない。放送関係に白血病が多いのは日常的に強い電波に晒されているから、との説があるが、こちらの方が説得力がある。
土曜日に東京北社会保険病院の眼科へ緑内障の定期検診に行った。眼圧は左右共に16で安定していて問題なし。診察後、6階病棟に上がってラウンジから東京メガシティーを撮った。
窓の秋 遠く眺めて患者老い
次の検診日は2月26日で、今日買って来た来年のカレンダーにメモを入れておいた。
御諏訪神社への坂道。
電柱と電線がなかったら、とても良い風景なのだが残念。
写真を撮っていると「何撮っているの。」と小学生の女の子たちに声をかけられた。そちらへカメラを向けるとうれしそうにポーズをとった。母との死別以来、そんな、ちょっとした交流が楽しくなった。
病院の後、赤羽自然観察公園へ向かった。
写真は緑道公園の終点。この向こうに自然公園がある。まだ4時前なのに寂しいくらい日が暮れるのが早い。
毎日、母の車椅子を押していた道なので、ふいに母の姿が蘇る。
赤羽自然観察公園秋景色。
ムクの実の 甘味懐かし故郷の山
赤羽自然観察公園の季節外れのノイバラの花。
更に時間が経つと、白い花弁に血のように赤い筋が滲む。
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