韓中漁業の経済水域での争いの根源。11年12月17日
英国で漢字が流行、のニュースを見た。漢字ロゴの入ったTシャツなどを、日本語はクールだと若者たちが身につけている。相変わらず奇妙な直訳の漢字だが、漢字の本家中国の心情は複雑だろう。漢字は中国伝来でカナ・ヒラガナも漢字を変化させたものだ。それを日本人は、世界で日本文化と思われる程に高めた。もっとも、本家中国の現代政治用語、科学用語などは江戸末期から明治にかけて日本で造語された言葉が多く、現代漢字は日中の合作と言って良い。
それに関連して、中国若者たちのサイトが興味深かった。それは終戦直後の日本の写真に対する彼らの反応を訳したものだ。
「これは昔の中国の光景ではないか。」と言っている若者がいたが、そう思う気持ちはよく分かる。当時は今よりも漢字が街に溢れ、それも中日共通の旧字体で、私でも、一瞬、昔の中国ではと思うくらいの光景だった。若者たちの会話は反日にはほど遠い好意的なものだった。例えば、「敗戦直後なのに日本人の表情が穏やかで、街にはゴミ一つ落ちていなくて清潔だ。」「日本人は復興意欲に溢れ、道徳的な強靭な国民だ。我々は見習わなくてはならない。」などと締めくくっていた。それは今回の大震災直後の国民秩序や、短期間で復旧させた高速道網などに影響されての感情かもしれない。
彼らが好意を見せた根底に漢字を取り入れている日本語があるのかもしれない。調査すると日本語の多くが漢語由来で、互いの発音の変化を知れば習得は容易だ。基本的に中国若者の反日感情は強い。しかし、日本が中国起源の文化を大切にしていることもよく知られている。日本人なら誰でも、杜甫の国破れて山河在り城春にして草木深しなど、漢詩の一つ二つは知っている。寺社建築も中国由来だ。中国美術品も数多く流入して博物館に所蔵されている。憎悪の対象だった旧日本陸軍も靖国も、そのバックボーンに中国起源の思想が含まれている。大陸で戦った方に聞いたことだが、中国の庶民は日本軍を中国の一部の国の軍隊と思っている者が多くいたようだ。今と違い中国には共通語がなく軍閥が各地に割拠していた。しかも日本兵は漢字を使い、漢字表記を理解していたので、言葉は通じなくても、そのように思ったのだろう。
言葉や文化はとても大切なものだ。共通した文化の果たしている役割は、様々な交流よりより遥かに大きく有効なのかもしれない。
テーマに戻ると、韓中の漁業衝突は象徴的な事件だった。サイトでも現実でも互いに激高し争いは静まりそうにない。その根底に中国の強引さと、韓国の韓民族優越主義の衝突がある。韓民族優越主義には韓国の大新聞から政治家まで染まっていて、李白や孫悟空が朝鮮人だとか、中国文明は朝鮮文明起源だとか、世界中で主張されては中国の反感は収まりにくいだろう。
ちなみに、韓民族優越主義は日本に対しては更に激烈で、日本文化の総てが朝鮮起源で、最近ではワシントンのソメイヨシノまで韓国起源にされている。日本はそれらを妄言として軽くあしらっているが、中華思想の本家には許せないことだ。
--ソメイヨシノについては遺伝子で科学的に否定されている。日本文化は縄文期に独自の発展を遂げていた。中国文化はそれを補強するようにが東シナ海ルートや韓国ルートで入って来た。さらに、西欧文化も太く流入している。
今回の韓中の争いの根底に、韓国が漢字を捨てハングル一辺倒にしてしまったことも中国の嫌韓意識を高めているかもしれない。私見だが、韓国が漢字を捨てたのは早まった気がする。漢字は表意文字で機能的に優れている。もし、今書いている文を漢字抜きで表現するとなると、とても冗長で分かりにくくなる。
日本は韓流ブームで、どこへ行ってもハングルを目にする。韓国はハングルを世界標準を目指している。日本人は外来のものに大らかだが、中華思想の強い中国人が同じ事をされたら反発しそうだ。
韓中の争いで、中国人が韓国旗に小便をかけている動画が配信されたことに韓国人が激高していた。日本国旗は韓中両国民にいつも踏みつけられ焼かれ糞便をかけられているが、日本人は無視して大人の対応をしている。そのあたりの心情は、世界一国旗を侮辱されているアメリカ国民に近いだろう。ちなみに、日本では他国の国旗を侮辱したら罰せられる。もっとも、そのような法律がなくても、日本人は他国の国旗を侮辱することはしない。
赤羽自然観察公園の夕暮れ。
老い知りて 穏やかなりし秋の夕
赤羽自然観察公園の紫式部はまだ落ちない。
冬の彼岸花
花が終わり、木々の葉が落ちて地面に陽光が届くようになると、葉を茂らせる。
ビロードモウズイカのロゼッタ
柔らかい産毛に包まれていてネコの耳のように可愛い。若い葉はハーブに使われる。
赤羽自然観察公園。隣接して、ワタミの老人介護施設が建てられた。高額の賃貸料を稼いでる地主は、資産が減らないかいつも心配している。
都営桐ヶ丘団地の商店街。明るいジングルベルに惹かれて立ち寄ると、夕暮れの書き入れ時なのにこの寂しさだ。20年前のこの時間は、人で溢れていた。
| 固定リンク
« 戦艦大和探照灯で太陽光を集束し、再生可能エネルギー用のマグネシウム精錬。11年12月14日 | トップページ | 年末の事はクリスマス前に済ませて、のんびり正月を迎えるつもりだ。11年12月21日 »
「心と体」カテゴリの記事
- コロナ陽性となって起きる不都合と差別。Go Toトラベルの見直しは非科学的。令和2年11月22日(2020.11.22)
- 新型コロナは蔓延しないと終わらない。終息を急ぐあまり、自殺者とシャッター通りを残す愚策は止めてほしい。令和2年11月14日(2020.11.14)
- 上手な嘘と嘘の見抜き方で、営業・企画・宣伝力強化。冷和2年10月29日(2020.10.29)
- 報道の変化に新型コロナ終息が見えた。人口激増に備えての昆虫食。令和2年10月19日(2020.10.19)
- 今日は10回目の母の命日。令和2年7月1日(2020.07.01)