年末の事はクリスマス前に済ませて、のんびり正月を迎えるつもりだ。11年12月21日
クリスマス前に、今年こそ、年末に済ませることを総て終えようと思っている。数の子、黒豆、お供えは買った。お供えは先週始めから飾ってある。次は松飾りをクリスマス前に飾る。年末は付き合いの出費が多く、毎年、正月資金を使い込むのでそう決意した。ちなみに、クリスマスのリースは一年中飾ってある。仏教徒だが、これは教会が門松を立てるのと同じようなものだ。教会・門松は本当の話し。
昨夜は殆ど徹夜で年賀状用の絵を完成させた。仕事柄、一般的な年賀状の絵柄ではなく、希望を表現した売れる絵にした。希望、それが来年に託した言葉だ。震災に原発事故と今年程に激動した年は記憶にない。新年は穏やかな1年であって欲しいと心から願っている。
画材はアクリル絵の具を使っている。この絵の具の特性で、少し置くと顔料の微粒子が拡散し絵が少し暗くなる。それで、お昼に手を入れて修正した。遅い昼食に熊本の姪が送ってくれたカラシ蓮根を食べて、夕暮れ買い物へ出た。
出る時は薄着になる。今年はまだ暖房を入れていないので寒さに耐性ができて、急ぎ足で歩くと汗ばむ。冬になり一層空が美しくしい。去年、母と死別して以来、喪失感に苦しんだが、ようやく自然の美しさに心底感動できるようになった。時間は総てを解決してくれるようだ。
最近、散歩中に欧米でヒットしている由紀さおりを聞く。昔、CDカバーの仕事をしていたので、レコード会社からの貰い物のCDが山のようにある。その中に、彼女の唱歌集があったので、早速、iPodに入れた。あらためて聞いてみると、清潔感のある大人の声でヒットするだけの実力がある。彼女は62歳。その歳まで歌唱力を保っているのは驚異的だ。彼女の世代の歌手には世界に通用する実力派が多い。それが認められなかったのは、宣伝しない日本人特有の控えめさの所為だと専門家が言っていた。
あらためて日本の唱歌を聞くと、旋律の繊細さや歌詞の奥深さが素晴らしい。日本の音楽は狭い国土の中で独自な発展を遂げている。彼女をきっかけに、第二第三の由紀さおりが世界で再認識されるかもしれない。
今日も金正日死去の報道が続いている。アナリストの話しでは、服喪期間は軍は静かにしているので、大きな軍事衝突は起きないようだ。
それにしても、北朝鮮国民の嘆き様は尋常ではない。その裏に、金日成死去の時、嘆き方が足りなくて厳罰に処せられた国民が多数いたから、と報道の解説にあった。彼の国の厳罰とは2,3日留置されるような軽いものではない。一族郎党、突然身分を剥奪されて、強制収容所で死と紙一重の過酷な懲罰だ。その現実を知ると、明らかにカメラを意識して、田舎芝居のように泣き叫んでいる者が多くいた。この演技力を見ていると、朝鮮民族は芸能に優れていることがよく分かる。
帰宅して、買って来た屠蘇散3袋を味醂に漬けた。私は濃い屠蘇が好きなのでそのままでも飲むが、飲む時に適度に酒を加えることもある。最近は屠蘇を知らない若者が増えた。だから、大きなスーパーでは店員に聞いても知らないことが多い。今日は老人世帯が多い都営桐ヶ丘団地の生協へ行ったので屠蘇は目立つ所にあった。それで忘れない内に買った。
台所を済ませてから、再度絵に筆を入れ、仏壇の前に置いた。母は私の絵が大好きで、いつも完成を楽しみにしていた。死の数日前も、元気づけようと絵を持って行くと、声を出せなくなった母は嬉しそうに指先でそっと絵を撫で続けていた。
仏前で、完成した絵を手にし、「いいね。いいね。」と褒めてくれる母の声を思い出した。子供の頃から母は私の絵を見るのが好きだった。母が必ず褒めてくれるので、私は画力に絶対的な自信がつき絵描きになることができた。
仏壇の前に手作りの台がある。そこに布団を敷いて今年始めて炬燵を入れた。弱でも暖かく、気持ち良く寝入り30分ほど寝不足を補った。
先日の赤羽自然観察公園。雲一つない青空に夕日に光る木立の梢が美しかった。
激動の 星霜黙す冬木立
来年こそ、穏やかな年であって欲しいと心から願っている。
緑道公園のスズカケの巨木。
スズカケの 鈴音高く冬の空
玄関前から下を見ると、新河岸川沿いの道を老夫婦がゆっくり歩いて行った。
老いの影 二つ揺らぎつ紅葉道
見えない糸で繋がったように、互いに言葉を交わすわけでもなく、歩いて行く二人に惹かれてシャッターを押した。
赤羽自然観察公園のカモ。カメラをかまえると何か貰えると思ったのか、興味津々近づいて来た。
赤羽駅近くの商店街。以前は買い物客で混雑していたが、今は飲み屋ばかりになって、買い物客は年寄りばかりになった。
左の八百屋は、芋がらなど昔の食材があるのでよく買い物をする。この時はカリンが店頭に出ていた。
美しい夕日に、昔付き合っていた人を思い出した。
静かなる 水面に映る冬空に 淡く消え行く君の面影
明日は冬至。
明後日から日に日に日が長くなり、あっという間に春を迎える。振り返ると、そうやって一瞬の内に月日が過ぎて行った気がする。
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