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2012年3月27日 (火)

金星・三日月・木星が並んだ天体ショーと、悟りに近い釜ヶ崎の住人たち。12年3月27日

Jvm_0MvjI1x昨日26日の夕暮れから3時間ほど、西の空に 金星・三日月・木星と等間隔に一列に並ぶ美しい天体ショーが見られた。

夜の散歩で環八を中山道へ歩くと、常に右上に、まるで天空を月の女神が翼を広げて舞っているように見えた。

画像の星と月は小さいが、実際はとても大きく見える。上の明るい星が金星で下の星が木星だ。

今夜も、三者が位置を変えた姿が見える。どれも一際明るく美しい。

中画像が27日夕暮れ後の姿。
上から、月・金星・木星。
東京北社会保険病院の庭にて。

僅か一日で、これ程に移動するとは予想外だ。
この姿を見ると、昨夕の邂逅を眺められたのは、とても幸せだった。

ちなみに今月13日は金星の直ぐ隣りに木星が並んでとても美しかった。
一番下の画像がそれ。
右斜め上の明るい星は金星。左は木星。


昔から、人は死んだら星になると信じられて来た。以前は単なるたとえくらいに思っていたが今は違う。

明るく輝く金星と木星を見上げていると、死んだ母が微笑んでいるように感じる。毎夜、見上げている内に、穏やかな安らぎを覚えるようになった。

母が死んでから2年近く、右目下瞼がピクピクする"眼瞼ミオキミア"が続いていた。精神的ストレスにより脳細胞が異常な信号を出し続けているからと言われているが、本当のところは不明だ。

私の場合は母の介護と死別の喪失感がきっかけになったのは間違いない。自覚症状はないが鏡を見ると気になっていた。

そのミオキミアが、星を見上げて気持ちが安らいでから嘘のように消えた。どうやら間違いなく、ストレスが原因だったようだ。


NHK100分 de 名著「ブッダ 心理のことば」は座右の書になっている。
散歩前に適当に開け、目に入った言葉を考えながら歩く。

昨日、目に入ったのは「サンガ」だった。それは出家して所属する組織のことだ。
そう書くと富士の裾野にあった忌まわしい新興宗教の施設を連想するが、あれとはまったく違う。あの飯場のようなガサツな安普請が並ぶ荒れ地に、場違いな高級車が停車している風景は実に醜悪だった。あの大事件以来、醜い物は正しくなく、正しいものは美しいと考えるようになった。

サンガはあの醜悪な組織のような集金マシーンではない。
かと言って禅宗の雲水が暮らす寺院とも少し違う。
東南アジアの上座部仏教の出家がそれに一番近い。

出家するには、まず家族と縁を切り、総ての財産を捨てる。持参できるのは僧衣3枚と僅かな身の回りの品だけだ。出家すると労働は許されず、托鉢で毎日の食を得る。完全な年功序列制なので出世競争はまったくない。組織で生活すると、皆同じ気持ちで暮らしているので、修行が達成しやすい。

サンガでは総ての執着を捨て瞑想し、誠実に静かに老いて静かに死を迎えられる。釈迦が唱えた本来の仏教は、そのように自分で自分を救う自力本願だ。その意味で、哲学にとても近い。一般の宗教のような神に相応する存在がない。今ある沢山の仏様は後年、ヒンズー教などの影響を受けて生まれたものだ。

先日、大阪の日雇い労働者の街、釜ヶ崎を取材した番組を見た。そこでは毎日のように路上で人が死んでいた。番組中でも、炊き出しを待っていた老人が倒れて死んだ。どれも哀しい場面ばかりだったが、もしかすると、それは一方的な見方で、本当は人があるべき終わりの姿かもしれない。

彼らは労働はせず--実際は働きたくても仕事がない。持ち物は最小限の品だけ。執着を捨て--実際は執着を諦め、家族と縁を切り--実際は家族に切り捨てられ、見方を変えると「サンガ」にとても似ている。
大きな決定的な違いは、彼らには明確な目的意識がないことだ。もし、彼らが明確な目的意識を持ったら、悟りに最も近い人たちなのかもしれない。

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