年金前倒し受給と "NHK・100分de名著・ブッタ 真理のことば" 12年3月16日
お昼のワイドショーで、年金は何歳から貰ったが得かをやっていた。経済アナリスト森永卓郎氏は前倒しに60歳から貰うのが得だと説明していた。彼の計算は、将来の年金削減とか年金支給開始70歳などを加味しての生涯収得年金の損得だ。
私も同じ考えで60歳から前倒しで貰った。減額されたのでたいした額ではないが、母の介護中だったので大変に役立った。
私の損得勘定は森永卓郎氏とは少し違う。それは年齢の違いにおけるお金の価値の違いだ。仮に1万円を若者と熟年とを比べるとその価値は大きく違う。若い程、お金の価値は大きい。たとえばデート費用が1万円でも、若者なら十分に楽しめる。しかし、熟年だったらとても足りない。年金も同じだ。60歳の1万円と65歳の1万円はその価値が大きく違う。お金は若い程有効に使えるものだ。その価値の変化も算出に入れる必要がある。
ヒヨドリが ウトウトしてる 春の風
好天が続いて日射しが暖かい。緑道公園のヒヨドリは、いつもならカメラを構えると警戒するのに、のんびりしていた。
春が来た カラスエンドウ 大あくび
東京北社会保険病院下。日溜まりで一輪だけ咲いていたカラスノエンドウ。両手を広げてあくびしているように見えた。
眼科の予約で散歩途中に東京北社会保険病院に寄った。その後屋上庭園に行くとハナカイドウの莟が色づいていた。
2年前、満開のハナカイドウを母に見せたのを思い出した。
母との死別の喪失感は薄れ、今は懐かしく思い返せる。それはグリーフケアのマニュアル通りの展開だ。まだ、ふと、寂しくなることはあるが、以前と比べたら遥かに小さい。
介護生活の後遺症があり、相変わらず小刻みに目覚める。これはつらい。昼間いつも寝不足の感じで、脱力感が抜けない。もしかすると、これが老いなのかもしれない。
母もよくテレビの前で居眠りをしていた。
テレビを消すとすぐに目覚め、
「音だけ聴きながら居眠りしていたのに。」と文句を言っていた。その照れくさそうな母の顔が懐かしい。
老いは他にもある。私は歩くのが早く、以前は人に追い抜かれることは滅多になかった。それが今は、時折追い抜かれる。足も弱ったようだ。
それとも、時代の趨勢で世間の皆が早足になったのかもしれない。去年の震災以来、足を鍛えている人が増えた気がする。あの日、交通手段が総て止まり、自宅まで徒歩で帰宅して、歩く重要性を再認識したからかもしれない。私も外出用のスニーカーとリュックは必需品になった。
いずれにせよ、年々老いて行くのは仕方がないことだ。
散歩中、桐ヶ丘団地の老人たちがベンチに腰かけてバスを待っていた。老人たちはバスで駅前まで買い物へ行く。私はまだ1日に10キロ以上は歩いていて、その間に買い物を済ませる。しかしやがて、同じように買い物のためにバス待ちするようになるのだろう。
今、NHKの「100分de名著・ブッタ 真理のことば」が静かな人気だ。私も去年、550円のテキストの古本をネットで1000円で手に入れた。テキストには長々とした説明はなく、シンプルに100ページ程にまとめてあるので、適当に拾い読みしても奥が深い。
「ブッダ、真理の言葉」は釈迦が最初に説法した原始仏教について書かれている。これを読むとブッタが説いたのは哲学と心理学と生活術だったと分かる。宗教である仏教に変化したのは後世のことだ。
たとえば一切皆苦と諸行無常。
生きていれば楽しいことがあるが、それは必ず失い苦しみに変わる。そのことをしっかりと認識していたら苦しみから解放される。これは実に合理的な教えだ。
その一例が北朝鮮の独裁者一族だろう。首領のためだけの病院と医学研究所を設け、彼と同じ体質の健康な人間を使って研究し、永遠の命を実現しようとした。そして国を挙げて美女を揃え、美食を用意し首領を楽しませた。しかし、その結果は誰でも知っているように虚しく終わった。
今の若い後継者も糖尿を患い心臓にも問題があるようだ。最高の現代医学の恩恵を受けても、彼は若死にすると中国・ロシアの関係者は判断し、その後の対策を密かに練っている。
今ある幸せは危うく移ろいやすいものだ。
そのことに多くの人が今回の震災で学び、身に染みた。その不安な世相だから、このような地味な番組やテキストに人気が出るのだろう。
今、日が暮れてすぐの西の空に金星と木星が明るく美しく見える。
金星はマイナス4.2〜4.4等星、木星はマイナス2.2〜2.1等星と非常に明るく、夕焼け空でも目立つ。殊に今は金星と木星が3度まで接近して、画像のようにとても美しい眺めだ。
更に3月下旬は、木星と金星の近くを細い月が通り過ぎていく様子が観察できる。25日には月は木星の少し下側に見え、26日には金星と木星の間に見える。そして、26日は金星、月、木星がほぼ等間隔で縦一列に並び、とても美しい光景になる。
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