危機に陥りつつある中国企業は今、日本の100年企業に注目し始めた。12年4月29日
中国企業についての最近の動向を読んだ。要約すると以下のようなことだ。
・・・日本の製造業の危機が言われ続けているが、それは中国でも同じで利益率が4〜5%と低い企業が多い。今、好調だった中国企業も大きな変換点に立っている。年率20%以上の賃金上昇と労働者不足。春節に地方都市へ帰省した労働者たちが戻って来ない深刻な現実。その結果として中国企業に労働集約ではなく機械を導入する動きが顕著になってきた。今再び、中国ではすでに機械化を達成した日本企業の技術者たちの獲得競争が激化している。
労働社不足は中国だけではない。ベトナムでさえ、インドネシアやミャンマーなどへ移転展開をするようになった。これはアジア全域でモノづくりの大転換が起こっていることを示している。
これまでの中国人経営者達は、古いものではなく日本から最先端の技術や経営を取り入れるのに躍起になっていた。しかし、中国人経営者たちは考えを変えた。今の中国企業の大多数は設立して2年ぐらいで潰れる。それに対し、日本にはバブル崩壊も、あらゆる大変動に耐えながら100年以上も安定して経営を続けている企業が2万社以上、200年以上が3146社、1000年以上が7社あり世界の最古トップは総て日本企業が占めている。
これまで中国からの訪問団は、トヨタ工場を見学して、松下幸之助歴史館に行き、箱根の温泉と秋葉原のお買い物が訪問団の定番コースだった。しかし今はトヨタの工場見学より、「日本の創業100年企業を訪問し学びたい」「西暦578年から1400年以上続く世界最古の企業・金剛組に連れて行って欲しい」と熱望し始めた。
100年以上も続くモノづくり企業がなぜ存続できるのかが彼らの問いだ。日本には創業200年以上が3146社もあるのに対し、古い歴史のあるヨーロパ全体でも、200年以上の老舗は1300社ほどにすぎない。
世界の100年以上の老舗のほとんどは日本にある。ある300年続く老舗企業の継続の答えはつぎのようなものだ。
「自分たちにも存続してきた理由がよく分からない。強いて言えば、経営に一喜一憂しなかったことかもしれない。」
これはとても示唆深い。一生に浮き沈みは必然で、辛い時も慌てずじっくりと生活すれば道が開ける。いつもあくせくしている自分に、言い聞かせたい言葉だ。
日本の強みは最先端技術だけではなく、地道な企業経営にあるのかもしれない。サブプライムショック・リーマンショック・欧州危機と激変する世界の中で存続し、雇用を守っている企業が日本には実に多い。これから、日本の経営能力は世界から注目されそうだ。
春最後に咲いたサトザクラも散り始めた。
いよいよ、新緑真っ盛りとなる。
撮影場所、御諏訪神社下。
昨日は好天で、暖かさのせいかズボンのチャックを開けたまま散歩してしまった。二人連れの女性がクスクス笑っていたのはこの所為だったのか、恥ずかしい。このそそかっしさは母ゆずりだ。
10年以上前のことだ。まだ母が元気だった頃、翻訳業のPさんが絵を見に来た。法人から受注した大きな仕事を終えて、お金にゆとりができたからだ。
彼女は40歳寸前だが、太って大柄で50過ぎに見られることが多い。その彼女が20代の男性と結婚した。彼はサラリーマンをやめ、医学部を狙って猛勉強中だ。Pさんはその自慢の彼のお披露目も兼ねて二人連れで来訪した。
「彼は来年、受験だよ。挑戦するのは偉いね。」
私は二人を母に紹介した。
すると母は「お受験のお子さんを抱えて、お母さんも大変ですね。」とPさんをねぎらった。
しまった。母の口調から察するに、彼を中学生と思っている。確かに、坊ちゃん刈りに黒ぶちの眼鏡にスヌーピー模様のセーター。受験疲れで肌の荒れた中学生に見えなくもない。どう繕うかか頭抱えていると・・
「ギャハハハハ、よく "若い" 母親と間違えられるんですよ〜」
Pさんは明るく反応した。
しかし、"若い" に、とても力がこもっているように聞こえた。やはり、Pさんは気にしてる。雰囲気は次第に重くなった。そのまま会話が弾むことなく、二人は絵をざっと見ただけで早々に帰って行った。
それから絵を買ってくれる返事はなかった。その後、届いた年賀状も印刷文面のみで、いつもの心のこもった添え書きがなかった。それ以降は年賀状も途絶えたので、二人の消息は分からない。
サトザクラは盛大に散った。
先日の雨の日は靴に着く程、吹きだまりに積もっていた。
赤羽台団地。
ツバメの夫婦が巣作りの場所を探して飛び回っていた。
シャツターの開いた駐車場の中を覗いていたが、そこだと閉じ込められてしまう。
良い場所が見つかることを願った。
昔と違い、ツバメも住みづらくなったようだ。
東京北社会保険病院下の公園芝生で四葉のクローバーを見つけた。
翌日に行くと芝生は刈り取られていたので、
私に見つけて欲しかったのかもしれない。
とにかく、良いことが起きそうで嬉しい。
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