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2012年4月14日 (土)

人生はいつも ささやかなことから変わり始める・大人三人でディズニーランド。12年4月14日

20年ほど前、銀座で個展をした。その時、甥がドイツ人の恋人を連れて訪ねて来た。彼女は生活環境の研究に東大留学していた頭の良いとても可愛い子だった。

二人は終わりまでいたので、ガード下の飲み屋に誘おうかと迷った。しかし、二人の邪魔をするのは無粋と思いそのまま帰した。

それから2ヶ月程過ぎた初夏の頃、突然甥の急死を知らされた。突然のことに驚きながら、あの時、飲み屋に誘えば甥の死はなかったかもしれないと思った。

その日、甥は大宮にバーを開店した友人のお祝いに訪ねて楽しく飲んだ。そして帰り、夜遅く大宮駅で仲間たちと電車を待っていると、ホームに貨物列車が入って来た。
「先に帰るぞ。」
甥は仲間に言い残し、通り過ぎる貨物列車に飛びつき大宮駅を後にした。彼はしばらくは貨車の取っ手にしがみついていたようだが、与野の手前で振り落とされ即死した。甥は飲むと突然眠くなる体質だった。多分、彼は強烈な睡魔に襲われて落ちたのだろう。

恋人は帰国して研究生活に入り、暫くして結婚して今は大学で教鞭を取っている。甥の母親である姉と彼女は、今も行き来して親密な関係を保っている。

もし、個展に来た甥たちを飲み屋へ誘ったら、私は人生を語り、少し無鉄砲な彼を諭したかもしれない。
だが、私は彼の運命に関わることはできなかった。彼の判断力は目前を貨車が過ぎる数秒間に狂い、貨車に飛びついた。

もし、私が希望や人生を語っていたら、その僅かな記憶が彼を無鉄砲から守ったかもしれない。
そのように人生はいつも、ささやかなことから変化する。

貴方が今の人生を不満に思っているなら、いつもと違うことをすることだ。たとえば、いつもの道順を変えるとか、長く連絡していない友達に電話をするとか。そのようなささやかなことで、人生は劇的に変わり始める。

12日の午後5時、男女の友人と渋谷で会った。共に大人の生活の重みを抱えている。
天気は好天。突然思い立ち、ディスセニーランドへ行こうと誘うと快諾した。快諾したのは、人生を変えたい思いが三人にあったからだ。

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京葉線車窓、東京湾岸に落ちる夕日は実に素晴らしい。これを見ただけでも来た意味があると思った。

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ゲートへ向かう道は何度歩いても心が躍る。三人は青春を取り戻したようにステップを踏んで歩いた。

アフター6にちょうど間に合った。中は程よい込み具だった。カリブの海賊は改装中で休み。それでまずジャングルクルーズ・ウエスタンリバー鉄道・蒸気船マークトウェン号・それらを待ち時間なしで連続に乗った。

夜のマークトウェン号の舳先は素晴らしい。夜の森の水路を滑るように進む様はまるで本物のミシシッピーを行く気分だ。その静かな闇の中で、友人たちの悩みを切れ切れに聞いた。難題も夢の世界では軽々と解決するような錯覚が起きる。三人は語るより、夜の闇の素晴らしさに浸っていたい気分だった。

下船するとイースターのエレクトリカルパレードが始まっていた。キャラメルポップコーンを食べながら、大人三人は白雪姫やシンデレラ姫を夢見心地で見上げていた。

その後、ザダイヤモンドホースシューでハンバーグとチキン料理の食事。食べ終える頃に花火が始まった。木立と白い瀟洒なレストランの建物に囲まれた誰もいない小広場に三人だけ。頭上で音楽に合わせて開花する花火を見上げているのは、経験したことがない贅沢な時間だった。

その後、スプラッシュマウンテン・ビックサンダーマウンテンを連続制覇。そしてホーンテッドマンションでお化けを楽しんでいたら、あっという間に閉園の10時近くになっていた。

名残惜しさを感じながら、TDLを後にし、私たちは現実世界に引き戻されて行った。
いつもと違うことをすれば夢が開く。それは間違いないと思った。

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