ズボン・チャック全開で外出した失敗。12年5月21日
今朝は4時近くまで仕事をしていた。おかげで寝過ごし日食を見逃した。残念無念。
個展前で忙しいせいか失敗が多い。
先日はズボンのチャックを開けたまま散歩してしまった。二人連れの女性がクスクス笑っていたのはこの所為だったのか、恥ずかしい。このそそかっしさは母ゆずりだ。
知人に、出勤時にスカートをはいてからパジャマのズボンを脱ぎ忘れ、そのまま飛び出した女性がいる。でも、今はそれもファションでありかなと思って、意外に気にならない。もっともコーディネートが合っていればの話しだが。
私はチャック全開の失敗が多く、今日はいつもより人目を惹いているな、と思っていると大抵、チャック全開だ。電車で立っている時、目線の高さで見られた時はさすがに恥ずかしい。
昔、銀座の老舗洋品店へ行った時、気取った若社長が、お前にこんな高いものは買えないだろう、と英国製のマフラーの講釈を並べ立てた。
「ほう、それはすごい、立派なお品ですね」
私は散々ほめあげた。
その時本当は、高価なマフラーより若社長のズボンが気になっていた。チャックが開いていてチェックのパンツがチラチラ見えていたからだ。
マフラーは買わず店を出ようとしたが、チャックのことを教えて上げることにした。
「社長、さすが良いパンツはいていますね」
そう言ってから可笑しさを我慢しながら店を出ると、慌ててチャックを閉めている若社長の姿がドアガラスに映っていた。
その光景を想い出すと今も頬が緩む。
その時、本当はおだてて有頂天にさせながら、オチを考えていた。 だから、彼が威張るほど可笑しかった。
その店は先代の頃からの付き合いで、今も絵が売れるとマフラーを買っている。すっかり貫禄が出た若社長はその時の私を覚えていない。
失敗の中でも、女性の鼻毛は気を付けないと大変だ。
昔、長年想いを寄せていた人と初デートしたとき、彼女の鼻から長いのが1本出ていた。私は教えようか、黙っていようか迷いながら、食事をして、夜の公園を散歩して別れた。
後で彼女は必ず気づく訳で、想い出すと切ない。
その後、彼女は結婚して子供に恵まれ、今も友だちとして付き合っている。
母は私以上にそそっかしい。
母が元気な頃、翻訳業のPさんが絵を見に来たことがあった。彼女は法人から受注した大きな仕事を終えて、お金にゆとりができたからだ。
彼女は40歳寸前だが、太って大柄で50過ぎに見られることが多かった。
その彼女が20代の男性と結婚した。彼はサラリーマンをやめ、医学部を狙って猛勉強中だ。Pさんはその自慢の彼のお披露目も兼ねて二人連れで来訪した。
「彼は来年、受験だよ。挑戦するのは偉いね」
私は二人を母に紹介した。
すると母は「お受験のお子さんを抱えて、お母さんも大変ですね」とPさんをねぎらった。
しまった。母の口調から察するに、彼を中学生と思っているようだ。確かに、坊ちゃん刈りに黒ぶちの眼鏡にスヌーピー模様のセーターと、受験疲れで肌の荒れた中学生に見えなくもない。どう繕うかか頭抱えてしまった。
「ギャハハハハ、よく "若い" 母親と間違えられるんですよ〜」
Pさんは明るく反応した。
しかし、"若い" に、とても力がこもっていた。やはり、Pさんは気にしてる。雰囲気は次第に重くなった。そのまま会話は弾むことなく、二人は絵をざっと見ただけで早々に帰って行った。
当然ながら、絵を買う話は消えた。その後、届いた年賀状も印刷文面のみで、いつもの心のこもった添え書きがなかった。ちなみに、Pさん夫婦はパソコンが大嫌いで、ブログを読まれる心配はない。
画像は昔描いた東芝EMIのCDカバー。
今はCD不況でこの仕事は皆無だ。
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